• "被害状況調査"(/)
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  1. 佐賀県議会 2021-03-10
    令和3年農林水産商工常任委員会 本文 開催日:2021年03月10日


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1     午前十時二分 開議 ◯古賀陽三委員長=皆さんおはようございます。ただいまから農林水産商工常任委員会を開催いたします。     ○ 黙     祷 2 ◯古賀陽三委員長=皆様御承知のとおりかと思います。桃崎峰人議長が三月五日に逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。謹んで故人の御冥福をお祈り申し上げ、黙祷をささげたいと思います。  全員御起立をお願いいたします。それでは、黙祷を始めてください。     〔全員起立、黙祷〕 3 ◯古賀陽三委員長=黙祷を終わります。皆さん御着席をしてください。     〔全員着席〕 4 ◯古賀陽三委員長=皆さんありがとうございました。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑に入ります前に申し上げます。新型コロナウイルス感染症対策のため、委員会室内では質疑応答の際もマスクを着用したほうがよいとの御助言を医療統括監よりいただいております。  つきましては、質疑応答の際もマスクの着用をお願いしたいと思いますが、マスクを着用し、起立した上での発言は聞き取りづらいこともあるため、着席したままでの発言も許可いたします。  それでは、通告に従い順次発言を許可します。 5 ◯下田委員=皆さんおはようございます。県民ネットワークの下田寛でございます。私も、桃崎議長からどんどんやりなさいと背中をたくさん押していただいたことを強く強く心に思いながら、質問を開始させていただきたいと思います。  まずは、有害鳥獣対策についてお尋ねをいたします。  有害鳥獣対策、これまでは田畑への侵入防止策として、ワイヤーメッシュや電気柵を整備したり、イノシシの捕獲対策として、狩猟と有害捕獲を合わせて二万頭以上捕獲するというようなことで、これは過去の経緯ですと、平成二十九年には二万二千二百頭、平成三十年には二万二千四百四十一頭、令和元年には二万七百九十八頭ということで、昨年も鳥獣害に対する対策等も出たこともありまして、今順調にこの捕獲に対しての対策が行われているものだというふうに思っております。  また、平成十四年のピークからは大きく減少していると聞いていますが、依然として中山間地を中心に発生しているとも聞いております。中山間地域の農家の方々にとっては、イノシシなどの有害鳥獣による被害は、単に農作物の収量や収入が減るということだけではなくて、生産意欲を大きく減退させることにつながることから、全国の様々なデータを見ていますと、有害鳥獣による被害によって、農家をやめようかなというような方々も結構いらっしゃるというようなデータも出ております。  また、特にイノシシの捕獲対策は重要であるというふうにも思います。また、最近ではイノシシや猿が住宅地や市街地に出没するケースが発生しており、地域住民も不安を抱えて生活をしておりまして、市町の職員も専門的な知識を有していないことから、その対応に苦慮しております。  既に御存じだと思いますけれども、特に私が住んでいる鳥栖市、昨年の十月にイノシシが、何と市役所のそばに出たということがあって、警察や猟友会の皆さんが中心になって捕獲をしていただいたわけでありますし、最近、鳥栖市と基山町では猿がずっと歩いて、毎日のように私の安心メールにも猿が出ましたということが頻発をしております。  そういった点を踏まえて、次の点についてお尋ねしていきたいと思います。
     まず、イノシシの捕獲技術の向上についてであります。  イノシシの捕獲頭数は、毎年二万頭以上捕獲がされている状況ですが、少しでも多く捕獲をするためには、捕獲従事者の技術の向上が必要であると考えます。  そこでまず一点目、県の認識についてであります。  狩猟免許を取ったばかりの方などは、捕獲技術も未熟であるかというふうに思います。捕獲技術の向上の必要性について、県としてどのように認識しているのかお尋ねいたします。 6 ◯池田生産者支援課長捕獲技術向上の必要性についての県の認識についてお答えいたします。  狩猟免許を取得したばかりの初心者の方は、例えば、箱わなによるイノシシの捕獲でございますと、箱わなをどういったところに置けばいいのか、それから、その箱わなの設置の方法、おびき寄せるための餌まき、最後の捕獲後の止めさしなどの捕獲に関する技術を先輩の捕獲従事者の方に教わりながら、習得をされていくことが多いというふうに聞いております。自ら捕獲し、適切に処分できるようになるためには、やはりある程度の時間をかけて経験を積むことが必要になるというふうに考えております。  今後も、委員おっしゃいました二万頭以上、このイノシシの捕獲頭数を維持していくためには、捕獲従事者の確保とあわせまして、それぞれの捕獲従事者に一頭でも多くのイノシシを捕獲してもらうということが重要であり、そのためには捕獲技術の向上というものが必要というふうに考えております。  以上、お答えします。 7 ◯下田委員=捕獲技術の向上の必要性については、私も県も同じ認識であると思います。  それで、今後の取組というところをお尋ねしたいのですが、捕獲技術を向上させるために、今後どのような取組を行っていくのかという点についてお尋ねいたします。 8 ◯池田生産者支援課長=今後の取組についてお答えいたします。  有害鳥獣による被害防止のためには、すみ分け対策、侵入防止対策、捕獲対策の三つの対策を地域ぐるみで取り組むということが重要と考えております。  このうち捕獲対策につきましては、イノシシなどの捕獲報償金の交付、箱わななどへの補助などとあわせまして、まずは捕獲従事者の安全確保が重要ということから、佐賀県猟友会に委託して事故防止研修安全指導研修というものを行ってきているところでございます。  捕獲技術を習得するための取組としては、これまで県猟友会の支部などで独自に研修会を行うなどされてきたところでございまして、しかし、狩猟免許所持者の高齢化も進んでおり、技術の指導にまで手が回らない支部が出てくるということも想定されるところです。  こうしたことから、今後、捕獲技術を指導できる現場指導者の養成というものが必要になってくると考え、県では来年度、県や市町の職員を対象に、捕獲に関する知識や技術の習得を目指す研修を行うための関連予算を今議会にお願いしているところでございます。  具体的には、イノシシ等有害鳥獣捕獲に関する豊富な知識と指導経験を持つ事業者に委託して、被害状況の把握からわなの仕掛けに係る実技講習など、被害現場での捕獲従事者への指導、助言に役立つ内容の研修を行いたいと考えております。  県としては、こうした取組によって、県内捕獲従事者の技術の底上げにつなげていきたいと考えております。  以上、お答えします。 9 ◯下田委員=すみません、ちょっと私聞き逃したかもしれないですけど、今の点は、技術習得に関しては県庁の職員の方が対象なのか、もしくは猟友会の方が対象なのか、そこをお尋ねしたいんですけれども。 10 ◯池田生産者支援課長=研修の対象者についてお答えいたします。  現在考えておりますのは、現場の指導者を対象とした研修として考えております。そうすることで、被害地域における地域ぐるみでの被害対策の取組というものを引っ張っていくような指導者としてやっていっていただけるということの効果も考えておりまして、対象としては、来年度でいけば県職員、それから、市町の職員を今のところ考えているところでございます。  以上です。 11 ◯下田委員=現場の指導者として、県や市町の職員等も考えているということでありました。分かりました。  では、次の市街地に出没するイノシシや猿についてお尋ねいたします。  先ほども申し上げましたが、最近、市街地に出没するということで、これも結構県内でも温度差があるのかなというふうにも思っています。恐らく唐津市とか、多久市とか、武雄市とかは慣れていらっしゃると言ったら語弊があるかもしれないですけれども、私が住んでいる鳥栖市、佐賀県東部は、特に市街地はあまり慣れていないんですよね。だから、やっぱり一匹猿が出るだけで怖いんですよ。現に基山町ではかまれた方もいらっしゃって、例えば、神埼市、山の中とか、結構市街地に近いところまでイノシシが出てきたりして非常に怖い。自治体による温度差は様々あるんですけれども、徒手空拳で頑張っていらっしゃるという現状を私も目の当たりにしております。  ただ、市街地に出没する鳥獣害に対しての対策というのは、私はこれから非常に大切になってくるものだという認識がありますので質問させていただきますが、まず一問目の市街地に出没する要因についてであります。  近年、イノシシや猿が、市街地や住宅地に頻繁に出没しておりますが、その原因はまずどのようなことが考えられるのでしょうか。 12 ◯池田生産者支援課長=イノシシや猿が市街地に出没する要因についてお答えします。  県として、市街地や住宅地へイノシシや猿の出没する件数について公式な統計というものは持っておりません。そこで、佐賀県の「防災ネットあんあん」によります県内の直近三カ年におけるイノシシの出没情報の配信件数で見てみますと、平成三十年度が二十一件、令和元年度が三十三件、令和二年度、これは二月までですが五十八件となっております。  同じく、猿の出没情報の配信件数を見ますと、平成三十年度二十九件、令和元年度四十七件、令和二年度、二月までですが四十四件となっており、イノシシ、猿のいずれも増加傾向が見られるところです。  一般的に市街地や住宅地にイノシシや猿が出没する主な原因といたしましては、収穫されなかった果実や出荷されずに放置された農作物、また、住宅地近くに放置された生ごみなどが、意図せずイノシシなどの餌となって誘引されるというようなことが考えられます。  また、市街地や住宅地周辺の緑地や河川などでは、高齢化などで労力不足で刈り払いが行われなくなったりしましてやぶになってしまい、イノシシが隠れる場所となり、市街地への侵入ルートとなってしまう場合もあると考えております。  また、人による餌やりがイノシシなどを誘引してしまう場合もありまして、神戸市では人による餌づけがイノシシの市街地出没の主な原因であるとして、条例でイノシシへの餌づけが規制をされているところでございます。  以上、お答えします。 13 ◯下田委員=過去三年分の統計も含めて情報をいただきました。ここ直近の三年間だと、増加しているなというような傾向があるということで、その要因等についてもお話をいただきましたが、やはり増えているのは間違いないですね。  じゃ、そのときにどういった対応をすべきなのかというところが、県のホームページにこういうのがあるんです。「イノシシやサルに出会った場合の対応の手引き」(資料を示す)、これは平成二十二年十一月に出ているんですけれども、イノシシとは、猿とはと書いてあって、最後に、「イノシシやサルが、市街地に出没した場合や民家近くで暴れて危険な状態にある場合などは、最寄りの市町役場または警察(一一〇番)に連絡してください。」とあるんですけれども、残念ながら、市町の職員は分からないんです。それで、試行錯誤しながら、猟友会の皆さんと協力しながらやっているというような状況です。  そういった状況、恐らく県の皆さんも把握していると思うんですけれども、この二番目の質問ですが、市街地に出没してきたイノシシや猿への対応について、県としてどのように考えているのかお尋ねいたします。 14 ◯池田生産者支援課長=イノシシなどが出没した際の対応についてお答えいたします。  イノシシなどの市街地への出没が頻繁になりますと、次第に人慣れするようになって、恒常的な出没へとつながるおそれがございます。人慣れしてしまった個体は追い払いや捕獲が必要となりますけれども、市街地では銃器の使用ができず、わなの設置場所も限られてしまうことから、捕獲するのが非常に難しい状況となります。  こうしたことから、まずはイノシシ等が市街地に近づかないようにすることが重要であり、生ごみなどの誘引物を放置しない、やぶなどの定期的な刈り払い、餌をやらないなどの対策の徹底が必要と考えております。  もしイノシシや猿が市街地に出没するようになった場合は、まず、市町が警察などの関係機関と協力し見回りを行うとともに、近隣の住民や学校等へ注意喚起のための情報周知を行うなど、住民の安全確保に努めることとなっております。  さらに、人慣れして頻繁に市街地に出没するようになった場合は、先ほど申しましたように追い払いや捕獲が必要となりますが、対応が難しい場合もございますので、県としては市町に対して、他県や県内での事例、例えばですが、大きな板などを盾としまして、十数名でイノシシを囲い込んで山手のほうに誘導して追い払うなど、そうした情報を参考にアドバイスをしたり、また、イノシシや猿の生態、捕獲方法に精通した専門家の意見を伺うなどして、現地の地理条件に合った効果的な追い払いや捕獲方法が見出せるように、市町や警察に協力をしていくこととしております。  以上、お答えします。 15 ◯下田委員=そうなんですね。そのような対応は取られるということなんですが、実際、私が市町にヒアリングをした感じでは、そういったことがあったというのは正直聞いていません。恐らく中山間地における対策でそういったことが実践されているのかなというふうにも思います。  ただ、そういった準備がしっかりなされていて、市町との連携というのが、正直あまり今まで市街地での対策というのが取られていない、もしくは市町の方々がどこに相談したらいいかがよく分かっていないというような現状があるのではないかというふうにも、実際、現場の話を聞いていて思いました。  そこで、三番目です。市街地出没対応マニュアルの作成についてということをお尋ねしたいと思うんですが、先ほど紹介しましたこの手引、これは十年前のものでもありますので、もう一回改定をし直したほうがいいんじゃないかなと思っています。  一つコメントといいますか、「野生生物と社会」学会というところが出しているコメントなんですが、一部紹介をさせてもらいたいと思います。  これは新潟県であった実際の事例を、新潟県の住宅地で出没した事例を基に出しているコメントです。  「動画を見る限り、対応された市職員や警察官の皆様の下半身には『防護具』が装着されていないように見受けられ、半袖シャツの方も少なくありませんでした。盾を持参している警察官も限られていたようです。しかし、イノシシの犬歯にはナイフのような鋭利な『刃』が存在し、その攻撃により重度の切創を受ける可能性があります。もし、太腿の前面を攻撃された場合には大腿動脈が損傷され、命に関わる危険すらあります。」と。一部省略しますが、「『イノシシの犬歯』の危険性を念頭に置く装備(下半身を守るための防刃用具や前掛け等の装着)の着用ならびに盾の持参が必要と考えます。」と。「危険性は犬歯による攻撃ばかりではありません。指などを咬まれることによる骨折や感染症のリスクもありますので、上半身においても長袖の衣類や手袋の着用をご検討ください」と。また、報道陣におかれましても、「兵庫県では、カメラクルーが重傷を負った事例があります。」と。  また、「従来のイノシシ対策は、おもに『農業被害の防止』の観点から語られてきました。しかし、今回の燕市の事案に象徴されるように、これからは『市街地への出没』についても同時に考えなければなりません。そのためには、『農業被害』と『市街地への出没』とは別次元の問題であることを意識し、それぞれに対する適切な対応と体制の強化が求められます」と。  まだ読ませてもらいますけれど、「最近は、『人の生活圏に出没した野生動物によるトラブル』が、毎日のように続いております。そして、地元の行政や警察、猟友会の皆様が身の危険を顧みずに対応しておられる」という状況と。また、「このような対応は、もはや限界に達していると考えるべきでしょう」。海外では専門の対応部署等も設置されているようです。「関係諸機関におかれましては、これらの体制構築に向け、早急に検討を頂きますよう切にお願い申し上げます」というようなことが書いてあります。また、盾についても不透明のものが推奨されるというような注意書きもあります。  これは昨年の鳥栖市役所でイノシシが出たときのやつですね。これは西日本新聞さんの記事なんですけれども、(資料を示す)写真が載っていますけれども、今、「野生生物と社会」学会のコメントを踏まえた上で見てみると、半袖の職員がいますし、ただの作業服を着ている方もいらっしゃるんですよね。盾なんかは普通の警察が持っている盾をやっていて、学会の専門家が指摘していることと比較すると、やっぱりそういった意見が反映されていない状況だと思います。  先ほど課長から答弁いただきましたけれども、様々な対策が県でも取られているということが市町となかなかまだ共有できていないところがあると。さらには、また県とは違って市町だと、結局、担当者がそこに張りついて鳥獣害対策を何年もやるということがなかなかできない。だからこそ、先ほど御答弁いただきましたとおり、研修において県職員プラス市町の職員まで反映するということが今後行われるというふうに思っておりますが、こういった状況も見ると、やはり県として、県全体で市町も連携した中で市街地に鳥獣害が発生した場合の対応マニュアルというものを私はつくっていくべきではないかと考えておりますが、その考え方と必要性について御答弁をいただきたいと思います。 16 ◯池田生産者支援課長市街地出没対応マニュアルの作成についてお答えいたします。  住宅地などに出没するイノシシや猿への対応につきましては、基本的には市町が対応していることから、関係機関のどの部署と情報を共有し、どこの集落や施設などへ注意喚起をすればよいかなど、住民により近い各市町で具体的な対応マニュアルというものを作成されるほうが、実効性があるものができるのではないかと考えております。  しかし、先ほど委員のほうからもございましたように、市街地への出没情報が増える中、これまでそうした経験のない市町におかれましては、まず何から対応すればいいのか、基本的な対策が何なのか、そういったことを知っておきたいというニーズがあるというのも事実と認識しております。  このため、先ほど委員のほうから御紹介もしていただきました、県のほうで作成しております「イノシシやサルに出会った場合の対応の手引き」、こちらのほうは県民向けとして現在作成をしているところでございます。今後、この手引をベースとしまして、イノシシなどが出没した際の関係機関への連絡体制、役割分担、それから現地での具体的な対応方法、そういったことの指針をさらにそこに追加で盛り込みまして、市町におけるマニュアル作成の参考となるようなガイドラインというものを県のほうで作成していくこととしたいと思います。  以上、御答弁します。 17 ◯下田委員=御答弁ありがとうございました。  指針を作成いただけると、検討していただけるということでありました。鳥獣被害も年々増えていますので、その安心・安全のためにぜひお願いをしたいと申し上げて、次の質問に行きたいと思います。ありがとうございます。  続きまして、佐賀県再生可能エネルギー利用等基本計画についてお尋ねをいたします。  今議会で佐賀県再生可能エネルギー利用等基本計画、非常に壮大な未来に向けての基本計画が提出され、議会でも、また一般質問、代表質問等でも議題に上がり、非常に注目される、また今後必ず注目される分野のものが出てまいりました。  また、国におきましてもカーボンニュートラルをやっていこうということの方針が出まして、今後一気に国だけではなくて全国的にも再生可能エネルギーの利用についての機運は高まっていくであろうというふうに予測ができます。  また、全国的にはCO2の削減の機運が高まっている中で、電気自動車の活用が叫ばれるようになっておりますが、佐賀県はその先を見て、先見性を持って水素に注目をしており、その活用に向けた事業推進を着々と進めております。また、このような取組を一貫してやっている都道府県というのも全国にも恐らく三県ぐらいしかないというふうにも聞いておりますので、その取組について、これから注目がきっと集まってくるものだと認識をしています。  また、基本計画案を見ても分かるとおり、エネルギーの用途というのは電気と熱利用と輸送用というふうに大きく分かれるわけで、そのうち発電用は三分の一、そして、熱利用と輸送用のものが三分の二を占めるということで、結構皆さん、ここは電気のところだけに注目して、実は熱と輸送とあるんだよというところにはなかなかまだ注目が行っていないというようなところでありますが、佐賀県においてはこの点についても基本計画案の中で触れられております。  それで、全国的に注目されている電気自動車の活用だけではやはり対応ができないということも明白であって、佐賀県が進めている再生可能エネルギーの活用推進を含めた全体的な取組の検討は必須であるというふうに私も思います。  そこで、国が掲げている二〇五〇年のカーボンニュートラルを産業労働部としてどのように受け止めているのか。また、この基本計画は先見性があると私は思っていますが、難しいので、多少かみ砕いて理解をするという意味も込めて、どのような考え方になっているのかというのをお尋ねしていきたいと思います。  まず問一ですが、カーボンニュートラル宣言についてであります。  国が二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を行いました。まず、この国の宣言というのがどういったものかというのをお尋ねします。 18 ◯大野新エネルギー産業課長=国の二〇五〇年カーボンニュートラル宣言についてお答えさせていただきます。  国の宣言につきましては、世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏二度高い水準を十分に下回るものに抑えること、及び一・五度高い水準までのものに制限するための努力を継続するというふうにされておりますパリ協定の達成に向けまして、世界的にカーボンニュートラルの実現を目指す動きが主流となりつつある現状を踏まえまして、国においても二〇五〇年までのカーボンニュートラルの達成を宣言されたものというふうに受け止めております。  国は積極的に温暖化対策を行うことが産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるとの考えの下で、今回、成長戦略として研究開発の促進や規制改革などに取り組むとしていると理解をしております。  以上です。 19 ◯下田委員=ありがとうございます。このカーボンニュートラルのことが、産業構造、経済構造が変わることで今後の成長につながるというような認識の下で、先日、政府から発表されたというものだと思っております。  では、それを踏まえて二番の佐賀県の考え方についてなんですが、国のカーボンニュートラル宣言を県としてはどのように受け止めているのか。また、この基本計画、ちょうどタイミングのいい時期の計画案となっておりますけれども、佐賀県の基本計画はカーボンニュートラルも見据えたものとして策定をしていたものなのかというのをお尋ねしたいと思います。 20 ◯大野新エネルギー産業課長=国のカーボンニュートラル宣言の受け止めと県の考え方について答えさせていただきます。  国のカーボンニュートラル宣言は、温暖化の進展を止めるとの強い意志を示されたというふうに評価をしております。  カーボンニュートラルの実現に向けましては、国、地方、企業、個人等がそれぞれの果たすべき役割に応じまして計画的に進めていく必要がございまして、現在、国におきましてエネルギー基本計画の見直しの作業が行われておりますし、国会におきましては「地球温暖化対策の推進に関する法律」、いわゆる温対法の改正案が審議されておりまして、先ほどの基本計画と温対法に基づく取組が、カーボンニュートラルの実現に向けた国の取組の中心になるものというふうに考えております。  先ほど申しましたとおり、エネルギー基本計画については見直し中でございますし、温対法についても改正案が国会において審議されているという現状におきましては、カーボンニュートラルの実現に向けた国の具体的な取組方針がまだ明らかではございませんことから、御審議をお願いしております佐賀県再生可能エネルギー利用等基本計画につきましては、現時点ではまだカーボンニュートラルを見据えたものとはなっておりません。  国内で排出される温室効果ガスの八六%を占めているとされておりますエネルギー起源CO2につきまして、現時点で予見可能な範囲で技術的、経済的な実現可能性を意識しながら、その排出を最大限に低減させるシナリオについて今回検討させていただきまして、そのシナリオに沿って目標を設定したものとして今回まとめさせていただいております。  以上です。 21 ◯下田委員=ありがとうございます。この改定の在り方とか、また後ほど聞かせてもらいたいと思いますが、(二)の基本計画についてというところを聞きたいと思います。  まず、長期目標についてであります。  二〇三〇年には、これは委員会で頂いた資料の十一の二のところに入っているやつですね。この長期目標についてなんですが、二〇三〇年には一旦LPGとLNGが増えていますが、ここがどういうことなのか。また、LPGとLNGは二〇五〇年時点でも現状と大きく消費量が変わっていませんが、一体どういうことなのかというのをお尋ねしたいと思います。  また、この十一の二の一覧表ですね。まだ全国的にも自治体が出していくのはこれからの部分もあるんでしょうけれども、こういったのはあんまり見たことないので、多分、佐賀県が結構先進的に取り組まれている事例なのかなというふうにも思っています。そういった点も踏まえて、この長期目標についてお尋ねしたいと思います。 22 ◯大野新エネルギー産業課長=基本計画の長期目標につきまして答えさせていただきます。  カーボンニュートラルの実現に向けましては、実際問題として、石炭や石油等についてCO2を排出しないものへと置き換えていく必要がございます。例えば、県内のエネルギー起源CO2の排出量の約四割を占めております製造業等の産業分野では、これは技術的な課題であるとか経済的な課題から、現時点で使用されている重油等の全てを直ちにCO2を排出しないものに置き換えるということは現実に困難であるというふうに考えております。  こうした中でも、少しでも早くCO2を削減していくためには、現時点でも技術的、経済的に置き換えが可能で、石炭や重油と比較いたしましてCO2の排出量が、これの導入の仕方によってもばらつきがございますけれども、三〇%程度は削減可能な天然ガスや液化石油ガスへと転換していくことが効果的だというふうに思っております。  ここで、LNG、LPGというふうに表記をさせていただいておりますけれども、LNGは液化天然ガスの略で、LPGは液化石油ガスの略になります。  二〇三〇年時点では石炭や重油がLNGやLPGに転換されていっている段階というふうに考えておりまして、そうすると重油と石炭が減った分、どうしてもLPG、LNGが増えるということを想定し、二〇三〇年ではこれらが増えているというふうにシナリオをつくったものでございます。  また、二〇五〇年のシナリオにおきましては、LPGとかLNGの消費量が大きく今と変わっていないということについては、温暖化の進展により風水害のリスクも高まっておりまして、こうした中で二〇一九年度には、千葉県を中心に台風によって発生した停電が長期化したというのは記憶に新しいところだと思いますが、こうしたことを教訓といたしますと、もしエネルギーの全てが電気に置き換わった場合に、停電ということを考えますと、災害に対する地域社会の強靱性が低下するというおそれがあるというふうにも考えております。  また、LNGやLPGは一定の量が消費されて初めて安価で利用ができるというふうになるエネルギーでございますので、価格を維持するためには一定量の消費が必要というふうにも考えております。特にLPGなんかは末端の、いわゆる一般の県民の皆様が、特に中山間地等の、エネルギーの供給がなかなか難しいところでも使われており、価格を維持するというのも重要なことだというふうに思っております。  こうしたことで、県民の日常生活を支えておりますLNGやLPGにつきましては、こういう理由で現在の消費量が維持されるということを想定しているものでございます。  以上です。 23 ◯下田委員=もう少し絞って、私が理解していないと思うんですけれども、要するに二〇三〇年時点で多少増えるのはどういうことなんですか、もう少し短く。 24 ◯大野新エネルギー産業課長=現在、製造業等の産業分野で実際に重油とか石炭がまだ使われているんですけれども、これを本来であればいきなりCO2を排出しないものに置き換えられればいいんですが、置き換えられないので、CO2は排出してしまうんですけれども、CO2の同じエネルギー量ではCO2排出量が少ない天然ガスとか液化石油ガスに置き換わるということを想定しています。そうすると、石油とか重油の量がそちらのほうにシフトするので、その分が上乗せされるということで増えているというシナリオにしているものでございます。 25 ◯下田委員=分かりました。  では、次に行きますが、この計画案の中の十六ページに発電用のエネルギーと熱利用と、その輸送用のエネルギーの転換シナリオというのを書いて提案してもらっているんですけれども、これも全国のを見ていてもあんまりないんですよね。これは多分、佐賀県が頑張ってやってくださっているものだと思うんですけれども、次に、熱利用されているエネルギーの転換シナリオについてというのを伺います。  大型ボイラーと中小型ボイラー及び家庭用で転換シナリオが異なっていますが、その理由は何でしょうか。  また、大型ボイラーでは、一旦天然ガスに転換した上でさらに水素に転換するというシナリオが示されていますが、これは二重に投資が必要になるんじゃないかと考えるんですけれども、この内容についてお尋ねします。
    26 ◯大野新エネルギー産業課長=熱利用されているエネルギーの転換シナリオにつきましてお答えさせていただきます。  一般的に温室効果ガスの排出が少ないLNGとかLPGに代表されるようなガス燃料については、石油などと比較して、単位体積当たりのエネルギー量、これをエネルギー密度というふうに称しておりますが、このエネルギー密度が小さいという特徴がございまして、同じエネルギー量を使うためには石油よりも多くの体積が必要になります。  特にLNGにつきましては、石油と比較して体積が必要ということもありまして輸送効率が悪く、また、石油は常温で液体ですけれども、LNGは非常にごく低温まで冷やして液体を保っておりますので、長期間の貯蔵というのが難しいというような課題もございまして、こういった課題を併せますと、貯蔵の効率も悪くなるということが分かっています。  現在、重油等を消費しております企業などがLNGに転換するためには、多くの量を導入して経済的な効率を高める、効率が悪くなる分だけ、やはり量がないと経済性が保てないということを考えております。  水素につきましては、LNGよりもさらにエネルギー密度が小さいことから、経済性を維持するためにはやはり量が必要になるという点は変わらないということも考えております。  このように消費する量に応じて経済性が保てる、保てないが変わってくるものですから、それで、大きなエネルギー設備と小さなエネルギー設備を一緒くたに考えるということは現実性がございませんので、それで消費量の大きな大型ボイラーと、それ以外のものとでそれぞれシナリオを分けて検討したというものでございます。  大型のボイラーについて、一旦LNGに転換して、その後に水素に転換されるシナリオとしておりますのは、まず水素というのは、アンモニアということを最近言われているんですけれども、アンモニアは結局、水素と窒素から作るものですが、水素を変えたものというふうに捉えておりまして、工場等で熱を得るためにCO2ゼロにしようと思うと、恐らく水素、あるいは水素から発生した燃料を使わざるを得ないと、これは今のところ、世界的にも共通認識になっているかというふうに思っております。国が策定しました水素基本戦略におきまして、この水素が国内で広く流通するようにするための目標の時期というのが二〇三〇年頃というふうにされておりまして、これは流通が始まるのが二〇三〇年頃ということですので、県内で流通するのは、もう少し後になるであろうと。そうすると、十年以上先の話になりますので、十年間何もしないというわけにはいかないということで、一旦LNGに転換をし、その後、水素の流通が始まったら、しかるべきタイミングで水素のほうに転換していくと、このようなことを想定したものでございます。  日本では、一九七〇年代まで水素と一酸化炭素を混合した合成ガスが、実は都市ガスとして使われていた歴史がございます。これから分かりますとおり、現在の都市ガスインフラが、実は天然ガスから水素に置き換えようとしたとき、かなりの部分がそのまま使える可能性がございます。また、オランダを中心としました欧州では、実際にLNG用の既設の導管を用いて水素を供給するという計画もございまして、こうしたことから一旦LNGに転換し、もう一回水素に転換するということを考えた場合でも、その全てが入れ替わるということではございませんので、追加投資が必要なものは限定的になり、二重投資には当たらないのではないかなというふうに考えているところでございます。  以上です。 27 ◯下田委員=分かりました。じゃ、逆に今莫大な投資をしてこういったものをしっかり作らないといけないという懸念はあるんですか。 28 ◯大野新エネルギー産業課長=そうですね、日本全国を眺めたときに、実は天然ガス、都市ガスの価格というのは大きく違っておりまして、十数年ほど前までは、関東、中京、関西の大都市圏とそれ以外の地域と、おおむね二極分化していたんですけれども、今日に至るまでの間に少しずつ価格差は全体的には縮小しているんですが、全国的に値段がばらけてきています。九州はほかの地域と比べて最も都市ガスの価格が高い、天然ガスの価格が高い地域になっておりまして、この原因は何かというと、一つは島国でございますので、外から持ってくるときに必ず基地を介さないといけないと。日本のほかの地域にある基地から導管を通して供給することが非常に難しいということで、そういったインフラが脆弱であったり、人口の密集地が限られていて点在をしておりますことから、関東等では都市間をつなぐ大きなパイプラインというのがあるんですけれども、九州というのはやはり一極集中ということがございまして限定的ということで、そういったインフラが整っていないというようなこともございまして、そういった総合的ないろんな要因が絡んでいることではございますけれども、都市ガスの値段が高いと、これが実態となっております。  将来的にもし水素が本当に普及するというような時代になったとすると、やはり先ほど申しましたとおり、既にインフラがあるところとインフラがないところは、インフラがあるところのほうが恐らく有利であろうというふうに考えますので、九州全体のことを考えた場合には、場合によりましたら、そういった議論が必要な時期というのは来るのかもしれないというふうには考えております。 29 ◯下田委員=分かりました。  次に三番に行きますが、輸送用エネルギーの転換シナリオ、これは基本計画案の中には二〇五〇年時点では、燃料電池自動車または電気自動車に置き換わることが想定されるというふうにも書いておりますが、まず(ア)の自動車の転換シナリオについて、一般に今EVシフトということが国を挙げて、世界的にもと言っていいんでしょうけれども、言われています。  自動車は将来的に電気自動車に置き換われるような印象があります。この基本計画にもそういうふうに書いておりますが、その理由についてお尋ねしたいと思います。 30 ◯大野新エネルギー産業課長=自動車の転換シナリオについてお答えいたします。  報道等におきまして、いわゆるEVシフトという言葉が用いられていることは承知をしておりますが、実は欧州各国やアメリカ、中国などでは、カーボンニュートラルの実現に向けて、輸送用の燃料の転換については、実は電気自動車も当然重要なものとして位置づけられているんですけれども、同様に燃料電池自動車も同じように位置づけられております。ですから、本来は電動化というふうに表現すべきところが、日本ではEVシフトという言葉になっていて、それがちょっと浸透してしまったのかなというふうに印象を持っております。  電気自動車ではなく、燃料電池自動車がどうして必要なのかということを考えますと、電気自動車には走行距離を伸ばそうとすると蓄電池をたくさん積まないといけないですけれども、蓄電池は重量がございますことから、蓄電池の量を増やすとしたら重量が重くなるということになりまして、増やした分だけ走行距離が伸びるというものではなく、一定程度落としても、重量が増えた分だけ走行距離がそのとおりには伸びなくなったという欠点が一つございます。  また、蓄電池の容量が仮に四百キロ、五百キロ走れるような車が出たとしても、一晩で充電できる電気の量というのは、これもおおむね限りがございまして、例えば、四百キロ走って、一晩のうちにまた四百キロ分走れる電気が充電できるかというとそういうものではないと。ちょっと分かりやすくイメージをしていただくと、一般的に日本国内の家庭で一日の間に消費される電力量というのはおおむね八から十キロワットアワーというふうに言われておりますが、大体一キロワットアワー当たりで走れる距離が十キロメートルくらいですので、八から十キロワットアワーというと、八十キロメートルとか百キロメートルしか走れないと。だから、一日で家庭が消費している電力を電気自動車に充電しても、その程度しか走れないということで、四百キロメートルとか走るためにはどれだけの量の電気が必要かというのはそれでお分かりいただけると思います。  こうしたことから、現状では電気自動車のみで輸送の全てを担うというのは、これは無理があるというふうに考えられていることによるものと考えております。  こうしたことで、国内の自動車会社等では、日常的に少人数で短い距離を走るような車については電気自動車で、重量物を運ぶ自動車であったり長距離走行が必要な自動車については燃料電池自動車というふうに、用途に応じまして使い分けられるという考えに立っておられまして、県としても同じ考えでありますことから、電気自動車と燃料電池自動車が併存すると、こういうシナリオを考えた次第でございます。  以上です。 31 ◯下田委員=分かりました。  では、次の質問なんですけれども、電気自動車の導入に関する県の取組についてお尋ねしたいと思いますが、やっぱり佐賀県は水素の取組をやっているという点もあって、たまに聞くことがあるんですね。県は電気自動車の導入にあんまり前向きじゃないんじゃないのというような意見を聞いたりもします。その理由といいますか、その点についてどう考えるかをお尋ねします。 32 ◯大野新エネルギー産業課長=電気自動車の導入に関する県の取組についてお答えをいたします。  県では、平成二十三年度から二十五年度までに、県民の皆様が電気自動車を購入する際に、購入費補助というものを実施しております。その成果もございまして、本県の人口十万人当たりの電気自動車の普及台数は令和二年十二月末現在で百七十六台というふうになっておりまして、全国平均が九十八台でございますので、ほぼ倍で大きく上回って普及しております。九州では大分県の百八十五台が最高で、それに次ぐ二位ということになっておりまして、実は、佐賀県は電気自動車がかなり普及している県でございます。  県としても、電気自動車は可能な限り公用車に導入をしておりまして、令和二年四月一日現在で十五台を使用させていただいているところでございます。  また、電気自動車の普及に際しては、充電した電気を使い切ってしまう電欠と呼ばれるものに対する不安が普及の大きな課題とされておりますけれども、平成二十七年度までに、国が充電インフラにかなり率のいい補助を出した時期がございまして、その時期に県も導入をいたしましたけれども、市町であるとか、各企業の皆様にもこれを機にぜひ設置をしてくださいというふうに働きかけをしたことがございまして、それによりまして、実は県内全域で国道でおおむね二十キロメートル間隔で急速充電設備が平成二十七年度の時点で整備をされております。  当時、全国的な電気自動車の普及等のシンポジウム等でコメントをされておられたモータージャーナリストの方に佐賀にお越しいただいたことがありまして、この事実をお伝えしましたところ、その方は恐らく全国で最も充電インフラが整っている地域、ひょっとすると世界でも一番かもしれないというようなコメントもいただいております。  エネルギー起源CO2の削減に電気自動車のさらなる普及が有効であるというのは間違いないところでございますけれども、県といたしましては、これまでの取組によりまして、電気自動車の普及に際して必要な県の初期の役割というのは、もう既に十分させていただいたのではないかなというふうに考えておりまして、それで現在、表面的には前向きでないような印象に取られるかもしれませんが、特段の施策を実行していないという状況でございます。  以上です。 33 ◯下田委員=分かりました。しっかり私も周りの人にそこは伝えていきたいと思います。  では、次の質問、水素燃料の環境性についてお尋ねをしたいと思います。  要は、燃料電池自動車の燃料となる水素は現在どうやって作られているのか、また、製造時にこれもやっぱりCO2を排出するものだと思います。  燃料電池自動車に転換することで、このカーボンニュートラルに近づくということについての見解をお尋ねしたいと思います。 34 ◯大野新エネルギー産業課長=水素燃料の環境性についてお答えいたします。  水素は現在、国内で主にLNGやメタノール、石油などの化学燃料を化学的に分解して製造されておりまして、(169頁で訂正)当然製造時にCO2が排出されています。  燃料電池自動車の燃料となる水素について、CO2を排出せずに製造しようといたしますと、幾つか方法がございますけれども、例えば、再生可能エネルギー由来の電気を使いまして、水を電気分解して製造する場合であったり、それから、化石燃料から同じように作るんですけれども、作る過程で排出されるCO2をキャッチして、それを地層処分、CCSとも呼ばれていますけれども、地層処分する方法などがございます。  再生可能エネルギーを用いまして水素を製造する方法といたしましては、欧州では既に商用化されている例もございますけれども、日本ではまだ実証研究が行われている段階でございます。  水素の製造過程で排出されるCO2を地層処分する方法につきましては、国の事業として中東やオーストラリアにおいて実証研究をこれから実施しようという段階でございまして、現時点でまだ国内でカーボンフリーなCO2が流通するという状態ではありません。  先ほど申しましたとおり、水素の流通というのは二〇三〇年頃という国の目標があるという状況でございます。  しかしながら、今、紹介をさせていただきましたCO2を排出しないで製造されるような水素が国の計画のとおりに普及をしていくというような時代になりましたら、カーボンニュートラルな水素を燃料として経済的に利用できるということになりますので、燃料電池自動車はカーボンニュートラルな乗り物になるというふうに考えている次第でございます。  以上でございます。 35 ◯下田委員=分かりました。  次、三番目のカーボンニュートラルへの対応についてというところをお尋ねしたいと思います。  まず、先ほど基本計画全体についてお尋ねさせてもらいましたけれども、今回、県の基本計画案は本会議で提案されたばかりのものであって、国のカーボンニュートラル宣言エネルギー基本計画の見直しにも当然対応していくべきものだというふうに思っておりますが、この対応について、先ほども少し触れていただきましたけれども、もう少し具体的にお尋ねをしたいと思います。 36 ◯大野新エネルギー産業課長=基本計画の見直しについてお答えいたします。それよりもすみません、先ほどの答弁で誤った答弁がございました。訂正させてください。  国内で水素を製造する方法として、化石燃料を化学的に分解してというふうに説明すべきところを化学燃料というふうに申し上げたようでございますので、すみません、おわびして訂正させていただきます。  基本計画の見直しについて答弁させていただきます。  先ほども答弁をさせていただきましたとおり、現在、国におきましてエネルギー基本計画の見直し作業が行われておりますとともに、国会においては温対法の改正案の審議が行われている状況でございます。  ですので、カーボンニュートラルの実現を県が進めるということを考える上では、当然にこれらの取組というのを注視する必要がございます。その上でカーボンニュートラルの実現に向けた国の具体的な取組方針、いわゆる基本計画が策定され、温対法が改正された以降に具体的な取組方針というのが示されるというふうに思いますので、そうした取組方針が示された上で、関係課とも連携しながら必要に応じて見直し等を検討していきたいというふうに考えております。  以上です。 37 ◯下田委員=分かりました。  今回、この質問をさせていただくに当たって、やっぱり分野が環境にも大きくまたがっている。今回、環境のほうも基本計画を出していらっしゃったりして、質問の内容もどこまでの範囲でするべきなのかというのは正直悩んだところでもありました。  ただ、やっぱりそれ以上に、今、大野課長から御答弁いただいていますけれども、じゃ、市町は何ができるのかということを考えると、かなり難しいといいますか、今、県においても国からの情報を待っている。国がどういうスタンスで来るのかを待っているような状態で、市町はどうなのかというと、それは新エネルギーの担当が果たしているのかというと、そういうわけにもいかず、国がどういったメニューを示していくのかというところをかみ砕いて、どういった具体策ができるのかというのを今後検討していくことになるんでしょうけれども、実際今回、今、佐賀県内でも各市町で議会が行われていて、いろいろ内容をチェックしてみたら、やっぱりこの新エネについてというのを質問されている議員もいました。答弁等を聞いてみると、やっぱりまだよう分からんと。  そのときどうしたらいいのか、特に産業労働部ですので、この計画がどういうふうに県内企業にとってメリットがあるのかという視点というのはとても大事だと思いますし、市町において、特に現場になりますので、そういった方針をどう立てていけばいいのかというのは、ある意味、大きく世の中が変わっていく中での至上命題にもなっていくと思っています。  そうなったときに、果たして県として市町との連携をどう考えていくのか。もっと言えば、やっぱり市町を支援していかないといけないと思うんですが、その点についての考え方をお尋ねしたいと思います。 38 ◯大野新エネルギー産業課長=カーボンニュートラルの実現に向けた市町への支援についてお答えをいたします。  国会において審議中の温対法の改正案を確認いたしますと、県内の市町には同法で策定が求められております「温室効果ガスの排出の量の削減等のための措置に関する計画」というものの中で、地域脱炭素化促進事業の促進に関する事項というのを定めるよう努めることが、新たにこの改正案の中で求められるような内容となっております。  当課では、県内市町からエネルギー起源CO2の排出削減に資する取組に関しまして、相談等があった場合は、これまでも可能な範囲で支援というのを行ってきております。今後も、同法を所管いたします県民環境部環境課とも緊密に連携しながら、これまで同様に可能な範囲で支援を行いたいというふうに考えております。  県といたしましては、再生可能エネルギーを中心とした社会の構築に向けた取組を通じまして、カーボンニュートラルの実現に貢献できるよう、やれることというのを積極的に取り組んでいきたいというふうに考えている次第でございます。  以上です。 39 ◯下田委員=まさにこれから全国的にも世界的にも注目が集まっていく事業でもありますので、ぜひとも市町の連携も含めて引っ張っていっていただきたいと思います。  それでは、最後の質問に行きたいと思います。  産業DXの推進及びスタートアップの取組についてお尋ねいたします。  産業労働部の今回の「産業DXのフロントランナーSAGA推進事業」、「Startupの聖地SAGAづくり事業」は、新たな事業として非常に注目すべき事業の一つであるというふうに考えております。  DX・スタートアップ推進室が昨年四月にできてから、支援する企業や県の取組が新聞やメディア等で大きく取り上げられたり、表彰なども受けられたのを私も確認しております。  そういった形で、成果も出てきているんだなというふうなことを実感していますが、今後の取組について、さあどう広がっていくのかというような期待も持たせていただいています。  現に今回は、一般質問等でも出たように未来をどうつくっていくのかというのは大事な話でもありますし、二歩、三歩先の仕事もしっかりと積み上げていくという視点で、このコロナ後に向けても着実に歩みを進めていただきたいという思いを持って質問させていただきます。  まず、「Startupの聖地SAGAづくり事業」、これは議案説明書の三ページに出ているやつなんですけれども、まず初めに、今回Startupの聖地とかなり思い切ったネーミングをされていらっしゃるなと思うんですが、この聖地に込めた思いについてお尋ねをしたいと思います。 40 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=聖地という言葉に込めた思いについてお答えします。  まず、そのスタートアップの分野では、議員御紹介いただいたように、この数年、全国での受賞とか大手との協業とか、様々な成果が上がっております。  その結果、ちょっと残念なお話として、一部にはある程度可能性が見えてきたので、ビジネス環境が優れた東京とか福岡とかに行くことを考えたほうがいいんだろうか、そういった声もちょっと聞かれるようになってきております。  そういった中で、やはり佐賀だからこそむしろ世界を目指せる起業環境があるというふうに思っていただける、そういった取組が必要だと痛感しております。そういった思いとか狙いを今回聖地という言葉で表現させていただきました。  以上です。 41 ◯下田委員=これは議案書にも書いてあるところですが、世界を見据えたというようなところがあると思います。今の答弁の中にもありましたけれども、やっぱり気になるのが都市部との違い。やっぱり東京でも福岡でもなく何で佐賀なんだというところは深掘りしなければいけないところだと思っております。  一般的に見ると福岡や東京の都市部が圧倒的に有利だと、世間の方はやっぱり見るわけで、そこにあらがってブランドを確立しないといけないと思っています。  例えば、福井県の鯖江市、鯖江は私も一回行ったことがあるんですけれど、眼鏡産業の基盤を生かしながらオープンデータとか、あとはプラコンとかいろいろやって、まあ田舎なわけですよ、とても田舎なわけなんです。ただ、そういったオープンデータとかプログラミング教育、ITなどの分野でも結構トップランナーが走っていて、例えば、越前ガニの解禁に合わせて学会みたいなイベントを組んだりして、「ああ、いいよ、いいよ、行くよ」ということで、結構な情報が市の外、全国から鯖江に向かって集まっているという現状があります。  やっぱりそういった形で、今回スタートアップに力を入れていくに当たって、例えば、そのような福岡とか東京の都市部とは違った何らかの強みや特徴を生かして、佐賀の取組をやっていくべきだと思いますが、その点についていかがでしょうか。 42 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=都市部との違いということでお答えをいたします。  このような仕事をしておりますと、起業関係のイベントであったり、あるいは起業志望の方々との面談などでいろいろお話をする機会が非常にございます。そういった中でしばしば申し上げているのが、確かに実際、ちょっとしたビジネスで手軽にもうけたいというふうなビジネスであれば、これはやっぱりマーケットが大きい都市部のほうには、なかなかかなわないというのは現実としてあると思います。  ただ、例えば、自分はこの問題にじっくり向き合って、新しい価値を生み出したい、そういったお話であれば、むしろ地方のほうが向いているのではないかといったようなお話をよくさせていただきます。  実際、起業家のビジネスプランを磨き上げる「Startup Gateway SAGA」というのをやっていますが、そういった中で採択された県内の起業家の方々も、いろんな例があるんですけれども、例えば、自分と同じ身体的なハンディキャップがある方が、悩まなくて済むような世の中をつくりたいといってアプリの開発に取り組まれている方とか、あるいは友人が経験されたある挫折に、ちょっと世の中の理不尽さみたいなものを感じて、同じことで苦しむ方をなくしたいといったような、何らかのいわゆる原体験みたいなものに基づいて強く問題意識を持って、そこに真摯に向き合ってチャレンジをしていく、そういった例が結構多いのが現実です。  こうした方々がその思いを実現するに当たって、一つはなぜ佐賀なのかなんですが、実際移住をして佐賀でというケースも幾つかあるんですけれども、そういった方々にお話を聞くと、まずは佐賀の人と人とのつながりだとか、多過ぎず少な過ぎないというサイズ感といったところから、自分が何かを立ち上げたら様々な方々に関わっていただきやすいというお話がよく出てきます。あるいはこういった非常に真摯なビジネスの場合、やっぱり世の中の理解を得てマーケットをつくるというのは、結構普通のビジネスより時間がかかるんですけれども、そういった点でも、佐賀というのは立地コストが小さいのでじっくりと向き合える、そんなお話もよく聞かれます。  こうした佐賀のいわば実直で、ある意味本物志向のスタートアップに非常に適した環境、これを私たちとしてはさらに磨き上げていって、なおかつ具体的な事例とともに出していく、そういったことが都市部とは違った佐賀ならではの強みをアピールできる方法なんだろうと。もちろん、工夫は必要なんですけれども、そういうふうに思っております。  以上です。 43 ◯下田委員=今説明いただきました。何といいますか、トップをぐいぐい行くようなところより、最後文言であった実直、本物志向、イメージとしてはそういったところで勝負をしていくというようなものだというふうに思います。  ちょっと先に行きます。  次に、三番の大学との連携についてというのをお尋ねしますが、スタートアップの文脈でよく出てくるのが大学発のベンチャーとあります。もちろん、大学や学生であればいいというような単純なものではなくて、若くて時間があることはそれだけ可能性もありますし、研究のリソースもそろっていることは技術的な面でも基盤になります。  今後、このスタートアップの発掘、育成に力点を置いていく中では、大学との連携も必要であると考えております。恐らくこの佐賀では佐賀大学がメインになるのかなというふうにも思いますが、今年の議案では大隈重信侯のアカデミアの議案、今後、早稲田との連携を図るというようなこともあっていましたので、そういった点も踏まえた大学との連携という可能性も含めて御見解をお尋ねしたいと思います。 44 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=大学との連携についてお答えします。  御指摘のとおり、県内の大学では、まず佐賀大学さんがこの起業の部分でもいろんなことをされていまして、例えば、最近だと学生ベンチャーの輩出に向けた起業家教育の充実であるだとか、あるいは大学発ベンチャーの認定制度というのを創設されたりといったことに取り組まれています。  こういったこともございまして、私たちもまずは佐賀大学との連携を強化して、例えば、大学内での起業セミナーなどの開催であるとか、大学の起業家教育への外部講師の御紹介、あるいはキャリア教育への、私も含めて職員の講師派遣などを行ってまいりました。  さらに、そこで輩出された学生ベンチャーについて、例えば、IT系のスタートアップの事業化を支援する「やわらかBiz」という事業がありますが、こういったものであるとか、あるいは新たに開発されたプロダクトとかを県がお試し発注をするトライアル発注であるとか、あるいは本県が九州各県では唯一取り組んでおりますふるさと納税の起業家支援、あるいは本県が全国で唯一取り組んでいる、九月議会で議員からも御紹介いただいた、知事会から賞を取った「クラウドファンディングの利活用協定」、そういったものに採択をして事業の拡大を支援しております。  大学、確かに非常に有望なシード輩出のチャネルというふうに認識をしていまして、たまたま本日も、ある経済誌に支援対象の学生ベンチャーさんを比較的大きく取り上げていただいています。  そういったことからも、佐賀大学ももちろんですし、あと御指摘があったほかの大学についても、現時点では実は正直、この分野での設定というのはまだないですが、もちろん、前向きに先方の意向など、あるいは提案などを踏まえて、幅広く連携をしていきたい、模索をしていきたいと考えております。  以上です。 45 ◯下田委員=あと、さっきの都市部との違いというところで鯖江市の話をさせてもらったんですけど、せっかくやるなら理工系に特化したコンテストみたいなのを企画したらどうかなと思うんですけど、その点いかがでしょうか。 46 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=理工系はじめ、特化したコンテストということについてお答えをいたします。  一つは、特定のテーマに特化したコンテストを行うことで幅広く集めるというのは、これは方法としてあると思います。ただ、それが本当に理工系なのかどうか、理工系ということでいろいろ全国の事例を調べますと、割とやられているんですよね。なので、ある意味、レッドオーシャンに入っていくような形になっていきますので、そのテーマがいいのかどうかというのはちょっとあるんだろうとは思っています。ただ、方法としてはありますし、先ほどちょっと申し上げたような、例えば、実直なスタートアップというふうな、そんな打ち出した方もあるんだろうと思います。
     現状として申しますと、私たちが例えば、コンテストをやるとなると、鯖江市の場合は地域活性化がテーマなんですけれども、私たちは多分ビジネスプランということになると思います。  そういう意味で今、ベンチャー交流ネットワークと毎年この数年、「さがラボチャレンジカップ」というのをやっていまして、実は既に県外からの応募も結構いただいてはいるんですよ。今年度受賞された方も一人は福岡市在住の佐賀大学の学生さん、もう一人は八女在住の農家の方で、佐賀県内でビジネスを立ち上げている方。なので、実は結構評価はいただいて、そうやって県外から御応募いただいているのかなと思うんですけれども、じゃ、確かに御指摘のように鯖江市ほどのプレゼンスができているかと問われれば、これは全然まだかないませんので、そういった部分も含めて御提案も参考に、今後とも鋭意努力というか研さんをしていきたいというふうに思っています。  以上です。 47 ◯下田委員=お願いしたいと思います。  では次に四番、投資家への考え方についてというところですね。今、佐賀県、今年一月も資金調達プログラムとかでエンジェル投資家の方とか来ていただいたイベントをやっていただいております。  実は私も、この前の日曜日に、僕の同級生で投資家がいて、今SNSのClubhouseいうやつで、ちょっとお前もしゃべってくれと言われて、実際今、いわゆるエンジェル投資家と言われる方と佐賀のDXについて語れと言われて、そういうルームを立ち上げてやったもので、結構佐賀のDXに興味を持っている人が来てくれたんです、五十人ぐらいだったんですけど。  その中で話をしていると、エンジェル投資家の人に質疑応答のときに質問に行くかと思ったら、僕のほうが質問責めに遭っちゃって、かなり関心が高いんだなと。今、東京からUターンしたいと思っているとか、実際どういう手続をしてこの佐賀のスタートアップとかできますかとかいうのを結構細かく聞かれて、意外と関心を持っている人が多いんだろうなというような感触を受けたところでもあります。  そういった面も含めて、やっぱり注目している人は注目している。佐賀県としてもエンジェル投資家の人に来てもらってやっているわけなんですけれども、投資家の方も様々な方がいらっしゃるようです。  そういった点も含めて、特にどういった投資家に佐賀の取組に協力をしてもらいたいというような思いがあるのかをお尋ねしたいと思います。 48 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=投資家などへの考え方についてお答えいたします。  これは本会議でも御指摘をいただいたことなんですけど、現実問題として、エンジェル投資家、あるいはベンチャーキャピタルといった、いわゆるリスクマネーの出し手、地方では大変限られているというのがあります。なので、基本的なスタンスとしては、選択肢は多いほうがいいというふうに考えております。  ただ、投資というか、出す側からすれば出資なんですけど、その出資の受入れというか、会社の所有とか経営に関する権利というのは一部譲り渡すということとイコールですので、どのような方がどのような意図で出資をされるのかというものについては、非常に慎重な吟味ももう一方では必要だろうというふうに思っております。  そういったこともございまして、私たちは県の施策とか事業で連携を図るファンドとか投資家の方については、私たち自身が結構時間をかけて先方の思いとか考えを確認させていただく、あるいは周囲の御意見とか評判をお聞きするというふうなステップを踏んでおります。  その結果、最近では、まさに先ほど注目もというふうに教えていただきましたし、実際私たちの側でも、先ほど申し上げたように佐賀のいわゆる実直な本物志向のスタートアップみたいなことで非常に評価をいただける声も聞いていますし、そういった中で、例えば、地方でこういう先進的な取組をやっているのは興味深いだとか、あるいは後進の起業家の育成のために、手弁当で相談に乗りたいというふうに言っていただける方というのも最近増えてはきております。  このように、本県の取組とか考え方について御理解、御賛同いただける。その上で投資そのものというよりは、投資先のスタートアップの成長を一緒に支援すると、そういった考えを持っていただける投資家の方々については、今後とも幅広い接点が構築できるよう取り組んでまいりたいと思っております。  以上です。 49 ◯下田委員=分かりました。  このClubhouseのやり方の中でも出た話で、佐賀県はスタートアップの聖地ということであって、世界を見据えるということでもあるので、やっぱり佐賀県もプレゼン資料とかは、英語と中国語とかで作らなきゃいけないですよねみたいな質問が出たんですけど、この点についての考え方をお尋ねします。 50 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=プレゼンと外国語というか、そういったお尋ねです。  まず一つは、貴重な御意見、あるいは御提案ということで御参考にさせていただきたいと思っています。  もちろん、それぞれのシードというか、起業家ごとに、まさにおっしゃったような表現の部分が課題なのか、あるいはもっとその手前にビジネスプランだとかビジネスモデルの部分をまずは磨き上げた上でなのかというのはそれぞれにあると思いますので、そういった状況をそれぞれ見ながらですけど、今すぐそれをぱっとできるというリソースが私たちも十分には持ち合わせておりませんので、参考にさせていただくということなんですけど、ただ、そういった御指摘というか御提案があったというのは投資家目線ということでしょうから、私たちも十分参考にはさせていただきたいと思います。  以上です。 51 ◯下田委員=目指すなら中国のシンセンのようなものをと、聖地、世界を目指してやっていただきたいと思っています。  では次に、産業DXの推進について、これは議案説明資料の二ページにあるやつですね。  まず、これのフロントランナーという表現をしていらっしゃいます。  今回、主要事項説明書とともに示された事業イメージには、「産業DXのフロントランナーSAGA推進事業」という表題が掲げられています。  このフロントランナーに込めた思いや狙いについてお尋ねをします。 52 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=フロントランナーという言葉に込めた思いについてお答えをいたします。  本県では、それこそ本当、委員さん方、多くの方に御覧いただきましたけど、全国的にもいち早く産業スマート化センターという形でマッチングハブを立ち上げました。その結果、他県、あるいは国の機関からの視察も多く、現時点でもまだそういった視察がちらほらあるといったふうな状況です。  そういった意味から申しますと、施策ベースでの取組については、先頭を走っているのではないかというふうに自負をしているところです。  そういったことを踏まえまして、さらに次のステップに佐賀から全国に先駆けてチャレンジをしたい、そういった思いをフロントランナーという言葉に込めたところです。  以上です。 53 ◯下田委員=分かりました。  では、続いて二番に行きますが、令和三年度の事業のポイントについてお尋ねをします。  そういった今の思いの中で今回の事業を提案されたと思いますが、令和三年度の事業においては、何をポイントとして取り組んでいくのかをお尋ねします。 54 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=令和三年度事業のポイントについてお答えいたします。  先ほど次のステップというふうに私申し上げた、まさにそこの具体的な意味合いということになろうかと思いますが、これまでスマート化センター、あるいは実証事業等々を通じて、意欲とか関心がある企業さんを中心に様々な事例が顕在化しています。これ自体は非常に大きな成果と考えています。ただ、それらは個々の企業という意味では点なんですね。  他方、DXとか、Society5・0の本質というのは、これはよく委員からも御指摘いただくんですけど、経産省が唱えていますConnected Industries、つまり、つながる産業という意味なんですけど、企業と企業とが、産業と産業がつながってこそさらなる相乗効果が生まれる、そういった点にあるかと思っております。  このためには、これまで築いた個々の企業という点をさらに線とか面にしていくことが必要と。  そういった意味で、今回そういった施策や取組のターニングポイントとして、一つは、スマート化センターには相談を待つだけでなく、訪問をして支援活動するといったことを強化する、あるいはその中で、モデル的な導入事例については費用の助成を行って、モデルとして啓発をさせていただく、さらにはメディアをきちんと使って啓発活動を戦略的にやっていく、そういったことを今回予算としてお願いしているところです。  以上です。 55 ◯下田委員=そうですね、スタートアップも含めてメディアを使った広報等というのは非常に大事だと思いますので、分かりました。  次に三番のプログラミング人材拡大推進事業ですけれども、勉強会の中では、たしか百人の枠に七百人、昨年募集が来たというすごい反響になっているということですが、今年は定員二百人というふうに聞いていますけれども、この点について、令和三年度においての取組はどう考えているのかをお尋ねします。 56 ◯北村DX・スタートアップ推進室長=プログラミング人材拡大推進事業の令和三年度の取組ということでお答えいたします。  まずは委員御指摘のとおり、今年度、非常に多数の、想定外の御応募をいただいたということ。まずこれが一つなんですけど、それはもちろんなんですけれども、応募された方も、求職者の方はもちろんなんですが、学生さんとか在職者も非常に多かったです。  そういったことからすると、県民の皆さんの間で、このような時代だからこそICTとかプログラミングを学びたい、そういった意欲が広がっているのではないかというふうに再認識をしております。  このため、令和三年度については、一つは先ほどおっしゃっていただいたように、百二十時間の講座というのをやっているんですけれども、この定員を百名から二百名ということで倍増させていただく。それから、受講希望の中には体験をしたいというのが非常に多かったので、その二百名に入らなかった方でも希望された方は基本的に全て何らかの体験をいただける機会を提供するといったことを考えております。  そういったこととともに、受講者の拡大に伴って就職支援というのが非常に重要になってまいりますので、県内企業からのPRとか企業との交流機会の提供、今年度も取り組んでおりますが、その成果、課題もありますので、そういったものを踏まえて、さらに充実して効果的に取り組みたいと考えております。  こういったことを通じて、まさに先ほど申し上げましたフロントランナーというふうなことで、文字どおり産業DXの推進とこれに必要な人材の育成、確保を一層推進してまいりたいというふうに考えております。  以上です。 57 ◯下田委員=しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  では次に、(三)の「中小企業DXフラッグシップモデル創出事業」についてお尋ねいたします。  一番の百貨店DXの取組状況についてお尋ねします。  九月の補正予算で百貨店のDXが出ました。年度内の完了は難しくなったものの、来年度のできるだけ早い時期に事業が完了できるように取り組むというようなことを勉強会の場でも聞かせてもらいました。  この具体的な見通しについてどうなっているのかをお尋ねいたします。 58 ◯大橋産業政策課長=百貨店DXの取組状況の具体的な見通しについてお答えいたします。  補助事業者は、十月にDXの伴走支援を行いますコンサルタント会社の公募を開始しまして、十一月に委託先を選定。その後、課題の整理、デジタル技術を活用した新規事業の検討、システム提供会社の選定などの作業を進めてきたところでございます。  しかしながら、十二月に入りまして、十二月からは全国的に新型コロナウイルス感染症の陽性者数が増加しまして、さらに一月からは緊急事態宣言による他県との往来自粛が求められたことによりまして、県外のコンサルタント会社や各システム提供会社が、現地佐賀市へ予定どおり訪問することが難しくなったところでございます。  このため、三月中に完了予定であったシステムの導入が約一カ月後ろにずれ込んでいる状況でございます。  また、システムの導入に合わせて行うこととしていた新たな業務フローの構築、社会教育の実施、組織体制の見通しにつきましても、現地での作業を予定どおり行うことができず、その期間が一カ月から二カ月程度必要となることから、年度内には完了しない見込みとなっているところでございます。  現時点での事業完了につきましては、令和三年六月中をめどと見込んでいるところでございます。  以上でございます。 59 ◯下田委員=コロナの影響があったということですね。六月をめどに何とか成果を出していくというような御発言であったと思います。  粛々と、結構皆さん期待している、百貨店のDXは恐らく全国的にもほとんどやっていない事業ですので、全国からも注目されていると思います。課長を中心にしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  では、二番の製造業や卸・物流での取組についてお尋ねします。  今回の二月補正予算で来年度に向けた取組として、製造業や卸・物流分野でのフラッグシップモデルの創出ということが挙がっております。  百貨店のDXでも今回時期がずれ込むということになっていますが、製造業や卸・物流分野のDXについても同様の懸念があるのではないかと思うのですが、その点についていかがでしょうか。 60 ◯大橋産業政策課長=製造業、卸・物流分野での取組についてお答えいたします。  製造業や卸・物流分野のDXにつきましては、議決をいただいた後、速やかに補助事業者の公募を行うこととしております。  その後、審査会等を経まして、五月中をめどに補助事業者を決定し、令和四年二月までを事業期間とするスケジュールで進めていくこととしております。  今年度の百貨店のDXにおきましては、新型コロナウイルス感染症への対応もありまして、補助事業者は対面とリモート、ウェブ会議により打合せを行っておりますが、どうしてもリモートの場合、対面と比較すると、実際にデモ画面の確認でありますとか、機能の説明など確認作業に多くの時間や回数を要し、通常の予定どおりには工程が進まない面もあったところでございます。  このため、製造業、卸・物流分野のDXの公募の際には、申請者に対しまして、新型コロナウイルス感染症の影響により遅れが生じる可能性があることを前提にスケジュールを組んでいただくよう案内したいと考えておりまして、年度内に事業が完了するよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 61 ◯下田委員=分かりました。  そういうふうな思いで進めていただくということなんですが、今やっている百貨店のDX、経営課題の抽出や導入するシステムに係る提案とか、コンサルタント会社が伴走支援を行っているというふうに聞いています。  DXは経営の在り方の変革を行うものであって、いわば企業自身の未来への投資とも言えます。  今回の製造業や卸・物流分野でのDXフラッグシップモデルの創出に当たって、県はどのような事業の進め方をしていくのでしょうか。 62 ◯大橋産業政策課長=事業の進め方についてお答えいたします。  先ほど委員御指摘があったとおり、DXは経営の在り方の変革を行うものでございます。自社の人材や技術など、限られたリソースだけではDXの実現は難しいのではないかとも考えております。  コンサルタント会社では、DXや特定の業種に関する専門的知見を有しまして、事業者の伴走支援を行うものでありまして、その活用は有効であると考えております。  今回の製造業や卸・物流分野のDXにおいて、補助事業者は必要に応じてコンサルタント会社を活用するなどしながら、効果的なDXの取組を進めてもらいたいと考えております。  また、県としましても、産業スマート化センターのサポーティングカンパニーをはじめとする県内のIT事業者の積極的な紹介を行いまして、県内企業への発注を促すなど側面的な支援も行っていきたいと考えております。  今回のコロナ禍によって消費行動や企業活動が一気に変化しておりまして、加えてデジタル技術によりビジネスモデルやライフスタイルを変革するDXの取組が加速しているところでございます。  この事業によりまして、製造業や卸・物流分野のフラッグシップモデルを創出しまして、企業の変革を県内全体に普及させていきたいと考えております。  以上でございます。 63 ◯下田委員=分かりました。ぜひお願いしたいと思っております。  では、最後の質問ですけれども、未来に向けた産業振興についてということで部長にお尋ねをしたいと思います。  今年一年間、私は一般質問も含めて、このDXの取組を結構聞かせていただきました。また、様々な成果も上がってきているというふうに認識もしております。  本会議での質疑も今回あっておりましたが、確かに現時点ではフロントランナーや聖地とまではまだ言えないのかもしれません。  でも、そうしたことが目指せるのではないかというような可能性の芽が今出てきているような予感も感じております。  昨年の一般質問の中で、知事に佐賀の産業についてどう考えているんだというような質問をさせていただきましたけれども、私はやっぱり今、現場の中でそういった芽が出てきているというふうな認識をしています。また、こういった未来をつくっているような現場の中で、少しずつ時間をかけて積み上げていくことが大切でもあります。  余談ですけど、昨日、農業大学校に行かせていただいて、生徒たちが説明していただいてとても新鮮だったんですけれども、彼らの頭の中には普通に、いわゆる僕らが取り組もうとしているDXが当然のこととして入っているわけなんですよね。それはとても発見として思いました。  ですので、彼らが将来大人というか、しっかり社会で活躍するときの土台を私たちがしっかりつくっていかなければいけないということと、また、産業労働部においてはイノベーションセンターのこととか含めて、昨年六月の委員会質問で部長から答弁をいただいたときに、横断的に取り組んでいくということを言っていただいていますが、この一年間かけて、まさに横断的にいろいろな取組をしていただいていると私は思っております。  さらに今後も、そういったところの部を横断的に行っていくことというのは非常に大切なこと、特にこの分野においては必要なことであると思っておりますが、そのような点について、未来に向けた産業振興についてという視点で産業労働部長に最後答弁をお願いしたいと思います。 64 ◯寺島産業労働部長=未来へ向けた産業振興についてということのお尋ねがございました。  委員からも言及がございましたように、佐賀県の産業、あるいは経済の未来の形というものを見ながら、未来を切り開いていくということは非常に重要な課題だというふうに認識をしております。  そういう中で、ICTを活用するだとか、あるいはDXの推進をするとか、こういったものというのは何か一部のところでやるようなものではなくて、私ども産業労働部全体で取り組んでいくべき非常に重要なテーマでございます。  昨日、農業大学校の学生さんの話が委員からもございましたけれども、そういう意味では、私のような世代は後から、社会人になってからこういったものに実際に触れているという世代でございますので、若い人たちは物心ついたときに、身の回りに普通に当たり前にデジタル技術というものがあるという非常に違いがございますので、そういったところを今現在どういうことになっているのかというのもしっかり見詰めてやっていかないといけないだろうというふうに思っております。  また、部横断的にというお話がございました。委員からも言及がございましたけれども、昨年六月議会でもこの場でそういった御指摘をいただきまして申し上げましたように、私自身、部内で課同士のすみ分けというものは、むしろあまり意識せずに、どちらかというと少しずつ重なっているぐらいの感じで仕事をしていきたいというふうに思っておりまして、実際、そういったほうが、それぞれの課がそれぞれの所管の分野に当事者意識を持って、責任を持って取り組むというのは当然なんでございますけれども、その上で少しずつ互いに重なり合っていくような、そういった中で進めていくのが大事なんだろうというふうに思っております。  ですから、先ほど来答弁をさせていただいておりますDX・スタートアップ推進室というのが昨年四月にできましたけれども、この室ができたから、じゃ、DXとかスタートアップはこの室がやるんだということではないと思っています。あくまで旗振り役であったり、あるいは知見を有していますから、様々な支援ということはもちろんしてもらっておりますけれども、ここだけがやるということではなくて、部内の各課それぞれがそれぞれの政策課題に応じて、DXであったり、あるいはスタートアップといったことにも取り組んでいくべきだろうというふうに思っておりますし、そういったマネジメントを私自身心がけているところでございます。
     幾つか例を申し上げさせていただきますと、例えば、産業DXの関係でありますと、先ほども答弁申し上げましたけれども、DX・スタートアップ推進室の様々な取組に加えまして、この二月議会で予算をお願いしておりますフラッグシップモデルについても、製造業の分野についてはものづくり産業課が、そして、卸・物流については産業政策課が予算化をしてこの事業を推進していくということにしておりますし、また、スタートアップの分野につきましても、今年度からしておるんですけれども、コスメティック構想推進室におきましてもコスメ分野のスタートアップ支援といったものに取り組んでおりますし、これは引き続き取り組んでいきたいと思っております。  また、委員からも言及がございましたけれども、今回、条例の改正案を提案させていただいておりますけれども、産業イノベーションセンターという今の地域産業支援センターですが、そちらでもスタートアップ関係の専門の支援員というものを配置するなど、特定の室にこだわったような、そこに限定したような取組ではなくて、部内全体で取り組んでいきたいというふうに思っております。  委員から御指摘をいただいたような可能性の芽と言うんですか、未来に向けての芽というものが、これからしっかりと様々な産業分野、いろんなところで得られるように、これまでの取組、あるいは築き上げてきた成果、そういったものも踏まえながら、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 65 ◯下田委員=ぜひよろしくお願いいたしますと申し上げて、質問を終わります。 66 ◯古川委員=自民党の古川裕紀です。  早速質問に入らせていただきたいと思います。  一つ目は、佐賀県原産地呼称管理制度についてです。  あくまで私ごとではあるんですけれども、様々な場面で言っていることなのですが、私は大の酒好きということもあるのですが、縁あって三年半ほど佐賀酒のブランドプロモーションといったPRの仕事をさせていただいていた時期がありました。  県内の蔵元さんたちとも非常に仲よくさせていただきました。そういった経緯もあって、佐賀酒を愛し、佐賀酒を心から応援する一人でございます。  そして、佐賀ん酒をこよなく愛する者として、毎年春と秋の二回発表される「The SAGA認定酒」を楽しみにしております。  例年ですと、春には新酒が勢ぞろいで出品され、多くの佐賀酒が認定されるのですが、昨年は残念ながら、コロナの影響で春の認定会の開催は中止されました。  しかし、秋は無事に開催され、春の分まで含めて多くの「The SAGA認定酒」が登録され、毎年、認定酒を首を長くして待たれていた多くの佐賀酒ファンを楽しませてくれています。  この「The SAGA認定酒」は、県が平成十六年度に創設した佐賀県原産地呼称管理制度に基づき認定されたものであり、この制度はこれまで約十五年間にわたり運用されています。  この佐賀酒の振興の質問については徳光委員に譲るとしまして、私はこの点について質問をさせていただきたいと思います。  そこで、次の点について伺います。  原産地呼称管理制度の目的についてであります。  原産地呼称管理制度の目的はどのようになっているのでしょうか、お聞かせください。 67 ◯小野流通・貿易課長=原産地呼称管理制度の目的についてお答えいたします。  この制度は、県産農林水産物を原料といたしまして製造された優れた加工品を認定することによりまして、消費者からの信頼と評価を向上させ、販売促進を図ることを目的としております。  以上です。 68 ◯古川委員=続いて、その具体的な制度の内容及び、この原産地呼称管理制度は佐賀のお酒のほうが認定されているわけですけれども、その認定基準というものがどのようになっているのか、もう少し詳しく教えてください。 69 ◯小野流通・貿易課長=制度の内容及び認定基準についてお答えいたします。  県内で生産される加工品のうち、県産の農林水産物を原料といたしまして、品目別の認定基準に適合したものを認定するものとなっております。  品目につきましては、現在、酒類(純米酒及び本格焼酎)を対象品目としております。  その認定基準につきましては、まず、県産の原料(米や麦など)及び水のみを原料として製造されたもの、そして、県内で製造されたもの、専門家等による官能審査で合格したものの三つの基準を設けております。  この認定基準に合格したものは、官能審査会における認定の日から一年間、佐賀県原産地呼称管理制度の統一マークであります「The SAGA」のロゴマークを商品に表示することができます。  以上でございます。 70 ◯古川委員=この制度を運用しているというか、佐賀県原産地呼称管理委員会というものがあるとお聞きしているんですけれども、この委員の構成はどのようになっているのでしょうか。また、委員の任期や任用期間というものがどのようになっているのか、併せてお聞かせください。 71 ◯小野流通・貿易課長=原産地呼称管理委員会についてお答えいたします。  まず、委員の構成についてですが、消費者視点で加工品の品質が優れていることを判別できる専門家というのが一つ。二つ目に、加工品の品質に詳しい消費者や流通関係者、そして、加工品の製造事業者、そして、原料となる農林水産物の生産に関係する者などとしておりまして、現在十六人、定員二十名以内というふうになっております。  委員の任期につきましてですが、先ほど御説明しました品質の優劣を判別できる専門家の六人の方は現在任期はございません。  品質に詳しい消費者や流通関係者の四人、及び製造事業者の四人の任期は二年間、農産物の生産に関係する者などのお二人に関しましては、定められた役職に就いた者を委員としています。  なお、現在の任期が定められています八人の委員のうち、十年間務めていただいている方が二人、八年間が一人、六年間が二人、四年間が一人、二年間が二人となっております。  また、任期が定められていない専門家の六人のうち、十六年間務めていただいている方が五人、十年間務めていただいている方が一人というふうになっています。  以上であります。 72 ◯古川委員=ありがとうございます。  続いて、この認定酒の推移についてちょっと聞かせていただきたいと思います。  初年の認定時と比べて認定酒の数というものがどのように推移しているのかお聞かせください。 73 ◯小野流通・貿易課長=認定酒の推移についてお答えいたします。  平成十七年三月に開催した第一回審査会と昨年九月に開催しました一番近い三十一回審査会の認定数と比べますと、純米酒は三十五銘柄だったものが七十八銘柄と四十三の増加、焼酎は三銘柄だったものが十七と十四の増加、また、認定された蔵元数は十一だったものが二十と九つの増加と伸びております。  また、認定された商品数、認定蔵数ともに大きく伸びている状況ですが、近年はさがほのか酵母で作った純米酒や輸出専用の焼酎、神埼産のヒシを原料とした焼酎など特徴ある酒も認定されるなど種類の幅も広がってきております。  以上でございます。 74 ◯古川委員=様々進展しながら、品種的なもの、原料のヒシなどの話もありましたし、また、輸出についても最近は非常に話題にもなっておりますし、そういった点についても、この原産地呼称管理制度というものが後押しになっていけばいいなという思いが常にあるところです。  続いて、これまでの成果というものですけれども、これまでの取組による成果としてはどういったものがあるのでしょうか、教えてください。 75 ◯小野流通・貿易課長=これまでの成果についてお答えいたします。  この制度の広まりを通じまして、県民をはじめとする消費者に対しまして質の高さをアピールすることにより、「The SAGA認定酒」に対する信頼や評価の向上及び販売促進につながったと考えております。  その結果、県産純米酒の出荷量は、制度の運用前の平成十六年度と比較すると現在約四倍程度伸びております。  また、県内で使用される酒米に占める県産米の割合が平成十六年度の約六五%に対しまして、令和二年度には約七五%まで伸びておりまして、この制度を契機に蔵元の県産米に対する意識の変化があったと聞いております。  そして、純米酒の品質向上の面でも一定の効果があったと考えておりまして、具体例の一つですが、海外で最も長い歴史を持つ日本酒の品評会であります全米日本酒歓評会におきまして、令和元年に認定酒の一つであります基山商店の「脊振湧水」が純米部門で最高賞のグランプリを受賞するなどの成果も出てきております。  ほかにも、蔵元と地元の農家などが連携しまして、地元で作った米で日本酒を醸造するなど、地域の魅力を再認識させるような地域との一体的な取組事例も出るなど、波及的な効果にもつながっていると考えています。  以上です。 76 ◯古川委員=売上げというか、四倍に伸びたと。また、酒米の県産使用率が六五%から七五%になったということで、確かに蔵元さんが直接関わって米を作られるようになったところが大分増えてきたなという印象もありますし、こういった取組というものが非常に好循環しているんじゃないのかなと私は見ているところです。  続いて、最後の取組ですけれども、この制度というものが長年取り組まれており、今紹介していただいたような成果も出てきていると感じております。そして、佐賀酒を愛する多くの方々に認知されており、佐賀県産品のブランドの一つとして、県外にも、また、国外にもPRできているのではないかと思います。  そういった意味では、原産地呼称管理制度を今後もぜひ続けていっていただきたいなという思いがあるわけですけれども、先ほどの説明では管理委員会の中で委員の任期が設定されていない部類の方々がいて、創立時から五名の方はメンバーが変わっていないというような言い方も一部ありました。それでは関わる人というのが広がっていかないという部分もありますし、佐賀酒のある意味での権威づけを行う機関ということを考えれば、同じ人があまり長く委員を続けるというのは健全とは言えないという指摘があってもおかしくはありません。もちろん、今の委員さんたちがどうこうという意味では決してありませんので、そこは誤解していただきたくないのですけれども、一般的に外から眺めたときにそういった指摘が出るのかなと、そういう可能性があるんだろうなという思いがあります。  そういったことも含めまして、今後もこの制度を長く続けていくということも視点にしたときに、県では今後、この制度をどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。 77 ◯小野流通・貿易課長=今後の取組についてお答えいたします。  この制度は、これまでの取組によりまして、佐賀酒の振興にとって本当になくてはならない制度で、非常に重要な制度となっていると考えております。  今後も長く続いてほしいと考えまして、この制度を維持発展させていくとともに、効果的に活用しまして、佐賀酒の販売促進に取り組んでいきたいと考えております。  先ほど委員から御意見をいただきました原産地呼称管理委員会の委員の見直しにつきましては、将来のための時代に合わせた変化という点でも、また、委員会の活性化を図るためにも、今後、様々な世代や業界関係者の意見も聞きながら検討していきたいと考えております。  そして、この制度を効果的に活用した事業やプロモーションも積極的に行いまして、「The SAGA認定酒」のさらなる認知度向上や販売促進を行っていきたいと考えております。  この「The SAGA認定酒」を一つのブランドとしまして、蔵元、消費者、飲食店など様々な方々の意見を聞きながら、また、参画していただきながら、佐賀酒の一層の販売促進に取り組んでいきたいと考えております。  以上でございます。 78 ◯古川委員=委員さんの件に関しては、任期を設定して、当然再任を妨げないという形でやっていければ、そういう節目節目というものが出てきますので、その際にはやはりそういう話ということもやりやすくなりますし、今のように任期も何もないということになりますと、御本人が高齢だからとか体調がとか、そういったような話が出るまではそのままというようなこともあり得ますし、やはり健全さという部分ではしっかり検討してほしいなと思います。  また、以前の委員会の中でも、「SAGA BAR」のときにも話しました。いろんな人をもっと巻き込んでいけるような取組という中で、十五年も実績のある原産地呼称管理制度を存分に活用しながら、さらに広げていければと思います。ぜひよろしくお願いいたします。  続いて、海洋温度差発電について入らせていただきます。  国においては、二〇五〇年までのCO2実質排出ゼロが表明され、これからエネルギー基本計画の見直しが行われるところであります。  一方、県においても、今議会に新エネルギー・省エネルギー促進条例改正案及びそれに基づく基本計画の策定案がそれぞれ提案されるなど、今後、一気に再生可能エネルギーの利用拡大が進むのではないかと考えております。  再生可能エネルギーの活用といえば、まず、太陽光発電や風力発電などが話題になるところでありますが、私には再生可能エネルギーについては別の思いがあります。それは、佐賀県には私の恩師でもある上原春男先生が発案されたウエハラサイクルによる海洋温度差発電があるということです。  ウエハラサイクルは、作動流体にアンモニア水を用いるとともに、凝縮器の性能を高めることで、それまで実用化には至らないとされていた海洋温度差発電を実用可能レベルにまで高めた佐賀大学が世界に誇る技術であります。  もう四半世紀も前のことになるんですけれども、私自身が佐賀大学での上原先生の伝熱工学──伝える熱ですね、伝熱工学の講義を受けていたときに、上原先生がお米は何秒で御飯になるのかとか、九州の焼酎を透明にしたのは実は上原先生であったりとか、そういった話を聞いたり、また、上原先生自身がですけど、今、私が取り組んでいる実験がうまくいけば、この物理の教科書にある理論なんてひっくり返りますよというようなことを言われていたのが非常に懐かしくて、そしてまた、すごく印象に残っております。  二〇〇〇年代前半には、実際にこのウエハラサイクルなんですけれども、インド政府が佐賀大学の技術を導入して発電と海水淡水化の実証試験を実施されており、この淡水化プラントについては現在も実際に使用されていると聞いております。  また、国内では、沖縄県の久米島において百キロワット級の実証設備が設置され、実証研究がなされております。この実証研究では、発電した電力が系統に接続されているとともに、発電に用いた海洋深層水が様々な用途に活用されており、久米島の経済の活性化に大きく役立っていて、海洋深層水を複合的に利用するこの取組は、久米島モデルとして世界的にも高く評価されています。  このように、海洋温度差発電技術は世界で注目されている佐賀発の技術であり、県内にはこの技術の商品化を担う企業が立地しているということから、二〇五〇年までのCO2の実質排出ゼロの実現に向けて、県としてももっと活用していくべきではないかと考えるわけです。  そこで、次の点について伺います。  一つ目は、海洋温度差発電の技術についてです。  海洋温度差発電の位置づけについて、県は再生可能エネルギーを中心とした社会の実現に向けて施策を実施していただいていると理解しているわけでありますが、この佐賀発の海洋温度差発電技術についてはどのように位置づけておられるのかお聞きいたします。 79 ◯大野新エネルギー産業課長=海洋温度差発電の位置づけについてお答えをいたします。  県では、再生可能エネルギーを中心とした社会の実現に向けまして、平成三十年三月に佐賀県再生可能エネルギー等先進県実現化構想というものを策定させていただいております。  この構想では、「県内発や県にゆかりある人・企業・技術・製品等で日本・世界の再生可能エネルギー等の普及拡大に貢献」するということを目指す姿とし、この目指す姿の実現に向けた取組方針といたしまして、まず第一に、先行しています太陽光発電や風力発電の導入をさらに拡大するような取組を進めていくであるとか、二つ目、太陽光や風力ばかりでなく、多様な再生可能エネルギー資源の活用を図っていく、また、CO2の排出量の削減は当然再生可能エネルギーが有効ですけれども、それ以外にも有効な対策がございますので、再生可能エネルギー以外のCO2の削減手段についても検討を進めるようなことを定めておりまして、こうした取組によって得られた成果について海外への展開を検討するというふうに取組方針として定めております。  海洋温度差発電につきましては、多様な再生可能エネルギー資源の活用を図る上で有効な技術的資源というふうに位置づけているところでございます。  以上です。 80 ◯古川委員=ありがとうございます。  先ほどの説明もありました。県では、佐賀県再生可能エネルギー等先進県実現化構想を平成三十年三月に策定されたということで、それ以降について、先ほどの説明にある位置づけの中で海洋温度差発電技術を生かすための取組として、これまでどのようなことを行ってこられたのかお聞かせください。 81 ◯大野新エネルギー産業課長=海洋温度差発電を生かす取組についてお答えをいたします。  平成三十年度から佐賀大学と共同で海洋温度差発電技術を生かす分野といたしまして、温泉熱を活用した発電の可能性について検討を開始しております。  平成三十年度には、県内企業や嬉野温泉の源泉所有者の方の協力をいただきまして、嬉野温泉の源泉を活用した発電の実現可能性や、温泉に含まれる成分が熱交換器に与える影響について調査をいたしますとともに、嬉野温泉に限らず、様々な温泉地で実際に発電するための技術的な課題について整理をいたしました。  令和元年度には、国の補助事業を活用いたしまして、温泉に含まれる湯の華成分が付着物となりまして、熱交換器を目詰まりさせ、短時間で発電効率が低下するなど、そのほかにもございますけれども、温泉を用いた発電の課題を解消するための方策等について調査研究を実施しております。  令和二年度、今年度につきましては、令和元年度までの取組の成果を踏まえ、今年度も国の補助事業を活用いたしまして、温泉発電の課題を解消するための装置の開発に着手をしたところでございます。  以上です。 82 ◯古川委員=様々な取組の中で、今、温泉熱を利用したということと、また、嬉野というワードも出てきまして、先日、ちょっと勉強会の中でも大野課長に語っていただいたときに、嬉野の温泉の熱を利用した発電ということで、海洋温度差発電の技術が利用されているというのをちょっと耳にしたときに非常に私うれしく思いまして、海洋温度差発電という言葉に反応したわけですけれども、温泉でやっていますから温泉温度差発電ということになるんだろうと思いますが、この温泉温度差発電について、海洋温度差発電技術を生かすための取組として温泉温度差発電システムの開発に取り組んでいるということであったわけですけれども、この海洋温度差発電の技術がどのように生かされているのかお聞かせください。 83 ◯大野新エネルギー産業課長=温泉温度差発電に海洋温度差発電がどのように生かされているのかということについてお答えをいたします。  まず、その前に海洋温度差発電、委員はよく御存じだと思いますけれども、御存じない方もおられると思いますので、簡単なおさらいをさせていただきますと、海洋温度差発電は海の表層水と約八百メートル下の深層水との間で生じております約二十度の温度差を利用して発電する技術でございます。  具体的には、沸点の低い液体を温かい表層水で温めて、まず蒸発をさせまして、この蒸気の力で発電用のタービンを回して発電をし、発電後の蒸気を冷たい深層水で冷やして液体に戻します。この沸点の低い液体に戻したものをまた表層水で温めてタービンをまた回すと、これらを繰り返すことで連続的に発電すると、こういう技術になります。  翻りまして、嬉野温泉の状況を確認させていただきますと、嬉野温泉で湧出しております源泉の温度は九十度前後と水の沸点よりも低い状態でございますけれども、温泉として使うにはまだまだ高いものですから、各温泉旅館では冷却設備を用いまして、エネルギーとコストをかけて四十五度前後まで冷ました上で温泉として提供されているところでございます。  源泉と実際に温泉として使われる温度の間には二十度以上の温度差が当然生じておりますので、これは佐賀大学の海洋温度差発電技術によって発電できる条件を満たしておるところでございますから、この海洋温度差発電の技術を用いて発電しようという検討を進めているものでございます。  なお、今回の取組がもし成功いたしましたら、未利用の熱を利用して発電できるという効果は当然ございますけれども、そのほかに、各温泉旅館が源泉を冷ますために負担しているコストも、若干ではございますけれども低減できるという効果もあるというふうに考えております。  以上です。 84 ◯古川委員=まさにそういう技術のブレークスルーというか、温泉では九十度の温泉を四十五度ぐらいまで冷ますためにお金をかけていると。  そのお金をかけているものからエネルギーを取り出すということになれば、もともとかけているコストもかからなくなりますし、それプラス得るものがあるというのは本当に夢のような技術かなと、どうしても期待をしてしまうわけでございます。
     そうなってきたときに、どうしても開発ということになると、開発目標というものが常について回るものではあるんですけれども、この温泉温度差発電の開発目標についてはどのように設定されているのかお聞かせください。 85 ◯大野新エネルギー産業課長=温泉温度差発電の開発目標についてお答えをさせていただきます。  令和元年度に実施いたしました調査研究によりまして、市場開拓、実際に発電ができても、それが嬉野だけで終わってしまうと産業労働部としてはあまり面白くないので、たくさんのところで使っていただけるほうがいいわけですから、市場開拓が見込まれる発電システムの要件というものも分析をしております。  その結果に基づきまして、発電出力としては二十から六十五キロワット、これは流体を動かすための動力とかも必要なので、目減りして、実際に使える電力としては十二から五十キロワットが開発目標の一つになるのかなというふうに思っております。  また、温泉各地は、嬉野は比較的不純物が少ないんですけれども、湯の華がたくさん出るような温泉については、不純物が先ほど申しましたとおり熱交換器を詰まらせるという課題がございますので、源泉に含まれる不純物を九〇%以上除去するということも目標の一つにしております。  また、実は温泉の熱を使って発電する仕組みとしては、ほかのところで利用されている例というのは実際ございますけれども、先ほどから説明をさせていただいたとおり、温めてタービンを回した後に冷やさないといけないんですけれども、実はこの冷やす水というのがなかなか安く供給を受けられないと。  通常は、井戸というのはなかなか最近は掘れないものですから、水道水を使うとコストが合わないということで、外部から補給するような水の量も従来の技術と比べて五〇%以下に下げるということも目標の一つにしております。  また、温泉を使って発電するということになりますと、嬉野では過去に湯量がちょっと下がって問題になったことがございまして、温泉旅館の皆様は温泉が使えなくなるんじゃないかという御心配を当然お持ちになられますので、現在源泉を所有している方が使う許可を得ている量の範囲で発電をし、しっかりと温泉旅館にも給湯できるということが満たされないと理解が得られませんので、それも開発目標の一つにしております。  当然技術だけ開発して終わったのでは面白くございませんので、令和五年度までの製品化ということも開発目標として設定しているところでございます。  以上です。 86 ◯古川委員=今、様々目標というものを示していただきました。  今並べてみながら、なかなか厳しい部分もあるのかななんていうことも想像するところであります。  私も大学の研究機関で八年間研究に従事していたということもあって、研究開発というものは、どうしてもお金を出すところから見ると、目標はどうなんだと、進捗はどうなんだと、クリアしたのかしなかったのかと、それといつまでなんだというようなことを常に言われ続けながら研究というものはしていかなければいけないということがありますし、実験というものは、結局やってみないと分からない部分は最後まで付きまといます。  そして、理系じゃないというか、実験に携わらない人からいうと、もくろみどおりの結果が出ないと失敗と言われますが、研究者の立場からいうと、もくろみどおりにならなかったという知見が得られたというのは大きな成果です。  そういったところも含めまして、私は元研究者という立場からこういった実験というものを見ていきたいなとは思っているんですけれども、ぜひこの開発目標に向かって邁進していただいて、必ず令和五年度までの製品化ということで突き進んでいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  もう一つ、せっかくこの佐賀県には海洋温度差発電があるんだということ、そして今、こうやって海洋温度差発電の技術を温泉温度差発電に活用していっていると。ほかにもこういう熱を捨てている現状、お金をかけて捨てているという場面というのは、探せばもっといろいろあると思います。そういったものも含めて、この海洋温度差発電の技術というものを、あくまで佐賀発、世界発信というような形でやっていっていただきたいなという思いがあって、その中で、やっぱり知ってもらうというのも大事ですから、PRという部分もある程度必要になってくるのかなと。  そうすると、あっ、そこにビジネスチャンスがあるのかもというような人も当然反応してきますし、ぜひ応援したいという人も出てくると思いますので、このような海洋温度差発電技術が生かされた取組についても広くPRをしてもらいたいという思いがあるんですけれども、その辺りのお考えをお聞かせください。 87 ◯大野新エネルギー産業課長=海洋温度差発電技術のPRについてお答えをいたします。  令和元年十月に、佐賀大学と共同で「佐賀県再生可能エネルギー等イノベーション共創プラットフォーム」、これは略称CIREn(セイレン)というふうに申し上げています。精煉方から取っております。  CIREn(セイレン)を立ち上げておりまして、この中に海洋温度差発電関連技術研究分科会というものを設置しているところでございます。  ここは当然佐賀大学の先生が座長になっていただいておりまして、興味のある企業が参加をされているというところでございます。  まずは、PRについては、やはり私どもが考えるよりはいろんな企業様の考えを参考にしたほうが有意義なものができると思いますので、この研究分科会と連携しながら、効果的な方法というものを検討していきたいというふうに考えております。  ただ、実際にPRしたときに、PRを受けたほうが強く響かないと、興味を引かないとPRにはなりませんので、そのためには、やはり理念を説明してもあまり効果がないというふうに考えておりまして、直ちに導入可能な製品があるということは重要なことだと思っておりまして、そういう意味で現在開発を進めております温泉温度差発電技術につきまして、まず開発目標を、先ほど委員からも叱咤激励をいただきましたけれども、達成して、製品化することにまずは注力したいというふうに考えております。  PRにつきましては、開発目標の達成が確実になった段階で佐賀大学や関連する県内企業、研究開発の舞台となっている嬉野市などとも連携をいたしまして、製品化の弾みとなるような方法などを検討していきたいというふうに考えております。  以上です。 88 ◯古川委員=ぜひ、もちろんそういうタイミングというものはあるでしょうから、まずは開発のほうを頑張ってください。よろしくお願いいたします。  もう一点、海洋温度差発電技術の海外展開についてという視点でも質問をさせていただきたいと思います。  本議会で議案として提出されている佐賀県再生可能エネルギー利用等基本計画では、取組方針の一つとして、海外における再生可能エネルギー導入に寄与する施策について検討するとあります。  海洋温度差発電技術の海外展開についてはどのようにお考えなのでしょうか、お聞かせください。 89 ◯大野新エネルギー産業課長=海洋温度差発電技術の海外展開についてお答えさせていただきます。  佐賀大学の海洋温度差発電技術は、先ほど委員からも御紹介をいただきましたが、現在、沖縄県の久米島におきまして、発電出力が百キロワット級の実証研究が実施されている段階でございます。  海洋温度差発電の商用化に向けましては、発電出力を十万キロワットクラスまで高める必要があるというふうに聞いておりまして、佐賀大学では、まずは一千キロワット級の発電の実証に向けまして、海外の大学との協定の締結や国際機関などが実施する先進国から発展途上国へと気候変動に係る技術移転を促進するための事業などに提案をされているところでございます。  そうした過程で、これまでも実は佐賀大学からいろんな協力依頼を受けたということが何度かございまして、県としては、その時々、可能な範囲で協力を行っているところでございます。  一例を挙げさせていただければ、佐賀大学とオランダのデルフト工科大学等との協定締結に際しまして、佐賀大学からの御依頼を受けまして、駐日オランダ大使館で実施されました協定締結式にも出席をさせていただきましたほか、佐賀大学とともにオランダの同大学を訪問いたしまして意見交換などもさせていただいたり、こういったことをさせていただいたところでございます。  海洋温度差発電の商用化には数百億円規模の資金が必要とされておりまして、さすがにこの規模のものに県として直接的に何か役に立つようなことができるかというと、これは無理でございますけれども、これまで同様に佐賀大学からの御依頼を受けましたら、可能な範囲で協力をこれからも続けていきますとともに、やはり現在開発中の温泉温度差発電技術が製品化された後は、佐賀大学や関連する県内企業、それから、NGOとも連携をいたしまして、ODA事業に挑戦するなど温泉温度差発電の海外展開に向けた支援についても検討するようにしていきたいというふうに考えております。  以上です。 90 ◯古賀陽三委員長=それでは、暫時休憩に入ります。十三時十五分をめどに委員会を再開します。     午後零時十二分 休憩     午後一時十五分 開議 91 ◯古賀陽三委員長=それでは、委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 92 ◯古川委員=それでは、引き続き質問に入らせていただきたいと思います。  問いの三は、有害鳥獣対策についてです。  午前中、下田委員のほうからもありましたけれども、少し視点を変えたところで質問をさせていただきたいと思います。  これもまた私事で申し訳ありません。私は昨年一月に銃猟の狩猟免許を取得しまして、それから、いろいろ身辺調査などを経て、十月に銃の所持許可をいただきまして、昨年十一月から始まった今シーズンの猟期から佐賀県猟友会の神埼支部に所属して、先輩猟師さんたちとともに、例えば、協猟と呼ばれるようなチームワークでの狩りなどにも加わらせていただきながら、イノシシ猟やカモ猟などを行っております。銃による捕獲ということになります。  先日も山の中でイノシシに遭遇しまして、じりじりと距離を詰めてもう一歩、目の前十メートルというところまで近寄ったんですが、残念ながら狙っていたイノシシの横にもう一匹イノシシがいまして、そいつが気づきまして一目散に逃げていかれました。もちろん、私の腕が足りないということと、思い切りのよさというのがちょっと足りなかったなと思って反省しているところですけれども、特に今シーズンは新型コロナの影響で週末の式典とかイベントが軒並み中止になっていましたので、結果として毎週のように猟に出ることができております。  そのようにして、たとえ目前まで獲物に接近しても、なかなか思うように捕れないというのが実情です。しかしながら、狩猟を通して有害鳥獣による農作物の被害などで困っている農家さんたちの皆様の御苦労が少しでも減らせるように関わっていきたいなと思っております。  また、先月はカモによるノリの食害が問題となっている鹿島市のノリ養殖の現場にお邪魔して、視察も兼ねてですけれども、有明海でカモを撃つ機会も得ました。こちらでも非常に現場が苦労されているということを直接見させていただきました。  以前から話だけは聞いていたんですけれども、こうやって実際に狩猟に関わるようになって、改めて有害鳥獣による被害……。 93 ◯古賀陽三委員長=ちょっと休憩します。確認をしますので。     午後一時十九分 休憩     午後一時二十五分 開議 94 ◯古賀陽三委員長=それでは、委員会を再開します。 95 ◯古川委員=失礼しました。集中して頑張っていきましょう、よろしくお願いします。  カモによるノリの食害が問題となっている鹿島市のノリ養殖の現場にお邪魔して、有明海でカモを撃つ機会もあったんですけれども、やはり実際、自分が関わるようになって、以前の市議時代からももちろん耳にしておりましたけれども、そういった有害鳥獣による被害というものが改めて目の当たりにして、その対策の重要性というのはつくづく感じている次第でございます。  そんな中、このたびイノシシの捕獲報償金、交付金の期間を狩猟期間中にまで拡大延長していただけることになったことは、猟友会の皆様もとても喜ばれておりまして、その点については、改めて感謝申し上げたいと思っております。  今回、新たに交付されることになった期間には、イノシシの繁殖期が含まれてきますので、イノシシの頭数を減らすという意味においては、延長したのは半年間延長したということになるんですか、その効果は二倍ということではなくて、三倍にも四倍にもなるだろうということを猟友会の方もおっしゃっておられました。  さて、話は戻しますけれども、有害鳥獣による農作物の被害は、イノシシに限らず、アライグマ等の中型哺乳類や、カモやカラスなどの鳥類による被害など様々であります。農家の方々が安心して営農に取り組んでいただくためにも、それぞれの獣種に合わせた有害鳥獣の対策が重要であると考えます。  そこで、次の点についてお聞きします。  まず、イノシシについてですが、イノシシによる被害状況についてお聞きします。  イノシシによる直近の農作物の被害額はどのぐらいになるのでしょうか。また、被害がある主な作物はどのようなものか、お聞かせください。 96 ◯池田生産者支援課長=イノシシによります被害状況についてお答えいたします。  佐賀県の野生鳥獣による農作物の被害状況調査におきまして、令和元年度のイノシシによる農作物被害額は約九千七百万円となっており、ここ十年で最も被害が多かった平成二十二年度の一億九千六百万円と比較しますと、約半分にまで減少をしておりますものの、依然として一億円近い被害が生じております。  主な作物を被害金額で見ますと、水稲で約六千三百九十万円、ミカンなどの果樹で約二千二百六十万円、茶などの工芸作物で約五百三十万円となっており、水稲が全体の六割強を占め、全体で最も多くなっております。  以上です。 97 ◯古川委員=それぞれ平成二十二年度は一億九千六百万円ということが、令和元年度は九千七百万円ということですけれども、一億円というような金額が被害に遭っていると。  午前中の下田委員のほうからもありました、心をくじく部分があるんだなということは常日頃言われることですし、確かに私が今シーズン猟に出ているときも、農家さんとちょっと話したら、頼むけんコガモばどがんじゃいしてくいろとか、その場で懇願されるような場面が結構ありました。イノシシについても、あそこら辺で見たけんちょっと見てきてくいろとかですね。そういったことを感じながらの期間を過ごさせていただいているんですけれども、この被害防止対策についてですけれども、県単事業による捕獲頭数についてです。直近三年間での県単独の捕獲報償金事業におけるイノシシの捕獲頭数はどうなっているのか、教えてください。 98 ◯池田生産者支援課長=県単事業によりますイノシシの捕獲頭数についてお答えします。  県単独の佐賀県イノシシ等被害防止対策事業については、市町を事務局とする協議会が捕獲報償金を交付する場合に、イノシシ一頭当たり二千五百円を限度として報償金の二分の一以内を県から補助しているところでございます。  本事業におけます直近三カ年のイノシシの捕獲頭数は、平成二十九年度は一万千六百二十七頭、平成三十年度は一万三千六百二十五頭、令和元年度が一万二千三百四十三頭となっております。  以上です。 99 ◯古川委員=推移はあるにせよ、一万頭を超える数の捕獲ということが、捕獲報償金の対象としてカウントされているということで、今シーズンはまだ数字として出てきていませんけれども、少し減ったという言葉もあったり、相変わらず捕れているということまで、地域が動いているのかななんていうことも感じながら、この数字というものも推移を見させていただいているわけです。  この一頭当たりということが、実際イノシシ一頭当たり幾らになるという報償金というのが払われるときに、幼獣ですね、ウリボウ。ウリボウに関しては人情というか、なかなかためらうわけですね。本当、銃構えて狙ってもかわいらしいんで、そういったところもあって、以前はウリボウが報償金の対象になっていなかったような時期があったなんていうふうなことも耳にしますけれども、このたびはそういった部分も見てもらえるということになって、頭数を減らしていくということはどうしてもそういうことですので、大きい小さいに関わらず減らしていかなきゃいけないということになるんですけれども、そういったところも非常に県単事業、もちろん国からということもさらに乗っかってくるんですけれども、非常にありがたいなと思っているところです。  この県単の捕獲報償金のほかに、県ではイノシシの被害防止対策としてどのように取り組んでおられるのかお聞かせください。 100 ◯池田生産者支援課長=イノシシの被害防止対策の取組についてお答えします。  イノシシによる農作物被害の防止対策のため、県では、鳥獣被害対策指導員の育成や被害防止対策に取り組む重点集落の設置、各地域での被害対策研修会の開催などとともに、ワイヤーメッシュ柵や電気柵の整備や捕獲用の箱わななどの導入支援、国庫補助事業の対象外となったワイヤーメッシュ柵などについては、県単独事業による助成、さらに、先ほど委員のほうからございましたけれども、国庫事業を活用しました捕獲報償金の交付、さらに、地域ぐるみでの有害鳥獣捕獲体制を整備するため、捕獲班の設置の推進などに取り組んでいるところでございます。  以上です。 101 ◯古川委員=了解しました。様々な取組をされているということを今聞かせていただきました。  続いて、中型哺乳類についても聞きたいと思います。いわゆるアライグマであったりアナグマであったり、そういったものになるのかなと思うんですけれども、この中型哺乳類による直近の農作物の被害額というものがあるのなら教えていただきたいですし、また、被害がある主な作物というものがどういったものか教えてください。 102 ◯池田生産者支援課長=中型哺乳類による被害状況についてお答えいたします。  令和元年度の中型哺乳類、これはアライグマ、アナグマ、タヌキになりますけれども、この農作物被害額は約一千三百四十万円となっており、ここ十年で最も被害額が多かった平成二十三年度の約三千九百万円と比較すると、三分の一程度にまで減少はしているものの、依然として一千万円以上の被害が生じております。  主な作物の被害金額で見ますと、イチゴなどの野菜で約八百万円、ミカンなどの果樹で約五百万円となっており、野菜が最も多くなっております。  特にアライグマによる農作物被害は、平成二十一年度に初めて小城市で確認がされました。翌年には近隣市町でも被害が確認されるようになりまして、現在では中山間地の果樹だけではなく、平たん部のハウスのイチゴなどでも被害が見られるなど、県内の広い範囲で被害が確認されるようになってきております。  以上、お答えします。 103 ◯古川委員=アライグマ、アナグマ、タヌキ、アナグマとタヌキというのは以前から見ていたような感じなんですが、アライグマというのもなかなか今広がっているのだなというのを、平成二十一年に初めて小城市で確認されて、それ以降はどんどん広がっているということなんですけれども、このアライグマについてですが、県単事業による捕獲頭数についてです。直近三年間での県単独の捕獲報償金事業におけるアライグマの捕獲頭数はどうなっているのか教えてください。 104 ◯池田生産者支援課長=県単事業によるアライグマの捕獲頭数についてお答えします。  県単事業につきましては、イノシシの場合と同じく、市町を事務局とする協議会が捕獲報償金を交付する場合に、アライグマ一頭当たり千円を限度として、捕獲報償金の二分の一以内を県から補助しております。  直近三年間のアライグマの捕獲頭数ですが、平成二十九年度が八百八十三頭、平成三十年度が九百八十二頭、令和元年度が千四百二頭と年々増加傾向にあります。  以上です。 105 ◯古川委員=こちらは明らかに数字が増えていっているんだなということが今確認できました。  私は神埼市の南部のほう、千代田町に住んでいるんですけれども、昨年夜中、我が家の愛犬が気が狂ったように吠えまくっておりまして、何だろうなと思うと、我が家の庭の松の木の上にアライグマがどっこいしょと下りまして、うわっ、こんな平野にも出てきたかということで、かなりやっぱり数が増えているのかななんていうことを見て驚いたところでした。  この狩猟関係者の中では共通認識というか、狩猟関係者に限らず、広く知られていることとは思うんですけれども、アライグマというのは見た目、漫画にもあったように非常に愛くるしいしぐさも、水で手を洗ったり、物を洗ったりするんですけれども、姿をしておりますけれども、これがまた非常に凶暴でして、庭で見かけたときもこれちょっと下手にちょっかい出すとやられるなと思ったので、恐る恐るほうきの柄でつついたら、うまく逃げてくれて事なきを得てほっとしたんですけれども、この県単独の捕獲報償金のほかに、県ではアライグマ等の中型哺乳類の被害防止対策としてどのような取組を行われているのかお聞かせください。 106 ◯池田生産者支援課長=中型哺乳類の被害防止対策の取組についてお答えします。  アライグマなどの中型哺乳類による農作物被害を防止するため、県ではアライグマ被害対策研修会の開催や捕獲用の箱わななどの導入支援、国庫事業を活用した捕獲報償金の交付などに取り組んでいるところです。  以上、お答えします。 107 ◯古川委員=この辺については、研修会とか、箱わなとか報償金ということなんですけれども、それこそ午前中の下田委員ではないんですけれども、今後また、市街地とか、市街地とまではいかなくても、今空き家も結構多くて、平地でも空き家のほうにすみついていたりとか、そういうこともあって、非常にこれは厄介だなというのがあるので、そういったところの点検もさらに進めていっていただければと思います。  次は鳥のほうです。鳥類です。鳥類による被害状況についてお聞かせしてもらおうと思います。  カモによるノリの被害については先ほど少し触れましたけれども、カモやカラスなどの鳥類による直近の農産物の被害額は幾らくらいになっているのでしょうか、また、被害がある主な作物はどのようなものでしょうか、教えてください。
    108 ◯池田生産者支援課長=鳥類による被害状況についてお答えします。  令和元年度の鳥類による農作物被害額は約三千五百五十万円となっており、ここ十年で最も被害額が多かった平成二十三年度の一億一千二百十万円と比較しますと、約三分の一程度まで減少しておりますものの、依然として三千万円以上の被害が生じております。主な作物の被害金額を見ますと、ミカンなどの果樹で約一千百七十万円、キャベツなどの野菜で約一千百四十万円、麦類で約九百六十万円となっております。  以上、お答えします。 109 ◯古川委員=有害鳥獣駆除は別ですが、カモの猟期は二月十五日で終わるんですけれども、昨日でも今日でも、カモさんが田んぼにいっぱい入って、今日ここに来るまでの間も一生懸命大麦若葉を食べられておりまして、本当、バリカンで刈ったようにさらっとなくなるので、すごい被害があるんだろうななんて思っておりますけれども、そういったところに対して、県ではカモやカラスなどの鳥類の被害防止対策としてどのように取り組んでおられるのかお聞かせください。 110 ◯池田生産者支援課長=鳥類の被害防止対策についてお答えします。  鳥の種類別では、まずはカモによる被害が最も多く、中でも被害が多い麦につきましては、吹き流しや水路側の畦畔にテグスを張るというようなことによる侵入防止対策、また、レンコンなどの野菜や果樹に対しては、防鳥ネットなどによります被覆対策というものが効果的であり、こうした取組を農業改良普及センターから現場に推進をしているところでございます。  また、次に被害が多いカラスにつきましては、被害が多い大豆や麦の播種時期であります七月と十一月をカラスの捕獲強化月間として位置づけ、市町が地域の猟友会に委託をして行いますカラスの捕獲に対して補助をするなどして、県内全域での捕獲を進めているところでございます。  以上、お答えします。 111 ◯古川委員=カモもカラスも渡り鳥が大分多くて、カラスに関しては、渡りガラスが、もう大分帰っていったんでしょうけれども、この寒い時期になると県庁周りも夕方になるとねぐらとしていっぱいのカラスが集まって来る。そして、私、それこそ千代田のほうから二百六十四号線をずっと県庁に向かって走っていくんですけど、朝は、ちょうど入れ違うようにカラスの団体が筋になって、多分あれ、筑後川の方向に向かってでしょうけど、出勤をされておりまして、夕方、私が逆に千代田のほうに帰るときは、カラスたちは束になって、今度は県庁に向かって帰宅されるんですね。  そういうのを見ながら、やっぱりカラス対策というのは、やっぱり大変なことで、特にまた市街地になると特に銃だったらどうしようもないので、やりようがないので、こういったところ、いろんな方が御苦労されているんだろうななんていうことも考えておりました。カモについても当然ですけれども、カモも、もうすぐマガモなんていうのはそろそろいなくなるのかななんて思っているんですけれども。吹き流し、侵入防止、防鳥ネット、そしてカラスについては捕獲ということですけれどもね。しっかりとこの対策、また、新たな取組みたいなものも出てくると思うので、引き続き研究をお願いしたいと思います。  最後、今後の取組についてです。  先ほども言いましたイノシシの捕獲報償金が年間通して交付されるようになったことは、大変ありがたいことだということは今述べたところではありますが、例えば、アライグマに対する捕獲報償金をもう少し増額してもらえないだろうかという声や、カラスやカモなどの鳥類についても、例えば、神埼猟友会では一羽当たり幾らということで、委託費の中から支払われているとのことで、総額を決めた中で捕れた総数で割って、一羽当たりの金額を決められていて、そうなると、捕れば捕るほど一羽当たりの単価が下がるというようなことで悩まれておりました。これは、あくまで委託費の中なんだからということで、運用の問題だろうという見方も当然できるんではありますが、聞けば、小城の猟友会のほうも一羽当たりのお金が支払われているということですので、もしかしたら県内どこの猟友会も同じように悩まれているんじゃないのかなど想像するところであります。  これは、県としてそのあたりの実情に即した制度設計を考慮していただければありがたいなという思いもあって、そのあたり、ぜひ研究をしていってもらいたいと思います。  そのほかにも有害鳥獣駆除に関しては、弾の購入費は見てもらっておりますが、他県では、銃の入手に当たって必ず必要になってくるガンロッカーとか、銃をしまう鍵のかかるロッカーですね。それとか、装弾ロッカー、弾を保管しておくロッカー、これは必ず別のもので別の部屋に置かなきゃいけないと法律で決まっているんですけれども、そういったものについても支給があるといったような支援があるということも耳にしております。  そういったことを希望する声があるということも踏まえまして、今後有害鳥獣による農作物被害を軽減するために、県ではどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。 112 ◯池田生産者支援課長=今後の取組についてお答えします。  先ほど申し上げましたとおり、それぞれの鳥獣の特性に応じて、農作物の被害も様々でございますので、有害鳥獣対策として特効薬というようなものはなかなか見当たりません。やはり、これまで進めてまいりました農地や集落に鳥獣を近づけないすみ分け対策、ワイヤーメッシュ柵や防鳥ネットなどを設置し、農地に入れない侵入防止対策、さらには、生息密度を下げる捕獲対策、この三つを着実、かつ継続的に取り組んでいくということが重要だと考えております。  特に、捕獲対策につきましては、先ほど委員のほうからも御紹介いただきましたけれども、県単事業の捕獲報償金を通年化し、対策強化に取り組んでいるところでございます。これには猟友会の方々にも御尽力をいただいているところでございます。  また、カラスなどの鳥類対策としましては、県内企業で開発されましたカラスの追い払い装置、この効果を、昨年度県で実証しまして、一定の効果が得られたことから、各地域の有害鳥獣対策協議会へその成果を紹介、普及などに努めていくこととしております。  さらに、有害鳥獣対策を推進するためには、捕獲従事者の確保・育成や、下田委員へ答弁いたしました捕獲技術の向上などの取組にも努力をしてまいりたいと考えております。  今後とも、猟友会や市町、JAなどの関係機関や団体の意見交換をしながら、一体となってさまざまな獣種に対応した有害鳥獣対策にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  以上、お答えします。 113 ◯古川委員=ありがとうございます。特効薬がないというのは、確かにそのとおりだと思います。また、人口減少とかいうことによって、そういう鳥獣、いろんな動物が民家とか市街地に入りやすいような環境になっているという部分も一部指摘されているところでありますけれども、引き続き、いろんな研究も続けられながら、より担い手が頑張っていけるような環境というものも整えていっていただければなと思います。私も、そういうふうに直接的にも関わりながら、またいろんな方のお話も聞かせていただきながら、またいろいろと提案をさせていただければと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。  続いて、最後は九年庵の話です。九年庵保存活用推進事業についてということで質問をさせていただきたいと思います。  九年庵は、私のふるさと神埼市の誇る文化財でありまして、平成七年二月には国の名勝にも指定されております。例年、五月のゴールデンウィーク期間中の三日間と秋の紅葉の季節の九日間、十一月十五日から二十三日までですけれども、その年二回、一般に公開されておりますが、いつも大変なにぎわいであり、神埼市も、県もですけれども、その努力もあって、例年旅行代理店によるバスツアーもたくさん企画されていることをよく聞いておりました。しかし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大が懸念されることから、残念ながら中止となってしまいました。  私は、九年庵を訪れるのを楽しみにしておりまして、年によって違った景色を見せてくれるわけですけれども、特に当たり年のときの最盛期の紅葉に彩られた庭園に足を踏み入れたときの風景は、本当にすばらしいものがあります。京都のほうの庭園というものは、庭師によって二十年後、三十年後に初めて完成するというようなイメージを見据えて設計され、木が植えられていると聞いたこともあるのですが、この明治期につくられた九年庵ももう百年以上が経過しておりまして、建物の老朽化はもとより、庭園自体も荒廃が進んでいる部分があるのではないかと危惧しております。  こうした中、県では来年度から九年庵保存活用推進事業を実施し、九年庵の保存活用に向けた取組に着手されると聞き、感謝とともにとてもうれしく思っております。  そこで、次の点について伺いたいと思います。一つ目は、九年庵についてです。まずは九年庵というものがどういった施設なのか、そのあたりの確認からよろしくお願いいたします。 114 ◯一高森林整備課長=九年庵施設についてお答えいたします。  九年庵は、佐賀市生まれの実業家である伊丹弥太郎氏が明治二十五年に建造した建物と、明治三十三年から明治四十一年までの九年の歳月をかけて築いた庭園で構成されているところでございます。  この九年庵につきましては、庭園に九年の歳月を費やして築造されておりますので、それが名称の由来と聞いておるところでございます。この施設は、春には新緑、秋には紅葉と庭一面に広がる緑のコケが鮮やかなコントラストを描きまして、訪れる人を楽しませてくれております。  一般公開期間中は、このような景色を求め、例年六万人前後の方が県内外から訪れていただいており、平成七年二月には、文化財保護法に基づく名勝に指定されたところでございます。  以上、お答えいたします。 115 ◯古川委員=ありがとうございます。この平成七年に名勝指定を受けているわけですけれども、この名勝指定の理由というものがどのようなものなのかお聞かせください。 116 ◯一高森林整備課長=名勝指定の理由についてお答えいたします。  九年庵は、もともとありましたなだらかな地形を利用しながら、建物をはじめ庭園、池、茶室などが巧みに配置されていたことにより、「庭園史上のみならず、庭園を主体とした文化史上極めて価値が高いもの」として評価を受け、名勝に指定されているものでございます。  以上、お答えといたします。 117 ◯古川委員=その名勝にも指定をしていただいている九年庵なんですけれども、その管理についてです。私は、地元ということもあって、そのすぐ横にある仁比山神社とかにもたまに行かせていただきますし、仁比山神社は、その横に松尾神社といって、お酒の神様も鎮座されているので、そちらのほうにもお参りに行くというような感じで、よく九年庵の横を通るんですけれども、普段は普通に閉ざされていて誰も入らない、近寄らないようなイメージになっているんですけれども、それでもやっぱり普段管理されているんだろうなという思いはあるんですが、普段は九年庵の管理というものがどうなっているのか、そちらをお聞かせください。 118 ◯一高森林整備課長=普段の管理についてお答えいたします。  九年庵全体のまず日常的な管理につきましては、建物や庭園など、毎日の巡視や来訪者への応対などを県が任命いたしました庭園管理人に対応していただいているところでございます。また、庭園にある樹木につきましては、剪定や診断、消毒などを造園業者に委託しながら、樹形の保全でございますとか病虫害対策など、適切な管理に努めさせていただいているところでございます。  以上、お答えいたします。 119 ◯古川委員=普段は管理人にお任せしている、または、樹木については造園業者にということはお聞かせいただきました。ただ、聞くところによると、今までちょこちょこ修正というか、補修を繰り返してきたというようなこともちょっと耳にしたんですけれども、これまで改修というか、そういった補修、そういったもの、どのような改修工事を行ってきたのか、そういったことをお聞かせください。 120 ◯一高森林整備課長=これまでどのような改修を行ってきたかについてお答えいたします。  九年庵の建物は、周りの景色との調和を図るために自然素材を使った数寄屋造りと言われる方式が取り入れられております。このため劣化が早く、その都度改修工事が必要となるものでございます。  このため、改修工事につきましては、これまで葦ぶき屋根のふき替えでございますとか、土壁の補修、さらには障子の張り替えなどを適期、適時に実施しながら、建物や景観の保全に努めてきたところでございます。  以上、お答えいたします。 121 ◯古川委員=ちなみにですけれども、樹木についてというところは、今改修は建物ばっかりでしたけれども、そのあたりというのはどうなっているんですか、その縛りなど、そういったところあるものなのか、そのあたりをお聞かせください。 122 ◯一高森林整備課長=樹木につきましても、文化財保護法で指定されておりますので、形状を変える場合は文化庁との協議が必要になるものでございます。これまでの樹木につきましては、年々樹勢自体は劣化、衰えてきておりますけれども、抜本的に枯損したでありますとか、そもそも植え替えが必要という状況になっておりませんで、樹木自体にそういった補修といいますか、修復をするようなことはやってきておりません。  以上です。 123 ◯古川委員=木々一本一本までしっかり管理されてというか、ちょっといじろうにも文化庁のほうに許可というか、相談をしなければいけないということですね。それで、幸い今のところはそういった補修も必要なく今日を迎えているということですけれども、今後はまたそういうのをどうなっていくのかなという話は当然出てくると思うんですけれども、この九年庵保存活用推進事業についてですけれども、この事業の目的というものがどういうものなのか、また、事業内容はどうなっているのか、併せてお聞かせください。 124 ◯一高森林整備課長=九年庵保存活用推進事業の事業の目的と事業の内容につきましてお答えさせていただきます。  九年庵は、佐賀県が誇る歴史的、文化的に貴重な地域資源でございまして、適切な保存、整備を実施しながら、後世に引き継ぐことや観光資源としての活用をさらに図っていくことが重要であると認識しているところでございます。  一方、九年庵は文化財保護法の適用を受けますので、保存のための改修や施設の活用を図る場合は、保存と活用を両立させていくための保存活用計画を策定することとなっていることから、この事業に取り組むものでございます。  続きまして、事業の内容でございますけれども、九年庵保存活用推進事業につきましては、地元との調整をはじめ、保存活用計画の策定に向けて、幅広い意見をいただくための検討委員会を設置することとしております。  また、経年により全体的に老朽化してきている建物の耐震診断をはじめ、傷みが激しい庭園のコケにつきましては、検討委員会に諮る基礎データ収集のために土壌改良や補植、これは枯れてしまったところなどに新しく植えつけるものでございますけれども、そういった補植などの実証実験を実施することとしているところでございます。  以上、お答えいたします。 125 ◯古川委員=ありがとうございます。  先ほどの説明の中に、保存活用計画というものが出てきました。保存活用計画ということの内容についてですけれども、この保存活用計画というものがどのようにして策定されるのかお聞かせください。 126 ◯一高森林整備課長=保存活用計画の策定についてお答えいたします。  九年庵を保存し、活用をさらに進めていくためには、建物の劣化対策でございますとか、庭園の傷みが激しいコケの再生、施設の改修などを実施しながら、本来九年庵が持つ優れた景観や芸術的な価値を十分に発揮させることが重要であると認識をしているところでございます。  この保存活用計画の策定につきましては、検討委員会の意見を聞きながら、二年をかけて策定することといたしております。まず、令和三年度には現状の評価、令和四年度には利活用方法などを検討し、取りまとめていくこととしております。  以上、お答えいたします。 127 ◯古川委員=ありがとうございました。  保存活用計画は検討委員会に聞きながら二年かけてということで、令和三年が現状の評価、令和四年が利活用方法ということなんですが、今出てきました検討委員会というものがどういったものなんだろうなというのが今、ちょっと分からないですけれども、計画を検討するに当たり委員の人選というものがとても大事になってくるのかなと思います。  そこで、どのような人たちを選ぶように予定しているのかお聞かせください。 128 ◯一高森林整備課長=検討委員会の委員の人選についてお答えいたします。  保存活用計画の策定に当たりましては、検討委員会委員の意見を十分聞きながら検討していく必要があることから、委員の人選に当たりましては、幅広い分野の専門家を選定する必要があると考えているところでございます。  具体的には、造園学、庭園史、建造物、文化財活用、観光などの各分野から選定する予定でございます。  以上、お答えいたします。 129 ◯古川委員=様々な広い分野の専門家から選ぶということですけれども、これは何か選考があったりとか、例えば挙手方式で選考があったりとか、そのあたりというのは何か決まっているんですか。 130 ◯一高森林整備課長=特にルール等はございません。文化庁とも相談させてもらいながら、県外でも検討委員会は開催されておりますので、それも参考にしながら人選に当たっていきたいと思っております。  以上、お答えします。 131 ◯古川委員=そのあたり、先ほどの原産地呼称管理制度の委員でもという話につながるというほどでもないんですけれども、しっかりと人選していただきたいなと思いますし、次の質問にもつながるんですが、地元の人たちが納得──納得という言葉もちょっと違うのかもしれないんですけれども、そのあたりの協力も得やすいような、そういった人選ということが大切になってくるのかなと思います。そういったところも含めて、地元の意見というものをどのように検討委員会に反映させていくのか、そのあたりお聞かせください。 132 ◯一高森林整備課長=検討委員会への地元意見の反映についてお答えいたします。  保存活用計画の策定に当たりましては、より実効性のある計画とするために専門家の意見をはじめ、九年庵に愛着を持っていただいている地元の方々の意見を広く聴取しながら進めることが重要だと認識をしているところでございます。  このため、計画の策定に向けては、検討委員会の設置と併せ、例えば県や市などによるワーキングチームを設置するなどしながら、地元意見の丁寧な聴取に努め、計画に反映させていきたいと考えているところでございます。  以上です。 133 ◯古川委員=このあたり難しいところがあって、何でもこう聞けばいいという話じゃないし、そういう格式であったり歴史であったり、もう変えられんものは変えられんし、変えていけるものは変えていけるということで、その辺の線引きというのが非常に難しくなるのかなと。さっきのワーキンググループですか、そういったものでという話のときに、そういった線引きがないまま議論をするとかえって混乱してしまうということもありますので、そのあたりはしっかり考慮した上で、そういう場に臨んでいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  最後に、今後の活用についてです。  先ほど地元の意見ということで、愛着を持つ方の意見をというような話も出ていました。九年庵の一般公開のときはたくさんの神埼市のボランティアの方々がそこに加わって、事前の掃除であったり片づけも、当日のもぎりであったり、いろんなことに参加されているのをよく見かけておるんですけれども、そういったこと、そういう思いも当然ありますし、非常に希有な文化財としての価値を今後も生かしていくということも含めまして、今後、九年庵をどのように活用していくのかお聞かせください。 134 ◯一高森林整備課長=九年庵の今後の活用についてお答えいたします。  九年庵は、佐賀県民はもとよりでございますけれども、毎年、海外を含め全国各地からたくさんの方々に御来園いただいております。一方、委員御指摘のとおり、九年庵は築造後百年以上が経過しております。建物の老朽化でございますとか、庭園の荒廃が進んでいる状況でございまして、計画的な保存、整備が必要だと認識しておるところでございます。  今後とも、観光資源としての価値が高いこの九年庵につきましては、文化財として適切に保護していくことと併せ、幅広い利活用について検討してまいりたいと考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 135 ◯徳光委員=県民ネットワークの徳光清孝でございます。今日は質問者が四人ということで、私以外の三人は、かなり盛りだくさんに質問をされますので、私は二問質問をしたいというふうに思います。  第一問目は、佐賀産日本酒の振興についてということで、古川委員に引き続いて日本酒のことになります。  今年度最初の議会、六月議会でもこの質問をしまして、一体どんだけ酒が好きなのかという話になるんですが、本当に佐賀県内の蔵元さん、勉強して技術を磨いて、あるいは切磋琢磨しながら、時には教え合ったりして、本当にすばらしい日本酒をここ数年造り続けています。世界的なコンクールでも金賞に入ったりとか、仮に賞は取らなくても、ほとんどの蔵元さんのお酒がその水準まで来ているというふうに思っています。  最近は光栄菊というのが少し人気が出ていまして、小城市三日月の光栄菊酒造ですが、実は二〇〇六年から休業をしていたんですが、昨年度からですかね、二年前から新たな杜氏の方がそこで造り始めました。特徴としては、低アルコールですね。少し一度、二度、ちょっと低いということ。それから、無ろ過が多いので、ちょっと酸味があって微炭酸で、ただ、やっぱり味はおいしいということで、一年目からもう、あっという間に人気が出て全国区になりました。多分七割以上は県外に出荷しているんじゃないでしょうか。  最近の日本酒の本を見ても、必ず光栄菊が載っているという状況になっています。今日の新聞を見ると、何か光栄菊酒造さんが知事のところに来るのか、知事が行っているのか、そういうのも見ていましたので、やっぱり人気が出ているなというふうに思います。ちょうど今は新酒を、いろんな蔵元が工夫した新しい新酒を──新酒だから新しいですね。ずっと出していまして、人気が出る時期でありますけれども、残念ながら、この一年間コロナ禍ということで、いろんなイベントがなくなりました。私自身も楽しみにしていた蔵開きに行けなかったという大変悔しい思いもしましたけれども、そういう中で、六月にも質問しましたが、その後も県内の日本酒の蔵元さんに大きな影響が出ているんじゃないかなというふうに心配をしています。  そこで、何点か質問したいと思います。  まず、小野課長さんに、大変個人的なことで失礼ですけれども、最近ちょっとなかなか町にも出れない、蔵開きにも行けないという状況が続いている中で、佐賀産日本酒をどのように楽しんでいるでしょうか。(笑声) 136 ◯小野流通・貿易課長=最近の楽しみ方ですが、おっしゃるとおり、家飲みがかなり以前よりも増えまして、おかげさまで酒販店様と話したりすることも多くなりまして、お酒を造っている皆さんの思いとか、あと、こだわりとかをこれまで以上に勉強したかなという感じで、家に持って帰って飲んでいます。その分、またこだわったつまみだったりも選んだりさせていただいていまして、最近は本日のことを考えながらですけど、お気に入りの蔵の特別純米酒をぬる燗か何かで飲みながら、おつまみなど、有明ノリを楽しませていただいております。 137 ◯徳光委員=今晩もぜひ、家で楽しんでください。  まず、最初の質問なんですが、新型コロナウイルス感染症の影響についてです。  この一年間、やっぱりこの感染症の影響によって、蔵開きが中止になったりとか、あるいは様々なイベントがせっかく計画をされていたのに中止になったりしているんじゃないかなというふうに思うんですね。この一年間、主なイベントの開催状況というのはどうだったんでしょうか。 138 ◯小野流通・貿易課長=令和二年のイベントの開催状況につきましてお答えいたします。  昨年の春の蔵開きにつきましては、鹿島酒蔵ツーリズムの中止をはじめといたしまして、ほとんどの蔵元で延期や中止となりました。また、先ほどお話しありました、県が例年四月下旬に開催しております「The SAGA認定酒」の春の官能審査会につきましても、平成十六年度の開始以来、初めて中止となったところです。  さらに、県酒造組合におきまして、毎年六月から七月頃に東京や大阪で商談会や消費者向けのPRイベントを開催されていましたが、こちらも開催を見送られたところでございます。  しかし、外でこういうふうににぎやかに飲むというイベントは少なくなっておりましたが、その後、夏から秋にかけまして県内の蔵元ではこれまでにない試みといたしまして、ドライブスルー販売会やオンライン酒蔵見学、全国酒造組合中央会によるオンラインイベントの参画など、コロナ禍の中でも関係者が知恵を出し合いながら、その時々に可能な取組が行われてきたところでございます。  以上です。
    139 ◯徳光委員=今、答弁いただきましたように、多くのイベントが中止になったということ、それから、飲食業の時間短縮要請もありました。ますますお酒を飲む機会が少なくなったということで、県内蔵元の日本酒の出荷量がどうなったのかなというのが気になりますので、県内蔵元の出荷量はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 140 ◯小野流通・貿易課長=県内蔵元の出荷量への影響につきましてお答えいたします。  出荷の状況ですが、やはり影響の大きかった令和二年三月から五月にかけましては減少いたしております。その後の緊急事態宣言解除後の六月には、回復の兆しが少し見えた蔵元も一部あったところもあります。そして、十二月にはまた少し、年末の需要で持ち直したところもあると聞いております。しかし、年間を通じまして、やはり業務用では少し厳しいという状態も続いておりまして、一方、家飲み需要によります一般消費者向けの出荷のほうは増えているというような状況です。  そして、全体としましての県内蔵元の出荷量につきましては、一昨年、令和元年が三千二十八キロリットル、コロナの影響を受けた昨年、令和二年が二千五百六十二キロリットルとなっておりまして、前年比約一五%、約四百六十六キロリットルの減少となっております。  以上です。 141 ◯徳光委員=やっぱり残念ながら減少しているということで、酒屋さんに聞くと、業務用はやっぱり落ち込んで、ただその分、家飲み用が少しは上向いていますということは私もいつも聞いていました。  当然、そういったコロナ禍によって出荷量が減る、大変苦しい状況になっているということで、県としてもこういった蔵元に対して様々な支援を行ってきたと思うんですが、これまでどのような支援を行ってきたのかお尋ねをいたします。 142 ◯小野流通・貿易課長=これまでの支援についてお答えいたします。  六月からは「佐賀支え愛キャンペーン」の取組といたしまして、ECサイトでの佐賀県フェアの開催やプレゼントキャンペーンなどを行いまして、販売促進を行っております。  また、八月には伝統産業等支援の一つとしまして、蔵元に対する直接的な支援として十万円の助成金を交付したところです。そして、春の蔵開きの応援としまして、今年一月からは、県において佐賀酒の販売促進キャンペーン、「OPEN SAGASAKE」キャンペーンというものを展開しており、その中でプレゼントキャンペーンや限定ボトルの販売を実施しているところでございます。  あわせて、先日、三月六日にはオンライン蔵開きイベント「佐賀酒でKANPAI#LIVE!」を開催いたしまして、蔵元と全国の佐賀酒ファンの交流や販売等を実施しました。全国の佐賀酒ファンに楽しんでもらったところでございます。  また近年、日本酒の需要が高まり続けています海外での販売促進を図るため、県産酒類の輸出に対する支援も行っているところでございます。  以上でございます。 143 ◯徳光委員=本当にこの一年間、いろんな業種を含めて、コロナ禍を経験して、様々な工夫をしていろんなイベントも少しずつですが開催をしてきたと思うんですね。で、言いましたように、ちょうど今から県内の蔵元も蔵開きをする時期がずっと続いていくというふうに思うんですが、把握している範囲でいいんですが、今春の蔵開きの開催状況というのはどのようになっていますか。 144 ◯小野流通・貿易課長=今春の蔵開きの開催状況についてお答えいたします。  今年も鹿島酒蔵ツーリズムの中止は既に決定されているというところですが、現在、蔵元ごとに創意工夫しながら、蔵開きに向けて検討を進められているとお聞きしております。  県内二十三の蔵元のうち、例年春の蔵開きを開催している蔵元が十八蔵、今年はそのうちオンライン開催など含めまして、何らかの形で開催を予定している蔵元が十三蔵、新酒や限定酒などの販売会のみ予定している蔵元が四蔵と、計十七蔵が取り組み予定と聞いております。  蔵元からは、お客さんの顔を見ながら交流できることがとてもうれしいと、今年もおいしい酒ができたので、何とか工夫をしながら、PRを頑張りたいというような声を多く聞いているような状態です。  以上です。 145 ◯徳光委員=オンラインとか、新しいお酒を販売するだけというような、形を変えてそれぞれ工夫されているということなんですが、やっぱり僕らからすると、蔵開きに参加をしてお酒をそこで飲みながら、もう全く知らない人と隣の席になって、いろいろお酒のことを話をしながらというのが本当に楽しみだったんですが、なかなかそういう状況にはならないのかなというふうに思っています。  そんな意味では、新年度、県としてもしっかりそういったイベント等に対して支援をする、何とか蔵元さんも、日本酒が好きな参加者も十分楽しめるような、感染対策をちゃんとしながら、楽しめるようなイベントの開催というのが私は大切ではないかなというふうに思っています。そんな意味では、県としてイベント等の開催等も含めて、今後どのように支援をしていくのかお尋ねをいたします。 146 ◯小野流通・貿易課長=今後の支援についてお答えいたします。  県としましては、コロナ禍の中にあっても、何らかの工夫をしながら、前向きに取り組む蔵元などしっかりと応援していきたいというふうに考えておりまして、まず、今春の蔵開き開催に対する支援としまして、コロナの感染防止対策などのための補助金を創設したところ、先ほど申しました十七蔵で活用される予定というふうになっております。  そして、今後は、まだコロナの状況を見ながらということですが、県酒造組合が実施する商談会やイベントに対する補助のほか、引き続き情報発信という意味で、「SAGA BAR」などを活用しながら、さらなる佐賀酒ファンを増やしていきたいと思います。  イベントにつきましては、乾杯イベントだったりとか、もともと例年行ってきたものを少し形を変えながら、工夫しながらでございますが、やはりお酒を楽しむ人たちに集まっていただけるような工夫ができないかと考えておるところでございます。  そして、比較的回復の早い海外市場については、現地売り先とのマッチングや輸入卸とのオンライン商談会など、なかなか渡航できない中でもこれまでのネットワークを活用した支援を強化したいと考えております。  今後とも、蔵元や流通業者などの意見も聞きながら、引き続き佐賀酒のPRや販売促進をしっかりと行っていきたいと考えております。 147 ◯徳光委員=しっかりと支援をしていただいて、何とかこのコロナ禍を乗り切るというか、持ちこたえて、次につながっていくような支援をぜひお願いいたします。  それでは、二問目ですが、タイラギ資源の回復に向けた取組についてお尋ねをしたいと思います。  私が言うまでもなく、本当に有明海には全国的に珍しい特産の貝類が種々生息をしています。アゲマキというのは、本当に何年前ですか、二十年、三十年前も普通にたくさん有明産のアゲマキが魚屋さんにも並んでいましたし、普通に僕らも買って家で食べたりして、本当においしいなという思いをしていました。特に、漁業をしている方にとっては、ちょうどノリが終わった時期にお助け貝ということで、収入のお助けをしていたということもお聞きしています。  そのアゲマキについては、平成九年から全く漁獲がない状況が続いたりしていましたが、関係者の本当の努力によって、平成三十年に場所と期間を限定した形ではありますけれども、漁獲が見られています。当時、久しぶりに漁ができてうれしいといった声が聞かれるなど、漁業者にとっても希望の光が見えた、ああ、これでうまくいくのかなという再生の光が見えた年だったなというふうに思っています。  ただ、令和元年、二年と災害規模の大雨の影響によって、その成果は後退せざるを得なくなって、その後はまた、休漁が続いているという話も聞いています。やはり自然相手のこういったものというのは大変変動する。だからこそ、しっかり継続した資源回復の取組というのが必要になっているなというふうに思っています。  一方、沖合域では、冬の風物詩として知られていたヘルメット式潜水器漁業が盛んに行われていまして、たくさんのタイラギが港に水揚げされるなど、四季を通じて私たちに海の恵みを提供されてきたというふうに思っています。  ただ、タイラギについては、資源回復を図るため、これまでも国や有明海沿岸の三県と連携するなど様々な取組を実施されていますけれども、九年連続で休漁に追い込まれているということで、タイラギ漁の再開には至っていない状況だと思っています。アゲマキでは種苗生産、放流技術がほぼ確立をして、安定的な生産、放流はできているが、タイラギは本年度初めて佐賀生まれ、佐賀育ちの稚貝が放流できたというふうに報告をいただいています。タイラギ漁の再開のためには、こういった技術開発を推進し、自然の脅威にさらされながらも取組を継続して行っていくことで、資源の回復を図ることが重要と考えております。  そこで、次の点についてお伺いをいたします。  まず、母貝集団をつくる目的についてなんですが、タイラギ資源の回復にとっては、卵を産む親となる母貝の集団をつくり出すことが重要と聞いていますが、その理由についてお示しください。 148 ◯久野水産課長=母貝集団をつくる目的についてお答えいたします。  タイラギなど二枚貝類の資源は、もともと年による漁獲が大きく変動することが知られております。  これは、二枚貝類は大量に卵を産み、環境条件さえ整えば資源が大きく回復するという生物的特性を持っているためでありまして、タイラギについても、資源が減少して漁獲が少なかった年であっても、残された母貝から生まれた卵が元となって、それが育つことで翌年以降の漁獲を支えてきたところでございます。  しかしながら、近年、有明海のタイラギは、ナルトビエイによる食害、また、貧酸素によるへい死などによって母貝の数が著しく減少したことで、翌年度以降の漁獲を支え切れなくなり、現在では次世代の資源を繰り返し生み出す、いわゆる再生産サイクルの機能に支障をきたすまでとなっております。  このため、タイラギ資源の回復に向けては、まずは親となる母貝の集団を漁場につくり、そこから生まれてくる卵の数を増やすことが重要になっております。  以上でございます。 149 ◯徳光委員=県では、平成三十年度から国や沿岸三県と協調して、タイラギの人工種苗の生産技術開発に取り組んでいるということを聞いていますが、具体的にはどのように協調して取り組んでいるのかお尋ねをいたします。 150 ◯久野水産課長=国や有明海沿岸三県と協調した取組内容についてお答えいたします。  タイラギの人工種苗の生産技術開発につきましては、アゲマキなどの他の二枚貝と比べて稚貝となる前の幼生の期間が長く、環境変化に弱いなど飼育管理が難しいことから、技術開発は課題が多いとされております。  そのような中、平成二十六年度には国の水産研究センターで一ミリサイズの稚貝を数万個レベルで生産が可能となる基礎的な技術が開発されまして、その後、生産規模を拡大するための技術改良が行われてきたところでございます。佐賀県では、この技術を最大限に活用し、資源回復の取組を推進するため、国から技術提供を受けて、有明海沿岸の三県と連携し、本県では有明水産振興センターが中心となりまして、種苗生産の技術開発を開始したところでございます。  国や有明海沿岸三県との協調した取組としましては、これは国のほうになるんですけれども、国による種苗生産の技術的な研修会が実施され、各県が参加しております。種苗生産に必要な水槽などの設備、これはちょっと特殊な水槽になります。そういったところの現地指導をしてもらっております。  また、各県と国それぞれで種苗生産に必要な親貝や受精卵の提供及び融通をやっております。こういったところが協調した内容となっております。  以上でございます。 151 ◯徳光委員=それでは次に、佐賀県産のタイラギ人工種苗の生産状況について何点かお尋ねしたいんですが、まず、平成三十年度と令和元年度の生産状況についてですが、この人工種苗の生産技術開発に着手してから二年目までとなる平成三十年度と令和元年度には、種苗を放流するサイズまで育成できなかったというふうに聞いていますけれども、その原因はどういうところにあるんでしょうか。 152 ◯久野水産課長=平成三十年度と令和元年度の生産状況についてお答えいたします。  タイラギは、受精卵から幼生に孵化し、約一カ月程度水中を浮遊する期間を経過した後、海底の砂粒や貝殻などの表面に着底し、稚貝となります。開発初年度となります平成三十年度は、浮遊幼生の飼育までにとどまり、着底稚貝までに至らなかったというところでございます。  開発二年目の令和元年度には、一ミリサイズの稚貝を約九千個生産できたものの、その後、へい死しまして、放流サイズの五十ミリまで育成することができませんでした。  過去二年間で、放流可能なサイズである殻長五十ミリまで育成できなかった具体的な理由としましては、栄養不足が原因と推測される浮遊幼生の成長停滞によってへい死したこと。それから、飼育水槽に混入した付着生物が稚貝に多数付着したことによる成長阻害によってへい死したことが大きいというふうになっております。  以上でございます。 153 ◯徳光委員=それでは、令和二年度の生産状況なんですが、技術開発を始めてから三年目となります令和二年度に初めて種苗を放流サイズに育成されることに成功していますが、二年目までの課題に対してどのような工夫とか、あるいはどのような改善を行ったんでしょうか。 154 ◯久野水産課長=令和二年度の生産対策についてお答えいたします。  二枚貝の種苗生産の技術開発では生物の成長段階に応じて良好な環境をつくり出すことが難しくて、課題と考えられるものについては、一つ一つ改善していく必要があります。  開発三年目となります今年度のタイラギの種苗生産につきましては、先ほども原因を申し上げましたけれども、浮遊幼生の成長停滞については、飼育水に栄養分を添加すること、それから、先ほども申し上げました付着生物が混入しないように飼育水槽等の洗浄を頻繁に行ったことなど、飼育環境の徹底した管理に取り組んだところでございます。これらの取組によって、本県では初めて放流可能なサイズである五十ミリの稚貝約五千個の生産につながったところでございます。  以上でございます。 155 ◯徳光委員=それでは、タイラギの人工種苗の放流状況なんですが、今年度、タイラギの人工種苗の放流状況というのはどのようになっているんでしょうか。 156 ◯久野水産課長=タイラギ人工種苗の放流状況についてお答えいたします。  今年度は、十一月末から二月末までに本県で生産した約五千個のうちの約三千個に加えまして、国や他県の機関で生産され、佐賀県で育てた約一万四千個を含む合計一万七千個体を太良町地先の干潟域二カ所、それから、沖合一カ所に放流しております。  また、県内産の残り二千個につきましては、三月末頃に国や他県産のもの約六千個と合わせまして、同様の場所で放流を実施する予定としておりまして、今年度は合計で約二万五千個を放流する見込みであります。  以上でございます。 157 ◯徳光委員=タイラギの人工種苗の放流後の取組なんですが、放流して本当に大きくなるまで大変な道のりがあると思うんですね。  そんな意味では、放流されたタイラギが卵を産む親へと成長するまでには放流後の経過を観察することが重要と考えますが、県ではどのような追跡調査を行っているのかお尋ねをいたします。 158 ◯久野水産課長=タイラギ人工種苗の放流後の取組についてお答えいたします。  タイラギ稚貝は、殻長五十ミリで放流しまして、卵を産む母貝となるまでには少なくとも約半年が必要であります。  その間にナルトビエイの食害や貧酸素によるへい死が発生することがありますので、放流した稚貝の生育状況をしっかり把握するため、定期的な調査を行っております。  具体的には、干潟域では有明水産振興センターがおおむね月一回、大潮の干潮時に稚貝の生き残りや成長の状況を調査しております。  また、沖合域では水深が最大で約十メートルありますことから、有明海漁協の漁業者に依頼しまして、一カ月に一回、小潮時に潜水調査によりまして稚貝の生き残りや成長の状況を把握しております。  なお、調査時には、放流の際に設置しました食害防止の網や籠に付着した泥やフジツボなどの除去も行っておりまして、良好な生育環境を維持できるように努めているところでございます。  以上でございます。 159 ◯徳光委員=今後、タイラギ資源の回復に向けて、県としてはどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。 160 ◯久野水産課長=今後の取組についてお答えいたします。  タイラギ資源の回復のために、これまで答弁しました種苗の放流による母貝集団の造成に向けた取組をはじめ、二枚貝が生息する海底を耕し、底質を改善する海底耕うんなどの漁場環境の改善、それから、二枚貝を食べて資源の減少を招くナルトビエイなどの駆除といった様々な対策を組み合わせて実施していく必要があると考えております。  今後とも、漁業者や漁協の声をしっかり聞きながら、これらの対策を粘り強く継続していくとともに、関係する市町、あるいは国や有明海沿岸三県とも連携しながら、一日も早いタイラギ漁の再開につながるよう努めてまいります。  以上でございます。 161 ◯徳光委員=有明海特産の二枚貝というのは、本当に佐賀県民にとってみると、何か今は懐かしい味になりつつあると、これはやっぱり悲しいことだと思うんですね。  他県の人にも誇れる本当においしい貝類だというふうに思っています。そんな意味では、タイラギやアゲマキ、あるいはサルボウとか、アサリ等も含めて、しっかり県として毎年漁ができるような状況になるまで取り組んでいっていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。 162 ◯藤木委員=それでは、自民党会派の藤木でございます。  問いの一番目、コロナ禍における技能実習生の受入れについてということであります。  私は縁あって、世界的な農業開発協力団体であるオイスカの一員となっております。その一員となっております理由の一つに、そう遠くない将来、我が国の人口減少がもたらす労働力不足を補うために外国人労働者が加速度的に増加し、そして、本県もまたそういった流れの中で、外国人の皆さんと地域社会や職場を通して普通に暮らしを共にしていく時代が来ると容易に予想できるからであります。  今回の代表質問でも、二〇二五年、介護士が約六百人以上不足するというような答弁もあっておりました。何とか自前で頑張るわけですけれども、足らざるところは、やはり外国人の労働者、介護士さんを入れていかざるを得ないと、それが二〇二五年の話であります。  そういうような状況の中で、来る側からすると大きな夢を抱いて、先進国家の日本に技能実習生という立場の海外の若者たちが本県にやってきてくれて、私たちの社会の一部を担ってくれる。そして、彼らが安心して働いて、実績を上げて、確かな満足とともに帰国され、そこで培った日本や佐賀県というものへの信頼感に基づいて、改めて新しい青年たちが海外から本県にやってきてくれる。そんな好循環を生み出す何かの一助になればとの思いから、私はこのオイスカという団体の一員となっているというわけであります。そういう私の思いがあって、この外国人実習生の問題を取り上げることにしたところであります。  それでは、質問に入ってまいります。  近年は外国人が増加して、日常生活の中でも普通に目にするようになりました。昔と比べて外国人がより身近な存在になっている気がいたしますが、その大部分が技能実習生と呼ばれる外国人労働者であります。本来、技能実習制度というものは、国際協力を目的として、企業が外国人を受け入れるという制度でありますから、法律上、労働力の需給の調整の手段として行ってはならないとされております。しかし、実際には、国内の労働力不足を補うために、企業が外国人を労働者と受け入れているのが実態なんだろうと思います。  そういった時代の流れを受けまして、平成三十一年四月、政府は人材確保が困難な産業分野においては、外国人を技能実習生ということではなくて、純粋に労働者として受け入れる在留資格、特定技能という制度を創設されております。しかし、それから二年が経過いたしておりますが、まだまだ実際的には普及に至っていないようであります。  そうした中、さきに申しましたとおり、技能実習生を受け入れる企業の一部には、技能実習生を安価な労働力としか見ておらず、また、適正な労働環境を整備しない企業もあると伺っております。技能実習生については、労働関係の法令が正しく適用されること、ましてや、受け入れる企業の側もきちんとした労働環境を提供し、安心して働いてもらうということは当然のことであります。政府や自治体、及び企業がこの点をおろそかにすると、母国での信頼を失い、先々実習生としての本県のリクルート機能を著しく低下させることにつながってしまいます。そうならないためにも、県においては昨日お伺いしました佐賀労働局など、関係機関と連携をいたしまして、受入れ企業における適正な労働環境の確保に取り組んでもらいたいと思います。  加えて、コロナ禍における技能実習生の受入れに関しまして、現在は外国との往来が制限され、技能実習生そのものが来日できなくなっており、仮に来日できたとしても、入国時には十四日間ホテル等で待機させるなどといった感染防止対策を施す必要もあって、企業側には相当の負担が生じているところであります。また、そういう声が実際的に聞こえてまいりました。  そうしたことを踏まえて、福岡県や鹿児島県では、企業における感染症防止対策のための宿泊費や、交通費の負担を軽減しようといった補助制度が設けられております。本県もこのような制度の概要についてはしっかりと調査研究をし、必要とあらば、この点も補助の対象先に入れ込むべきではないかと考えております。そして、こういった支援を通して、本県の外国人受入れに関する積極的な姿勢を示すことこそが先々外国人が実習先として本県企業を選ぶことにつながっていくのではないでしょうか。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  一つ、技能実習生等の受入れについてです。  まず、技能実習、特定技能とはどのような制度なのかということであります。その制度の概略を簡潔にお示しください。 163 ◯鷲崎産業人材課長=技能実習、それから、特定技能の制度の概要等についてお答えさせていただきます。  まず、技能実習制度でございます。  技能実習制度は、いわゆる技能実習法に基づきまして、国際協力を推進することを目的として外国人を受け入れ、人材育成をする制度でございます。このため、御指摘もいただいたとおりでございますが、法律においても、「技能実習は労働力の需給の調整の手段、いわゆる『労働力不足を補うための手段』としては行われてはならない」とされているところでございます。  また、技能実習制度の制度運営につきましては、外国人技能実習機構により行われておりまして、同機構が許可した監理団体が技能実習生を海外から受け入れ、それを企業が受け入れまして、技能実習生ごとに作成した技能実習計画によりまして、労働関係法令の下、実習を行うことが基本的な流れとなっております。  それに対しまして特定技能制度でございますが、この制度につきましては、深刻化する労働力不足に対応するため、労働者として即戦力となる外国人を受け入れることを目的として、平成三十一年四月に創設された在留資格でございます。この在留資格につきましては、法務省令で定められる産業分野のみ受入れが可能でございまして、介護や建設、農業など、十四分野が受入れ可能となっております。
     また、外国人が特定技能の在留資格を取得するためには、各業務に対応する技能試験及び日本語試験に合格をするか、または技能実習に三年間従事されまして、いわゆる第二号技能実習を修了していただく必要がございます。  なお、この特定技能につきましては、企業が直接外国人を雇用することができるようになっております。  以上でございます。 164 ◯藤木委員=わかりました。それでは、続きまして技能実習生の受入れの状況についてという項目であります。技能実習や特定技能で在留する外国人は、国内及び県内でどのくらいの人数となっているのかということについてお伺いいたします。 165 ◯鷲崎産業人材課長=技能実習生、それから、特定技能の方の受入れ状況についてお答えさせていただきます。  まず、技能実習生の数でございますが、令和二年十月末現在におきまして、国内では四十万二千三百五十六人となっておりまして、外国人雇用者全体の二三・三%となっております。また、県内におきましては、三千五十九人となっておりまして、佐賀県の外国人雇用者全体に占める割合は五二・五%と、半数以上を占めておりまして、全国と比較しましても技能実習生の占める割合が大きくなっているところです。  また、特定技能の外国人でございますが、令和二年十二月末現在におきまして、国内では一万五千六百六十三人となっておりまして、そのうち、県内は六十四人となっております。特定技能の制度開始から二年がたったところでございますが、国内、県内ともに技能実習生と比べまして特定技能はまだ非常に少ない状況となっているところでございます。  以上でございます。 166 ◯藤木委員=的確に答えられなくて結構ですけれども、この差は何ですかね。特定技能二年たってですよ、こうまで技能実習生に頼って、特定技能は労働力不足の調整手段として大変有効であるということは明らかの割には、ここまで何というか、特定技能制度自体が伸びていかないという根拠が分かれば、概略で結構ですけれども、お答えいただければと思います。 167 ◯鷲崎産業人材課長=特定技能の在留者が伸びない原因につきまして、これはちょっと、特定技能というのはできましてまだ二年間の制度でございます。特定技能になるためには、基本的には試験を受けてそういう資格を取るか、技能実習を終えてそういった在留資格を取るかになりますけれども、まだ二年しかたっていないものですから、試験のところですね、そこがまだ進んでおりません。技能実習を終えて特定技能に移られる方のほうが今は大多数になっておりますので、そういった制度運用がまだ十分に進んでいない、まだ二年間進み切れていないというところがその原因かと思われます。  以上でございます。 168 ◯藤木委員=それでは、三番目の技能実習生受入れ企業の不適切な事案についてです。  技能実習生等の労働環境において不適切な事案がどのくらいあるのかということについてお伺いします。 169 ◯鷲崎産業人材課長=技能実習生受入れ企業の不適切な事案につきましてお答えさせていただきます。  佐賀労働局、労働基準監督署でございますが、技能実習生を雇用する事業所に対する指導監督を行っておりまして、それによって労働条件、安全衛生の確保に取り組まれているところでございます。  そうした中、佐賀労働局が平成三十一年と令和元年に技能実習生を雇用する九十六の事業所で監督指導をされた結果が公表されております。その結果によりますと、七十二件で労働関係法令の違反が認められたとされております。  また、その違反事例の主なものでございますが、使用する機械に講ずべき安全措置が施されていないといった安全基準に関するものが二十六件、就業規則に定める労働時間が守られていなかった等の労働時間に関する事例が十四件、それから、割増し賃金の支払いに関する事例が九件となっております。  なお、この監督指導につきましては、事業所を対象に実施されたものでございますので、日本人労働者に対する違反等も含まれているところでございます。  以上でございます。 170 ◯藤木委員=それでは四番目、技能実習に関する取組についてということでございますが、やっぱり母国を離れて、単身来日、来佐されてというべきか、体を壊すこともあるだろうし、職場内、もしくは地域社会の中で孤立するということもあるだろうし、想像するに、誰に助けを求めていいのかもよく分からない片言の言葉の中で、誰に助けを求めていいのかも分からない状況の中にいるのが、故国を離れる技能実習生の実際的なところなんだと思う。そこを一生懸命彼らは彼らなりに、自分のため、家族のため、母国のためと思って頑張っておられるわけでございますが、そういう困り事もやっぱり発生するわけでありますね。県では、技能実習生が安全、そして安心して働いていけるようにどのような取組を行っているのかお伺いいたします。 171 ◯鷲崎産業人材課長=技能実習生が安全・安心に働けるような取組につきましてお答えさせていただきます。  県におきましては、技能実習生を含む外国人労働者の適正な雇用管理を促すための取組といたしまして、まず制度そのもの、それから、雇用管理の手法及び外国人とのコミュニケーションについてうまく進むように、県内企業の経営者や人事担当者向けにセミナーを開催しているところでございます。  また、そうした労働関係の相談があった場合には、佐賀労働局などと情報を共有しまして、連携して解決を図るように取り組んでいるところでございます。  また、国際部門の取組でございますが、外国人に関する総合相談窓口が「さが多文化共生センター」として、公益財団法人佐賀県国際交流協会に設けられておりまして、これも技能実習生を含む外国人からの様々な相談に関係機関とも連携して対応されているところでございます。  また、このセンターにつきましては、各市町で住民登録をされますが、外国人が住民登録に来られた際に国際部局のほうから各市町にお願いをされて、お知らせをしていただきたいと周知をされておるところでございます。そういたしまして、このようなチラシとか、(資料を示す)このようなカードなんかを各市町に備え付けられまして、(現物を示す)ここには何かあったときにすぐこの電話番号にかけてください。このメールアドレスにメールしてくださいといったものも併せて周知されているところでございます。  また、県内企業におきましては、適切な雇用環境を提供されるところもございます、というか、そこがもともと多いと思います。技能実習生に対して、しっかり技能習得をさせている企業も当然ございます。先般でございますが、日本人向けの技能検定を受検された技能実習生がおられまして、優秀な成績を収められたことから、こうした日本で頑張っている技能実習生の励みになるようにと、知事特別賞として表彰させていただいた、そういったこともございます。  このように、関係部局、関係機関と連携の上、技能実習生の適切な雇用管理の確保と技能実習生が励みを持って実習に取り組んでいただけるような取組を行っているところでございます。  以上でございます。 172 ◯藤木委員=大変頼もしい答弁に、成り代わることはできませんけれども、本当にうれしく、ありがたく思いますね。彼らは本当、遠く故国を離れて、一人ここで働いているわけで、いろんな問題を内に抱えながらの生活なんだというふうに想像するときに、やっぱり何かあったときにはしっかりと面倒も見てもらいたいし、そしてそのはつらつと元気に職場の中で心の病、体の病等にならないように、何かあったときにはしっかりとお世話をしてやっていただきたいと思います。これは私からの要望であります。  続きまして、コロナ禍における入国時の対策についてということであります。  コロナ禍における入国時の対策として、技能実習生を受け入れる企業側は、どのような対策を講じる必要があるのかお伺いします。 173 ◯鷲崎産業人材課長=コロナ禍における入国時の対策につきましてお答えいたします。  技能実習生を受け入れる監理団体や企業は、実習生が入国する際には、感染防止のための水際対策として、入国してから十四日間は社員寮や宿泊施設等の個室で健康管理を行いながら、待機をさせる必要がございます。  また、この十四日間の間は、移動において公共交通機関を利用することができないということになっております。このため、例えば、成田空港を利用して入国する場合には、空港の周辺の宿泊施設で待機させる場合には十四日間、成田空港で宿泊、それから県内の社員寮で待機させる場合には、成田空港から県内に移動させるためのバスなりレンタカーの手配、それからその経費を負担する必要がございます。  以上でございます。 174 ◯藤木委員=コロナ禍の対策の一つということで、そのような負担が私たちが思いもよらないところで負担をしている企業等も現実にあるということでございます。  二番目に、企業へのその支援ということについてです。  福岡県、鹿児島県では、入国時の対策、入国時のそういった対策ですね。福岡空港から佐賀駅まで、福岡空港、国際便から県内各地にということであればまだよかったんだろうけれども、今はなかなか福岡というわけにもいかないから、成田空港を使われる方が多分に多くあるんだろうと思いますね。  県内の社員寮で十四日間過ごすためには連れてこんといかぬですね。そういうような御苦労等を考えて、本当にこれもコロナの災いの一つなんだなというふうに私ども理解します。  福岡県や鹿児島県では、入国時の対策のための企業負担の軽減をするために補助制度を創設されているということをお伺いいたしました。本県でもそういった支援について考えていく必要性があると思うけれども、その点について御所見をお伺いします。 175 ◯鷲崎産業人材課長=コロナの対策を行う企業への支援につきましてお答えいたします。  現時点におきましては、県内企業から当課、それから国際課、あと技能実習に関わる関係課への具体的な相談というのはまだ把握しておりません。ただ、こうした状況もございまして、まずは県内の企業、それから監理団体にどのような状況か聞き取りをさせていただければと思っております。  また、福岡県や鹿児島県、先行して実施されている県に目的や制度内容、それから課題、成果等につきましても情報収集をさせていただきまして、必要な取組について検討、研究させていただければと思っております。  以上でございます。 176 ◯藤木委員=じゃ、その点についてもまたひとつよろしくお願いいたしますね。  それでは、問いの二、流域治水対策についてお伺いいたします。  代表質問でも述べました。一昨年の集中豪雨などに見られるとおり、近年の激甚化した豪雨に対応するためには、既存のダムやクリーク等の貯留効果のある施設を治水対策として生かす流域治水の考え方を取り入れること、そして小規模なクリークから河川、海岸までの洪水抑止のための機能を持つありとあらゆる施設がさらに連携を深化させて、対策の空白地帯が散見されないようにすることが何より重要だと述べさせていただいております。  現に、圃場整備等により整備された佐賀平野のクリークにつきましては、そのクリークが持つ防災機能に着目して、平成十一年度から県営クリーク防災機能保全対策事業、そして平成二十四年度から国営総合農地防災事業によりクリークの整備に着手されたところであります。  整備以前は、水路のり面が崩れて、泥土がたまって、アシなどの雑草が茂るなど、見た目もそうですし、またその維持管理する農家の方々も本当に苦労されておりました。しかし、整備後は、整備された後ののり面に小段なんかも設けてくれて、維持管理しやすい工夫とかもあって、草刈り等の農家の負担が大いに軽減されて、何よりクリークの持つ機能が回復、維持されることで、明らかに湛水被害が軽減されています。これに関する県民の多くが非常に感謝されているところであります。  私ども小城市も受益者市町としてここで深く感謝を申し上げたいと思っております。  しかしながら、佐賀平野のクリークには、現在、国や県が整備を実施しているクリーク以外にも、平野部に相当数点在する集落内のクリークや今回の県営クリ防の施工要件を満たさなかった小排水路などが同じように荒れ果てたまま、土水路のまま多く残っているのが現状であります。  これら水路はのり面の草刈りや水草上げ、堆積土のしゅんせつなど管理が行き届いていない状況にあり、その対策として、今、政府が実施してくださっておりますが、多面的機能支払交付金などの集落に対するわずかな資金では到底これに追いつくことはできません。やはりここは流域治水を進める観点からも、政府の理解を取りつけて、市町と一体となって、佐賀県が佐賀平野の、白石平野も同じです、この両平野の洪水抑止対策をどうするという大きな視野で改めてクリーク網の整備に取り組む必要があると考えています。  今後、さらに激甚化、頻発化が予想される豪雨に対し、県は災害から県民の暮らしを守るためにクリークの整備など流域治水対策にどのように取り組んでいくのかという点についてお伺いしてまいります。  一つ、クリーク整備の進捗状況についてであります。  現在、実施している国営事業と県営事業の進捗状況についてお伺いします。 177 ◯島内農山漁村課長=クリークの整備状況についてお答えいたします。  令和二年末における国営総合農地防災事業の進捗は、計画の総延長約百七十三キロメートルに対し約百四キロメートルの整備を終え、その進捗は約六〇%となる見込みでございます。  また、同じく県営クリーク防災機能保全対策事業の進捗は、平成二十四年度以降で現在実施している十四地区の計画総延長約五百六十二キロメートルに対し約三百九十八キロメートルの整備を終え、約七一%の進捗となる見込みでございます。  以上、お答えします。 178 ◯藤木委員=それでは、予算のつき具合もあるだろうし、概算で結構ですけれども、当面の計画としては大体あと何年ぐらいかかって終了するということになりそうでしょうか。 179 ◯島内農山漁村課長=当面の計画についてお答えをいたします。  県営クリーク防災事業につきましては、平成二十四年度以降、十年間を目標に木柵工による整備に着手し、今年度、一地区完了するほか、事業量の少ない地区から順次完了する予定でございます。  現在実施中の地区については、現段階では令和五年度もしくは六年度あたりが完了の見込みというふうに考えてございます。(210頁で訂正) 180 ◯藤木委員=国営総合農地防災事業は言ったっけ。 181 ◯島内農山漁村課長=国営総合農地防災事業の完了見込みでございますが、今のところ令和五年度の完了見込みと九州農政局のほうから承っております。  以上でございます。 182 ◯藤木委員=もう令和三年ですから、令和二年度ですけれども、令和五年度ということになれば、あと二、三年でとりあえず残りの三〇%、四〇%を終えるということになって、それでは次の後対策という話にもなってまいります。  令和五年に両事業が完了できるように、精いっぱい、皆さんの期待に応えて頑張っていただくことを心から要望いたしておきます。  そこで、二番なんですが、後対策も踏まえた上でということなんですけれども、流域治水を踏まえた今後のクリーク整備についてお伺いします。  現在のクリーク防災機能保全対策事業もあと数年で終了します、先ほどの答弁のあったとおり。  そこで、これからの事業の後継事業を考えていく時期に差しかかっているのは間違いありません。クリ防二回戦をただ単純に現行制度のまま焼き直しで実施するには、あまりにも工夫がないと私は考えます。  今後、県は流域治水の理念を踏まえた上で、クリークの整備にどのように取り組んでいくおつもりなのかお伺いします。 183 ◯島内農山漁村課長=流域治水を踏まえた今後のクリーク整備について答弁させていただく前に、先ほどの答弁で一点修正をお願いいたします。  県営クリーク防災事業につきましては、現在十四地区行っておりまして、十三地区が令和五年から六年までに完了する見込み、今年度着手いたしました佐賀市の嘉瀬地区については今のところ令和十一年度の完了見込みでございます。一点訂正をお願いします。  そしたら、改めまして流域治水を踏まえた今後のクリーク整備についてお答えいたします。  クリークにつきましては、農業用水確保のほか、地域の排水機能を有し、また大雨時には田面下一メートルの貯留ポケットに洪水を一時的に貯留することにより、湛水被害を軽減するなど、有明海の干満の影響を受ける低平地である佐賀平野において高い治水効果を発揮してございます。  そういった治水効果をさらに高めるため、現在実施しております国営総合農地防災事業や県営クリーク防災機能保全対策事業を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。  県といたしましては、流域治水を進めていく中で、クリークの農業用水を大雨時に事前に放流することで平時より大きな貯留ポケットを確保する取組も有効と考えております。  このため、来年度、国の地域排水機能強化計画策定事業を活用し、佐賀平野のクリークや水田等を対象にした大雨時の湛水深、浸水の深さ、あるいは湛水面積、湛水時間などの湛水状況のシミュレーションや事前放流による効果の検証等を行うこととしております。  この検証結果等を踏まえ、委員から御指摘のあったクリ防二回戦、私どもクリーク防災対策の次期対策という呼び方をしておりますが、このクリーク防災事業の次期対策を視野に入れながら、河川管理者、市町、土地改良区などと連携し、流域治水により効果的な対策の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 184 ◯藤木委員=その二回戦は流域治水全体、もう全ての洪水抑止施設の連携強化こそがクリーク防災事業の本丸だと私は思っています。本当に大豆畑の世界だって、ちょっとの差なんですよね。そのちょっとの水位が守れなかったおかげで大豆が全滅と、本当に大雨のときには間隙を縫って大豆をまいておりますので、もう芽が出た瞬間に長雨に打たれて種が熱で煮えるんですね。そうすると、発芽できなくて結局は全滅と。またまこうと思っても、田んぼ、圃場が乾くまでの間に二週間も要するようなことになったら、もう時期が遅れて、適期にまけないということになると、結局は収量はほとんど見込めないんですね。だから、そのちょっとした大豆畑が浸からないように、また、よく集落の中でもあそこの家のあの小屋のところがいつも浸かるもんねとか、あそこの農道じゃなかばってん、お寺さんのところに行くあそこの里道のところが絶対浸かるもんねというのは、本当ちょっとした境やけんが、その水量をどこかで貯水してくれれば、何とか大雨は大雨なんだけれども、いろんなところでそのちょっとした差でいろんなことで安全が守れたり、暮らしが守れたりという世界なので、クリーク防災事業が終了したあと数年後の世界、だから、あとしばらくすれば次期対策どうするということについて、この当委員会でも議論になるだろうし、本会議場でも議論になるだろうし、そのときは水害の抑止効果という観点に立って、クリークや農業土木が果たせる役割とは何なのかということを河川当局とも一緒にしっかり議論していただきたいというふうに思っています。  三番目は、未整備のクリーク等の対策についてということです。  現行では集落周辺の未整備のクリークや圃場整備事業等により施工された土水路のままの小排水路の対策については、県はどのように考えているのかお伺いします。 185 ◯島内農山漁村課長=未整備のクリーク対策についてお答えします。  集落内のクリークにつきましては、古くから集落の慣行として生活雑排水や防火用水など人々の生活と密接に関係しており、集落において草刈りや泥土上げなどの維持管理が行われてきました。  また、圃場整備事業等により施工された小排水路は、農地からの排水や支線や幹線の排水路へ流すための小規模な水路であり、小排水路に面する農地の耕作者の方々により草刈りや泥土上げなどの維持管理が行われてきました。  しかし、社会情勢の変化に伴う農村集落の混住化や農家人口の減少等により、クリークや集落内水路、小排水路などの維持管理につきましては、非農家を含む地域住民に加重感が生じていることも承知しており、県といたしましては、委員からお話もありましたが、多面的機能支払交付金により集落の共同活動や建設業者への委託などによる水路の維持管理を支援しているところでございます。  一方、未整備の集落内クリークや圃場の小排水路の対策については、まずは市町が現状を踏まえ、どのように整備をしていくのか、今後の構想を策定されることが重要だと考えております。  県といたしましては、市町がクリークの整備構想を策定されるに当たり、河川等への適切な排水系統となっているか、整備されたクリークと一体的な貯留機能を有するかなど、流域治水の考え方を踏まえたものになるよう指導してまいります。  以上、お答えします。 186 ◯藤木委員=現行制度の中ではそれが一つのルールとしてやってきたわけですから、それはそれとして納得をいたしております。  今、この現行においても、住民の限界を超えて、今すぐでも対応したいという市町や集落等があって、要請があればしっかり有利な補助制度をよく考えてやって進めていただいて、今現行でもできるということであれば、しっかりとこれは進めて、協力してやっていただきたいと思います。  それでは、最後になりますが、既存施設を活用した流域治水対策についてということであります。  昨日、委員会で農業大学校に行って、大変よい勉強になりました。生徒たちの話もすごくよかったし、将来にわたる佐賀県農業の担い手として、それにふさわしい非常に元気はつらつと夢を描く若者たちと出会えてよかった。それを踏まえて、永渕校長先生の話も本当にいい話だったと思います。ただ、永渕校長先生の話で一つ気になるのが、米、麦、大豆が佐賀県農業の基盤的な農業であるということでありました。しかし、本来であれば、基盤的な農業の米、麦、大豆のバランスは、やっぱり米は七割なんですね。例えば今はコロナ禍における食料の在庫量の多さから四割を超えて五割というような話になってくると。うちが作っている「ふくゆたか」なんていう品種は、やっぱり三年に一遍しか本来つくれないですね。だから、そうなってきても、やっぱり四割、五割と減反せにゃならんことになったときに、先ほど言った同じことが、大雨が降れば、長雨の間隙を縫って播種するわけですね。結果的にそういうようなことで大雨が来たときに冠水して、大豆畑が同じような海抜の中にあって冠水してしまえば、それで一発で終わりです。あとは共済金に頼るしかないと、こういうような状況になってくるという意味からすると、やっぱり流域治水対策ということは非常に重要な佐賀県農業の土地利用型農業を守るという意味においてもすごく大切なことだと思っています。  その中で、先ほどから課長と議論いたしておりましたが、流域治水による湛水被害軽減を図るためには、洪水抑止対策等のハード整備はもちろんですが、ダムやクリークの事前放流、水田を活用した田んぼダムなどの既存施設の活用など、ソフト対策もまた即効性のある極めて有効な事業なんだろうというふうに私は思います。  県は、流域治水対策全体を佐賀平野、白石平野ひっくるめて、この流域治水対策全体を今後どのように進めていくのか、農林水産部長にお伺いしたいと思います。 187 ◯池田農林水産部長=既存施設を活用した流域治水対策についてお答えいたします。  近年、気象変動に伴い豪雨災害が激甚化、頻発化しておりまして、本県におきましても、昨年は七月豪雨、一昨年は佐賀豪雨が発生いたしまして、甚大な農業被害を受けたところでございます。  このような中、流域全体で湛水被害を軽減させるために、六角川や嘉瀬川などの一級河川におきましては、流域治水協議会が立ち上がっておりまして、県からは農林水産部の関係課が参画をしております。関係者での協議を行っているところでございます。
     流域治水対策といたしましては、農業用ダムとかクリーク、あるいはため池などの既存の農業用施設の有効活用と併せまして、新たに田んぼダム、田んぼの排水口を板で塞ぎまして、より多くの雨水を水田にためておくと、そういった田んぼダムでございますが、先ほど委員からお話がありましたように、大豆作との兼ね合いもあるわけでございますが、できるところから順次取組を進めていきたいというふうに考えております。  特に佐賀平野とか白石平野のクリークにつきましては、一時的に雨水を貯留できます容量を合計いたしますと、約一千七百八十万トンとなりまして、これは北山ダムの貯水容量の約八割に相当いたします。まさに大規模なダム一つ分の洪水調整機能を有しているところでございます。  このようなことから、県といたしましては、河川管理者や市町、土地改良区などと連携いたしまして、先ほど申し上げましたクリークをはじめ、ため池や水田など農業用施設が有する機能を最大限に活用して、流域治水を推進し、県民の安全・安心の向上につながりますように、ハード、ソフト両面で湛水被害の軽減にしっかりと取り組んでまいります。  以上お答えいたします。 188 ◯藤木委員=本当に前向きな答弁ありがとうございました。  昨日の校長先生の話ではないですが、土地利用型農業が本当に佐賀県農業の基盤的農業であると私も確信いたしております。必要量に応じては大豆の面積が増えていくのも致し方ありません。さっきの田んぼダムがそうであるように、大豆畑のところは水口の板は低く、ほかのところは水生生物であるということで一日、二日浸かったって何とかなるということから、あれは深くで、農業という意味において言うと、大豆畑を守るためにみんなで深水管理を一日、二日やりましょうよという姿勢なんであります。  いずれにしても、先ほど答弁いただいたように、非常に即効性のある、ちょっとした善意で多くの人たちが救済される、本当に有効な事業だと、対策だと僕は思いますので、流域治水の考え方に従って、できるだけ早くみんなで協力して、洪水被害から世の中が守られるように、頑張っていけるように御指導賜りますようにお願い申し上げて、とりあえずこの点で。 189 ◯古賀陽三委員長=暫時休憩に入りたいと思います。十分程度休憩できればというふうに思いますので、十五時半をめどに委員会を再開したいと思います。よろしくお願いします。     午後三時十九分 休憩     午後三時三十分 開議 190 ◯古賀陽三委員長=それでは、委員会を再開します。  休憩前に引き続き質疑を行います。 191 ◯藤木委員=それでは、問いの三番目でございます。「さが園芸888運動」における果樹の振興についてお伺いいたします。  この質問を始める前に、委員会の開会冒頭、桃崎議長の冥福を祈り、私たちは黙祷をささげました。先生を失ったことは、この888運動を推進する上でもあまりにも大きな損失だったと思います。一言で言えば、果樹行政の議会側の最大の理解者、推進役を失った気がいたします。  先生は、十数年にわたって全国みかん生産県議会議員対策協議会の会員として、途中で会長にも就任されております。また、本県議会が構成する農業議連の副会長としても、本県や地元の生産農家と、政府及び自民党幹部の皆さんたちとの大きなパイプ役となって、本当に頑張ってこられました。  ついこの頃も「にじゅうまる」の成功を誰よりも願っておられましたし、議長退任後は一議員となって、自分が先頭に立って園芸振興の大きな旗を振っていくんだと強い決意を示されておったのは本当にこの頃の話であります。  この888運動の成功については、私自身も百姓の仲間として、議会の同志として、微力ながら先生の遺志を継いで、全力でこれを支えます。そして、力になりたいと思っています。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  「さが園芸888運動」についてであります。  この運動では、令和十年までに園芸産出額を八百八十八億円とする極めて高い目標を掲げられ、生産者をはじめ、関係機関・団体と一体となって意欲的な取組が進められております。  一つ目、八百八十八億円の根拠についてであります。  そもそもこの運動の目標をなぜ八百八十八億円と定めたのかということについてお伺いいたします。 192 ◯南園芸課長=この運動の目標である八百八十八億円の根拠についてお答えいたします。  この運動の目標額の設定に当たりましては、本県の園芸産出額では過去に七百億円を達成した素地がございまして、それを超えたいと考えたことがまず一点でございます。  その次に、本県と同等程度の耕地面積でございまして、園芸振興により農業産出額を伸ばしている長崎県では、直近五カ年の園芸産出額で約八百五十億円を達成されていること。  その次に、生産農家や関係機関にインパクトを与え、目標達成に向け、果敢にチャレンジするという思いを共有していただきたいこと。  こういったものを総合的に判断して、八百八十八億円と設定させていただいたところでございます。  以上でございます。 193 ◯藤木委員=分かりました。  それでは二番目、園芸産出額の現状についてであります。  計画当初、平成二十九年には六百二十九億円であった園芸農業の産出額でしたが、888運動を踏まえて現在の園芸産出額がどうなっているのか、目標達成までにどのくらい増加させる必要があるのか、改めてお伺いします。 194 ◯南園芸課長=それでは、園芸産出額の現状についてお答えいたします。  この運動では、委員御指摘のとおり、平成二十九年に六百二十九億円であった園芸産出額を令和十年度までに八百八十八億円とする目標を掲げております。  しかしながら、直近の平成三十年の園芸産出額は、主力品目であるタマネギの腐敗病の発生などによりまして、単価が下落したことなどから五百八十五億円に減少いたしまして、目標には三百三億円不足している状況となってございます。  以上です。 195 ◯藤木委員=やっぱり順調に努力すれば報われるというような仕事でもないですもんね。生き物ですから病気にもなります。  自然を相手に結果を残していく産業ですから、天候との兼ね合いもある。結果的に災害に見舞われれば、先ほど言ったように一挙にその地域がパアになるということは往々にしてある。  そういう状況の中で八百八十八億円というのは、本当に途方もなく大きな目標を私たちは掲げています。  この極めて高い運動目標を達成するための根拠となることですが、今後、この目標を達成するためにどう取り組んでいくのかお伺いいたします。 196 ◯南園芸課長=目標達成に向けた今後の取組についてお答えいたします。  「さが園芸888運動」で掲げる目標を達成するためには、各地域において、これまでの取組の延長にとどまらず、さらに一歩踏み込んだ園芸生産の拡大に向けた積極的な取組が必要と認識しているところでございます。  このため県では、JA等と一体となりまして、まず、露地野菜の圃場集荷などの仕組みづくりによる大規模農家の育成、それから、多様な担い手を確保するためのリース方式の大規模園芸団地の整備、それから、市場性の高い冬どりタマネギ、あるいはブロッコリーなどの新たな露地園芸産地の育成などの産地拡大の方策を地域に提案し、今、検討を促しているところでございます。  このうち、大規模園芸団地の整備につきましては、農地の中間保有機能を有する佐賀県農業公社が施設の整備や運営支援を行う体制を整備することといたしておりまして、今議会において必要な予算をお願いしているところでございます。  さらに、市町やJAに対しまして園芸生産の拡大を図る上で重要となる農地集積に向けた働きかけを強化いたしまして、経営規模が十ヘクタール以上の露地野菜の超大規模農家の育成や、水田におけるミカンの大規模根域制限栽培団地の整備推進など、これまでにないような新たな取組に果敢にチャレンジしてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 197 ◯藤木委員=事の成功について、議会側としても可能な限り応援できることはしっかり応援していきたいと、改めてここで誓わせていただきたいと思っています。  本当に佐賀県にはすばらしい園芸作物がいっぱいあります。そして、すばらしい果樹もいっぱいあります。  そうやってたくさんある中で、その中でも特にミカン生産についてお伺いしたいと思います。  当然のことながら、ミカンの売上数量を上げていくためには、高単価で販売される高品質なミカンを多く生産していくことが何より重要です。  そのためには、効果的な栽培技術の移植普及が大切なことであります。  一つ、根域制限栽培についてであります。  高品質なミカンづくりが可能となる栽培方法の一つとして、佐賀県が開発した根域制限栽培というものがありますが、この栽培方法についてお伺いします。根域制限栽培とは具体的にどういうものなのか、なぜその技術が高品質なミカンづくりに必要なものなのか、改めてお伺いします。 198 ◯南園芸課長=それでは、根域制限栽培についてお答えいたします。  根域制限栽培とは、水平に整地した農地に根が深く張らないように防根シートを敷きまして、その上に盛土を行い、ミカンの木を植えることで根の分布域を制限するとともに、雨が土壌中に浸入しないよう土の表面のマルチ資材で被覆して栽培する方法でございます。  この栽培方法では、ミカンの品質に大きく影響する土壌水分量を自由に調整することができまして、気象条件に左右されにくく、糖度が高いミカンを生産することが可能となっているところでございます。  さらには、作業性につきましても、園地の傾斜が緩やかで作業道も確保されていることから、乗用防除機、あるいは収穫用のトラックの乗り入れが可能、それから、根の分布域の制限によりミカンの木がコンパクトに生育することから栽培管理や収穫作業がしやすいなど、大幅に労力を軽減することが可能となってございます。  このように、根域制限栽培は高品質なミカンづくりだけでなく、大幅な省力化を可能とし、農家の所得向上に極めて有効な技術と考えているところでございます。  以上でございます。 199 ◯藤木委員=改めてそこで、高品質なミカンが取れるその方法として根域制限栽培というようなことでございましたが、その結果において、それがほかのミカンの栽培と比べてどれだけ取れるのか、その点について改めてお伺いします。 200 ◯南園芸課長=過去五年間の実績を見てみますと、通常、一般の露地栽培であれば、大体二〇%前後──すみません。高糖度の「さが美人」というブランドミカンがございますけれども、この発生割合が通常の露地栽培では二〇%前後ということに対しまして、この根域制限栽培を活用した圃場では六〇%から七〇%ということで高まることが確認されてございます。  以上でございます。 201 ◯藤木委員=分かりました。  それでは、根域制限栽培はやっぱりすばらしい栽培方法だというふうに言えると思います。  現在の県内の普及状況はどのようになっているのかお伺いします。 202 ◯南園芸課長=根域制限栽培の現在の普及状況についてお答えいたします。  根域制限栽培は、平成十三年度に鹿島市において県内で初めて整備され、その後、県内各地のミカン産地で導入が図られておりまして、令和元年度の普及面積は合計約十一ヘクタールとなっているところでございます。  以上でございます。 203 ◯藤木委員=十一ヘクタールという答弁ではよく分からない。大体根域制限栽培に向く圃場がこれだけあって、その中で十一ヘクタール、つまり、本来適性樹種の中でこの十一ヘクタールの割合とはどれぐらいなものなのかということについてお伺いします。 204 ◯南園芸課長=実際ミカン栽培に適したと言われている中山間地域におきましては、この根域制限栽培が導入可能と言われているなだらかに傾斜している農地はかなり少ないものだということで考えておりますが、具体的に何ヘクタール導入可能で今十一ヘクタール広がっているかということについては、そこまではちょっと分析を進めてございません。  以上でございます。 205 ◯藤木委員=不規則なことを言うようだけれども、それはいかんですね。  根域制限栽培を普及していこうというふうに言うのであれば、一番最初にお話ししたとおりに、888運動を推進するに当たって、これを目標達成するための根拠となる計画があるはずで、そのため果樹において生産額をこれだけ伸ばす、根域制限栽培もその重要な手段の一つだといった場合に、例えば、実際的には四十ヘクタール適地があるにもかかわらず、これがまだ十一ヘクタールしかないので、これを何カ年で四十ヘクタールにするとかしないとかというような計画と、その進捗状況を確認するのが私たち議会の役割なんです。888と言っているんだから、いつかは666になって、777になって、888になっていくわけだから、そのときにその進捗状況に対して我々は適否を言うわけですから、頑張ってください、おかしいじゃないですかと。  それがそもそもとして、根域制限栽培を技術移植の重要な手段だという話なのにもかかわらず、実際的に今、適地が幾らで十一ヘクタールが多いのか少ないのかも分からないという状況では、園芸課として、言ってはなんだけれども、大きな大きな目標に対してちょっと正直言って責任感に欠けるような答弁だというふうに思います。  でも、実際的に今計画というか、その分析がなされていないということであれば、本議会終了後、直ちに根域制限栽培が四倍、三倍とも言える「さが美人」を産出することができる技術だということなのであれば、余計に適地が幾らで、我々は何年間の間にどれぐらいこれを普及していくのかという計画をお立てになるべきだと思います。  その点について改めてお伺いします。 206 ◯南園芸課長=すみません。口数が足らなくて申し訳ございませんでした。  この根域制限栽培につきましては、確かに今、現状で導入できる園地面積というものはそんなに多くないということで感じております。  ただ、この間、土井議員の一般質問で御答弁申し上げましたとおり、圃場整備、基盤整備と一体的に行うことで、あそこでは令和四年度から八ヘクタールの根域制限栽培の団地が造成されます。  そういうことで、基盤整備と一体的に行うことで根域制限栽培が導入可能な園地も増えていくということでは感じております。  それでもう一つ、実は基盤整備が必要なくて、もう少し簡単に進められる方法として、今後、山裾の水田を活用して根域制限栽培団地の普及拡大を進めてまいりたいということで考えております。  目標達成のためには、ちょっと試算はいたしておりますが、数百ヘクタール程度は必要になるのかなということで考えているところでございます。  以上でございます。 207 ◯藤木委員=再度確認します。  先ほどの答弁は数百ヘクタールというふうに言われましたか。 208 ◯南園芸課長=すみません。百ヘクタールから二百ヘクタール程度は水田に広げていく必要があるかなということで検討しているところでございます。 209 ◯藤木委員=888運動の提唱は、平成二十九年から、果樹の振興という観点に立てば営々とやってきたわけでありますね。そういう意味からすると、その技術のすばらしさ、「さが美人」率が二〇%から七〇%、六〇%というような結果を出し続けてきたということから考えると、これは普及しないといかんと本来思うべきだし、思ったんだろうと思う。  ところが、実際は十一ヘクタールにとどまっている。これを増やしていかなければいかん。しかし、普及できなかったというか、思いのほか、ミカン生産農家の皆さんたちがこの事業に食いついてこない、その理由は何だったんでしょうか。 210 ◯南園芸課長=根域制限栽培の普及上の課題についてお答えいたします。  根域制限栽培につきましては、近年、その普及が伸び悩んでおりまして、その理由としては大きく二つの課題があると認識しているところでございます。  一つ目は、最近、資材費や労務費が高騰いたしまして、整備費が増大しており、県独自の事業によりその導入を支援してはおりますものの、生産農家の費用負担が増加していることが一点目でございます。  また、二つ目といたしまして、根域制限栽培を導入するためにはある程度平たんな農地が必要だと。先ほど申し上げましたとおりでございますが、ミカン栽培の適地とされる中山間地域ではそもそも条件に適した農地が少なく、農地の確保が課題となっていると、この二点があるということで認識しているところでございます。  以上でございます。 211 ◯藤木委員=それでは、次に進みますが、そういった課題を踏まえて、888運動の計画の中に既存の果樹産出額が今こうだけれども、将来はこれだけの金額に伸ばしていこうというような考え方に立って、この種の技術の普及、移植ということを考えていくわけですから、そういうことであれば、先ほど答弁された課題を克服しなければ普及できないということになります。  そこで、これらの課題を踏まえて、今後どのようにこの技術の普及促進を図っていくおつもりなのか、改めてお伺いします。 212 ◯南園芸課長=それでは、根域制限栽培の今後の普及についてお答えいたします。  先ほど答弁いたしました課題を踏まえ、より一層の普及を図っていくためには、農地の基盤整備と併せて根域制限栽培を導入していくことが有効と考えているところでございます。  具体的には、国の補助事業に県と市町が上乗せ補助する「佐賀県基盤整備促進事業(さが園芸888推進型)」を活用いたしまして、基盤整備と施設整備を一体的に行うことで受益者負担の軽減や、根域制限栽培の導入に適した農地の確保が可能になると考えているところでございます。  さらに、こうした取組を水田で活用して実施することによりまして、一層の受益者負担の軽減、あるいは取組の大規模化が図られるということから、先ほども申し上げましたけれども、今後は水田における根域制限栽培団地の整備に力を入れていきたいということで考えているところでございます。  以上でございます。
    213 ◯藤木委員=分かりました。  この点で、例えば、私ども小城市に畑田という地域がありますもんね。そこは果樹試験場周辺の集落ですけれども、七ヘクタールぐらいの土地を耕作している大規模農家と言われている人たちは六十枚とか、七十枚とか、何十枚の田んぼを耕作して七ヘクタールですね。  僕ら地元の国道三十四号沿いで農業を営んでいる農地は、圃場整備後、大体一区画五反、これのあぜを取っ払って整地して、一区画は一ヘクタール、七ヘクタールを確保するには十四枚という話ですね。  ところが、畑田というエリアのところなんかには、何十枚の田んぼを七ヘクタールぐらい耕作している人たちがおられます。  そういうような状況の中では、本当に耕作に対する何というのかな、せまちが悪いというか、角ばかり、ぐるいばかりという話になってしまいますので、やっぱりああいうところに、水田農業の現場に果樹を振興して、根域制限栽培をどんどん導入していくということは、きっと皆さんにとってもすばらしい成果を上げてくることなんだろうと。  しかし、縁がない。みんな水田で麦を植えて、次、大豆をどうしてと。常に自分のやっている土地利用型農業の今と、次、何をしなければならんということだけに追われているので、全く他産業である果樹を取り入れようということは大きな飛躍です。  その飛躍を突破させるためには、克服するためには、やっぱりちゃんとした普及が、安心してちゃんと大丈夫ですよという普及促進の並々ならぬ努力こそが結果としてやってよかったなということにつながっていくかと思いますから、そういう意味では、水田農業の中に果樹を持ち込む根域制限栽培の移植ということについては、精いっぱいの普及促進に努めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  二つ目、マルチ栽培についてであります。  またもう一つ、土壌水分管理資材を使ったマルチ栽培についても、高品質なミカンづくりには欠かせない栽培であります。  現在の普及状況についてどうなっているのかお伺いいたします。 214 ◯南園芸課長=それでは、ミカンマルチ栽培の現在の普及状況についてお答えいたします。  マルチ栽培は、JAの調査によりますと、令和元年産の普及面積が三百六十四ヘクタールでございまして、全体の栽培面積に占める割合は現在三四・三%となっているところでございます。  なお、マルチ栽培は、傾斜があり、排水がよい園地では導入の必要性が低い、それから、園地内に段差があり、圃場全面にマルチを敷きにくいなど導入に向かない園地もございまして、現在、マルチ栽培の導入が可能な園地にはおおむね普及しているということで認識しているところでございます。  以上でございます。 215 ◯藤木委員=先ほどと同じことを問います。  普及上の課題がどうなっているのかお伺いします。 216 ◯南園芸課長=それでは、マルチ栽培の普及上の課題についてお答えいたします。  マルチ栽培は、先ほど答弁した根域制限栽培と同様、マルチ資材を圃場に敷くことで雨の浸入を防ぎまして、土壌中の水分を調節する技術でございます。  しかしながら、現地の状況を見てみますと、園地内の雨水を速やかに園地外に排出するための溝などの整備がなされていない、あるいは施肥管理の不足により水分調整のストレスに耐えられる樹勢、これは木の体力ですけれども、これが維持されていないなど、被覆の効果を発揮するための条件が整っていない園地が見られるところでございます。  また、木の周りのみの被覆にとどまり、園地への雨水の浸入を完全に防ぐことができていない、あるいは梅雨入り前の被覆が必要である極わせミカンにおいて、被覆が梅雨明け後となっているなど、被覆の方法そのものが効果的となっていない園地も多く見られるなどの課題があるところでございます。  以上でございます。 217 ◯藤木委員=それは、普及所を通じて技術的な指導をすれば簡単に解決する種類の話だから、徹底的にきちんと情報を現場に伝えていく作業ということで、そう難しい話でもなさそうですね。  しかし、先ほどと同じように問いましたが、これらの先ほどの課題を踏まえて、今後どのように普及を図っていくのか改めてお伺いします。 218 ◯南園芸課長=それでは、マルチ栽培の今後の普及についてお答えいたします。  この技術の普及に当たりましては、マルチの効果が十分に発揮されますよう、園地の条件を整えることや、効果的な被覆方法を推進していく必要がございます。  このため県では、マルチの導入と併せまして、その効果的な被覆のやり方や時期、それから、基準に基づく施肥や排水対策などを適切に行う取組に対して支援を行うソフト事業を令和三年度から実施することといたしておりまして、今議会において必要な予算をお願いしているところでございます。  こうした事業を推進しながら、根域制限栽培やマルチ栽培の普及を図り、高品質ミカンの生産拡大に努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 219 ◯藤木委員=よく分かりました。しかし、一つ感想を言わせてもらえば、平成二十九年から888運動は始まっているわけです。梅雨前にマルチをせんとマルチの効果は上がりませんよという基本的なことが、梅雨後にマルチを敷かれているから結果が出ないという非常にこう、言ってはなんだけど、どうしていたんだと、平成二十九年から令和二年度の今に至るまでのこの三年間、888運動が既に始まっていたにもかかわらず、その程度の指導が徹底できなかったこと自体が問題だと私は思いますよ。  だから、さはさりながらも、過去を振り返っても致し方ないので、今ある既存施設を最大に利用できるように、しっかりとマルチ栽培の効果が上がるような技術指導の徹底については頑張っていただきたい、成果を上げていただきたいと思います。  それでは、「にじゅうまる」についてお伺いします。  本県のオリジナルかんきつ新品種、佐賀果試三十五号については、ブランド名「にじゅうまる」と命名され、先週五日に初売りが行われました。  この「にじゅうまる」については、私も何回も試食させていただきましたが、非常においしく、果樹では、佐賀県を代表する農産物、また、我が国を代表する果樹に成長することができるんじゃないかと私は正直思っております。そういう意味では、今後の本県の取組に大変期待をいたしておりますし、議会としてもしっかりと注視していく必要があると思っております。  そこで、次の点についてお伺いします。  まず、開発に至るまでの経緯はどのようになっているのかお伺いします。 220 ◯南園芸課長=「にじゅうまる」の開発に至るまでの経緯についてお答えいたします。  「にじゅうまる」の育種につきましては、品質の高い本県オリジナルのかんきつの開発を目指しまして、糖度が高い、酸の減少が早いなどを育種目標に掲げ、平成八年度から開始したところでございます。  様々な品種の組合せのうち、酸切れがよく食味が良好な「西之香」という品種、それと、糖度が高く皮がむきやすい「太田ポンカン」という品種との交配を行ったものの中から選抜を繰り返し、平成十七年度に果実品質や生産性に優れていたこの品種を候補として絞り込んだところでございます。  その後、品種特性等の継続調査等においても有望と認められたことから、平成二十七年八月に佐賀果試三十五号として品種登録出願を行いまして、平成二十九年八月二十一日に品種登録が行われたところでございます。  このように、「にじゅうまる」は育種を開始してから約二十年をかけて開発した品種でございます。  以上でございます。 221 ◯藤木委員=分かりました。それでは、「にじゅうまる」は具体的にどのような特徴を有しているのか、改めてお伺いします。 222 ◯南園芸課長=「にじゅうまる」の品種の特徴についてお答えいたします。  「にじゅうまる」は、無加温ハウス栽培で一月上中旬頃に収穫できまして、同時期に収穫される「不知火」、いわゆるデコポンですけれども、それと比較いたしますと、果実糖度は同等以上、それから、大玉生産が可能で酸切れが早い、それから、果実品質のばらつきが少なく、果肉のつぶつぶした食感がよいなどといった優れた特徴を持っております。加えまして、特に貯蔵性が優れていることから、より有利販売ができる時期を狙って出荷、販売することもできるという特徴もございます。  以上でございます。 223 ◯藤木委員=分かりました。そこで、この「にじゅうまる」の現在の普及状況がどうなっているのか。また、今後どのように普及させていくのかお伺いいたします。 224 ◯南園芸課長=それでは、「にじゅうまる」の現在の普及状況と今後の普及についてお答えいたします。  まず、無加温ハウス栽培については、平成三十年三月から現地での定植を開始し、現在、唐津市を中心に五十四戸、六・三ヘクタールで栽培されているところでございます。  それから、露地栽培につきましては、昨年三月から現地での定植を開始し、現在、五戸、〇・六ヘクタールで栽培されているところでございます。  ちなみに、この三月に定植される予定面積としては、無加温ハウスで三ヘクタール、それから、露地では三・六ヘクタール、合わせて六・六ヘクタールが定植される予定ということで聞いているところでございます。  なお、この「にじゅうまる」の普及に当たりましては、果実特性が十分に発揮できますよう、日当たり等の条件が整っている園地にのみ導入を認める園地登録制度を設けるとともに、県が中心となって技術指導を行った上で、JAが苗木の供給を行うなど、きめ細かな対応を行っているところでございます。  今後とも、こうした取組を進めながら、デビュー十年後となる令和十二年産には五百トン程度、これは面積に直しますと三十三ヘクタール程度になると思います。ここまで拡大していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 225 ◯藤木委員=分かりました。それでは四番目、今年の販売店舗についてであります。  その前に園芸課長に言うておきますけれども、やっぱり二十年かけた虎の子の新品種「にじゅうまる」です。大事に育てていきたいし、「佐賀牛」がそうであるように、全国ブランドになって日本国中、多くの人たちがこれを食べ、そして、佐賀を思うというような、海外からの賓客に対して出された果物はこの「にじゅうまる」であったということが連続して続くような状況を正直夢見ております。そういうことになることが、結局、888運動の内実なんだろうというふうに思うので、やっぱり大切に大切に、積極果敢に攻めて攻めて、量が足らなければ普及することはできないので、三十三ヘクタールが適正かどうかもひっくるめて、大いに普及できるように鋭意努力していただきたいと思います。  四番目、今年の販売店舗についてお伺いしますが、個別具体的な話になってまいります。流通・貿易課長にお伺いするんですが、今月の五日から販売が開始されているところでありますが、県内及び県外のどのような店舗で販売されているのか、その販売価格はどの程度となっており、そして、その売れ行きや手応えは実際どうなのかということについてお伺いします。 226 ◯小野流通・貿易課長=今年の販売店舗と価格等につきましてお答えいたします。  まず、県内では初売りイベントを行いましたコムボックス佐賀駅前の「さが風土館季楽」をはじめとしまして、「Fruits Garden新SUN」、佐賀玉屋、その他、スーパーモリナガと「ゆめタウン」といったスーパーでも販売をしていただいております。  そして、県外では戦略的にブランド化を図っていくため、販売エリアを東京、関西、福岡と絞って販売していまして、具体的な店舗といたしましては、関東では銀座三越や日本橋三越本店、伊勢丹新宿店などの百貨店、そして、紀伊国屋などのスーパー、そして、関西では阪急うめだ本店、ジェイアール京都伊勢丹など、また、福岡では博多阪急や岩田屋本店などで販売をされております。  そして、販売価格につきましては、果実の大きさや傷の有無、また、店舗によって多少違いがあるものでございますが、平均的な3L、直径が九センチぐらいのものですね。こちらが一個五百円から一千円程度で販売されております。「さが風土館季楽」と玉屋のほうでも高いほうは一個一千円で売られておりました。  また、東京の百貨店では大玉、5Lですが、こちらは直径が十センチから十一センチ弱ぐらいのものですが、こちらの高いものが一個二千七百十円という価格で販売されておりまして、本当に「にじゅうまる」への評価の高さがうかがえると考えております。  売れ行きや手応えにつきましてですが、「さが風土館季楽」での初売りでは、メディア等で初売りを知った県民の方々が来店していただきまして、「にじゅうまる」を買い求められて当日中に完売というふうになっております。  また、東京の百貨店の店長様とも当日お話をしたんですが、おいしくて手応えよしと、しかし、コロナで試食ができないということで、やっぱり新しい上に、試食をしたら、これは完璧に売れるぞといった、そんな話もいただきまして、本当にありがたい声をいただきました。  このような価格についてですが、デコポンや「せとか」といった全国的にも有名なブランドかんきつと同程度か、それを上回る価格となっておりまして、幸先のいい販売スタートとなったと考えています。  以上です。 227 ◯藤木委員=五番目、販売戦略についてということで、しかし、先ほどの課長の答弁を聞いて、正直、初日としてはやっぱり安心をしたというか、よかったなと素直に、ここで聞いているみんなもそう思ったんだと思いますね。本当によかった。  しかし、初日はそうであったにしても、いついかなるときに事故があったり、いろんなことがあってどうなるか分からないので、しっかりとした販売戦略を講じて、売って売って売りまくっていくしかありません。  「にじゅうまる」のブランド化を図るためには、私はまずは多くの県民に食べてもらうこと、そして、そのすばらしさを知っていただき、しっかりとした根強いファンクラブをつくっていくことだと思っています。「佐賀牛」がそうであったようにですね。  そして、マスコミでニュースバリューの高い情報として取り上げられることだと思います。この頃は七山のそば屋さんの話が、ここにおられる皆さんも何となく知っていらっしゃるかも分かりませんが、七山という村の中のそば屋さんがちょっとした情報番組に夜取り上げられたそうで、大反響だそうで、そういう取り上げられ方というのがやっぱり戦略的な販売の方法なんだろうなと。  何げに本当に草深いというわけじゃないんだけれども、七山の山奥の中で、あるそば屋さんが一挙に全国ネットのそば屋に一夜にして変貌するなんていうようなこともあって、こっちは内実があるのだから、そういうマスコミでニュースバリューの高い情報として取り上げられることはすごくいいことだと思うんですね。  地元から確かな両面というか、地元からその確かな評価が、「にじゅうまる」はうまかもんねというようなことが佐賀県のどこに行っても、ああ、ミカンやろう、「にじゅうまる」やろうと、県外から来たお客様、外国のインバウンドのお客様に関わった佐賀県民の多くが、ああ、「にじゅうまる」、そうそうそう、果樹で言うなら「にじゅうまる」よかよと、みんなが言うような状況をつくるということが僕は大切なことかと思っているんですね。「にじゅうまる」てあるでしょう。私、食べたことなかですもんね、どがんですか。私も食べたことなかですもんと。県内どこに行っても食べたことない人ばっかりだと、そういう確かな情報が、お土産で買っていったほうがよかよとちゃんと言えるような状況をつくるということは、まず本当に大切なことかと思います。  私は、そういうような確かな評価が口コミの力で県外へと伝わり、国外へと伝わり、テレビの番組等で取り上げられることで商品としての価値が高まり、結果として「にじゅうまる」のブランド確立につながると考えています。県では「にじゅうまる」の販売戦略をどのように考えているのかお伺いいたします。 228 ◯小野流通・貿易課長=販売戦略についてお答えいたします。  まず、「にじゅうまる」についてですが、日本を代表するトップブランドということを目指しておりまして、そのためには、高価格での取引需要が多く、情報発信力の高い東京等大都市圏でブランド化を図ることがまず重要と考え、販売戦略を立てたところでございます。  その策定に当たっては、昨年、一昨年と首都圏での可能性を探るために、市場関係者による食味評価などを実施いたしました。この食味評価で有名百貨店を卸先に持つ仲卸業者などから高い評価をいただき、デビューとなる本年から多数の取扱いを希望され、全量でもいいから持ってきてほしいみたいなことを言われまして、これらの意見を戦略に反映させたところでございます。  これは、他のブランドかんきつがひしめく首都圏の百貨店で販売する大きなチャンスということもあり、関係者と協議いたしまして、実際、今回の初売りは、先ほど御説明いたしましたように有名百貨店でも販売していただいたところでございます。  また、委員御指摘のとおり、県民の方へ「にじゅうまる」というブランドを認知していただきまして、愛着を感じてもらうことは非常に重要と考えております。このため、県内でのファン獲得を目指し、県内でのブランド発表会や初売りイベントの開催、県民だよりや県内情報番組によるパブリシティーなどを行いまして、「にじゅうまる」の魅力を伝えております。そしてニュースバリューの高い情報として扱っていただけるように、初収穫や初選果、その他トピックなど、日頃からメディアのほうに対しまして時期に応じた旬の情報を発信して、味以上に「にじゅうまる」のことをいろいろ親しんでいただこうという仕掛けも行っております。  そして、県民の方々が目にする機会としましては、まだまだ量は少ないところではありますが、スーパーなど多くの場所で販売されておりますので、できるだけ多くの県民の方々にもそのおいしさを味わっていただいて、ファンとなっていただきたいと考えております。  この「にじゅうまる」は生産者の思いが詰まった、多くの皆さんが待ちに待った期待の新ブランドということで、東京、大阪といった大都市圏の販売をしっかりと行いながら、地元佐賀でも盛り上げ、多くの県民の皆様に「にじゅうまる」が愛されて、そして他県の皆様にお勧めしていただけるブランドとなるよう、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。  以上です。 229 ◯藤木委員=商品ですから、価値と付加価値ということもあります。ですから、二千七百円で取引できるところについては、二千七百円で取引されればいい。しかし、六百円の価値にしかならないようなもの、でも味はそんなさして違いがないということであれば、しっかりとやっぱり食べさせてあげれば、八十三万人が広告塔となって多くの人たちに、このミカン「にじゅうまる」、自分が作ったわけじゃないんだけど、佐賀県の誇りとしてのこのミカンを、みんながみんなで宣伝していくような姿こそが、重要なことだとすごく思っています。  あと、貯蔵性に優れているということですから、一月に採れて、六月に販売するということが可能だということであれば、通常ミカンはもうないわけですから、そのときにこそ、この貯蔵性のすばらしさを生かして四月でも五月でも、本来あり得ないタイミングでこの「にじゅうまる」というミカンのすばらしさを番組で取り上げてもらうプロデュース作戦というのは、私どもにとってすごく有効な、このミカンの貯蔵性のよさを生かした販売戦略、宣伝戦略等を考えて、実施していただきたいと思います。  そういう意味からすると、僕は無限の可能性が広がっていると思うので、園芸課長、三十三ヘクタールと言わずに、もっともっと大きく展開していくことも視野に入れながら、生産についても修正に次ぐ修正、伸びると思えばどんどん広げていけるように努力していただきたいと思います。  最後になりますが、四番目、「さが園芸888運動」の目標達成に向けた決意についてということであります。  少し私も熱くなりましたが、先ほど前語りで、桃崎議長の思いについて多少触れさせてもらいましたけれども、私たちはこの運動の方向性が正しいと信じて、そして、この運動の成果は必ず生産者の多くの人々に深い満足を与えて、園芸大国佐賀の確立に必ずつながるものだと信じて、私たちはこの計画を承認し、スタートを切っております。ぶれることなく、迷うことなく、運動の目標である園芸生産八百八十八億円を必ず達成するんだとの強い決意で、農林水産部、産業労働部挙げてその推進に取り組んでほしいと思っています。  主管部としての池田農林水産部長にその決意のほどお聞かせいただきたいと思います。 230 ◯池田農林水産部長=「さが園芸888運動」の目標達成に向けた決意についてお答え申し上げます。  先ほど高品質なミカンづくりの質疑におきまして、まず、基本技術が十分に徹底されていないのではないかという御指摘をいただいたところですけれども、今後、普及センター、JAで一体となって基本技術の励行、しっかりと指導してまいりたいというふうに考えております。  そして、その「さが園芸888運動」でございますが、この運動は園芸農業の産出額を十年間で二百五十億円余り増加させて、八百八十八億円にするという高い目標を掲げているところでございます。  県ではこれまで、国の補助事業の活用や県独自の事業を実施するなどして、園芸ハウスの整備とか省力化、機械の導入などに対し支援しまして、園芸作物の生産拡大を図ってきたところでございますが、こうした取組の延長だけでは、目標を達成することは厳しいというふうに考えております。今後は、これまでにない一歩踏み込んだ新たな取組の推進が必要だというふうに思っております。  こうしたことから、まず、第一弾といたしまして、各地域で大規模園芸団地の整備が加速化するように、農地の中間保有を有しております佐賀県農業公社によりますリース方式の園芸団地の整備、そして運営を令和三年度からスタートさせたいというふうに考えております。各地域に園芸団地が整備されることで、就農する場所と栽培施設が事前に用意されることになりまして、就農する際の農地探しとか、あるいは施設整備に係る初期投資を大幅に抑えることが可能となるわけでございます。  昨日の農業大学校での現地視察の折に話題になっておりました非農家の学生ですとか、あるいはトレーニングファームの研修修了生の就農する際の受皿にもなり得るものというふうに考えているところでございます。  今後とも、関係機関・団体と一体となり、そしてまた流通販売促進面では、産業労働部とも一体となりまして、今日も議論させていただきましたけれども、これまでに取り組んだことがないような、水田における根域制限栽培団地の整備など、第二弾、第三弾の新たな取組にも果敢にチャレンジしながら、令和十年には園芸産出額を八百八十八億円にするんだという強い決意でもって今後取組をしっかり進めていきたいというふうに考えております。  以上、お答えいたします。 231 ◯藤木委員=もう言うことはありません。本当にその言葉どおりです。期待していますので、よろしくお願いしておきます。  最後でございますが、これは質問項目にも挙げておりませんでしたけれども、古賀委員長の許可をいただきましたので、特別に質問させていただきます。  この農林水産商工常任委員会に対応される執行部の方々の中で、三名の方が本年度で御勇退されると伺っております。それぞれの方の経歴をお伺いしましたところ、まず、森林整備課の一高課長さんです。  一高課長におかれましては、昭和五十四年の入庁で、四十二年間にわたって本県の林業部門を牽引していただきました。特に治山ダムや林道の設計、積算、監督に当たられて、県内で発生した数々の山地災害の復旧であるとか、今ある林道の整備に大きく貢献されてまいりましたし、今本県が力を入れて進めておられる「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」についても立ち上げから陣頭指揮を取っていただいております。  続いて、高田副部長さんであります。  高田副部長におかれましては、昭和五十八年の入庁でございまして、三十八年間にわたって主として農業農村整備部門を牽引していただきました。特に筑後川下流土地改良事業に長年携わってこられ、私もこの点については相当、先輩とは議論させていただきましたが、嘉瀬川ダムから佐賀西部地域へ農業用水を届けるために農林水産省や市町等の関係機関との調整に精力的に取り組まれ、着実に事業を推進していただき、その成果は上がっております。そして、農業振興の基盤となります生産基盤の整備や、県民生活の安全・安心につながる防災・減災対策なども積極的に前に進めていただいたことも承知いたしております。
     最後に、山口副部長であります。  山口副部長におかれましては、昭和五十八年の入庁で、三十八年間にわたって財政、商工、土木、健康福祉、農林水産など、幅広い分野で県政を牽引していただいております。特に平成十九年度から二年間は、武雄中学校の校長先生として出向され、生徒や保護者、そして地域と関わりながら、魅力ある学校運営に尽力され、平成三十一年四月から農林水産部の主に水産担当の副部長として玄海、有明海という二つの海の水産業の再生振興を牽引していただきました。  このようにお三方のこれまでの誠実なお仕事ぶりには、委員各位、大変心強く、ありがたく感じておりましたし、ほかの職員の目標であったと私は思っております。まさに県政の牽引者として御勇退され、大変寂しくなりますが、それこそ先輩方の跡を継いでいく者たちに、これまでの県庁生活の感想といいますか、これまで農林水産業の発展のために頑張ってこられたその思いの一端をぜひお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。 232 ◯一高森林整備課長=発言する機会を頂戴いたしましたので、一言述べさせていただきます。  私は御紹介をいただきましたとおり、昭和五十四年に入庁しまして、振り出しは唐津農林事務所でございましたけれども、これまで森林とか林業の業務をさせていただきました。  勤務地につきましては、今申しましたとおり振出しは唐津農林でございましたが、現地機関のほうがちょっと長くて、御紹介いただきましたとおり、山にダムでございますとか道をつくる土木業務を主に担当してまいりました。  仕事ではたくさんの思い出がございますけれども、まずは入庁当時は物すごく怒られながら仕事をしたことがやはり思い出ですね。あと用地交渉でありますとか、保安林、林地開発といった許認可の業務でもしばし問題が発生して、難題が多かったこと、あとこれも御紹介いただきました災害対応ですね、やはり時間外の連続、時には徹夜しながら、何とかいっぱいいっぱいで復旧で少しでも携われたこと、尽力できたことが思い出としてよみがえってまいります。  特に災害復旧対応で事例を挙げますと、切りはございませんけれども、平成二年度と平成十八年度に大きな災害が起きました。平成十八年度につきましては、当時伊万里高校三年生の女性生徒が通学途中で沢から来た鉄砲水に流されてしまって、非常に優秀なお子さまだったと聞いておりますけれども、亡くなってしまったという悲しくてつらい出来事も経験させてもらいました。  いずれの災害でも土石流でありますとか、山崩れが大きな被害を人家、公共施設にもたらしましたけれども、これら災害は、今後ともますますひどくなってきている状況もございます。これに対応することはもちろんでございますけれども、森林所有者の所得の向上に対する取組でございますとか、紹介いただきました「森川海人(もりかわかいと)っプロジェクト」をさらに広げていくことでございますとか、まだまだ森林・林業分野でも課題を多く抱えてございます。  古賀委員長をはじめ、委員の皆様にはこれからもそういった林業行政に御支援と御協力を賜りますとともに、これまで御支援いただきましたことに対しまして感謝申し上げ、簡単ではございますけれども、退職に当たりましてのお礼の言葉に代えさせていただきます。  これまで本当にありがとうございました。(拍手) 233 ◯高田農林水産部副部長=先ほど委員のほうから温かいというか、過分なお言葉をいただきありがとうございます。また、貴重な委員会の場で発言の機会をいただきましてありがとうございます。  三十八年間を振り返ってというか、今の思いが中心になるかと思いますが、少し述べさせていただきたいと思います。  委員から御紹介いただきましたように、私は昭和五十八年に入庁しております。一年ほど東京で別の仕事をやっていたんですけど、三十七年間はほぼ土地改良事業、今では農村整備事業ということで携わってきております。  入庁当時はまだまだ基盤が全く進んでいなくて、圃場整備なり、かんがい排水事業なり全盛期で、併せて河川改修や道路工事もやっていたかと思います。あちこちで工事をやっていたような記憶がございます。  当時、委員からも言われましたように、調整業務に主に携わった経緯があって、例えば、農水省の方に口を利いてもいただけないような、けんかもいろいろやった思いもありますが、今となっては、ほぼ基盤整備が完了しまして、御案内のとおり、佐賀農業の振興がしっかり図られているんじゃないかなと。あわせて、用地確保等で一緒にやった河川改修や道路工事も一気に進んで、社会インフラの整備にも大きく貢献できたというふうに思っています。  しかしながら、そういった多くの施設が経年変化とともに老朽化してきております。また、日本の社会人口も減少傾向になり、四十年後には佐賀県の人口は六十万人を切るような推計もございます。  そうした中、県では、「稼げる農業」とか、活力ある農村の実現に向け、先ほどあったような888運動にも取り組んでいるところでございます。  そうした中、今後、土地改良施設をどう更新していくべきなのか、現在のところ、長寿命化ということでストックマネジメント事業などに取り組んでございますが、果たしてそれだけでいいのかと。御指摘があったように、単純に更新するのではなくて、今後は地域の農業の将来像をきっちりつくっていただいて、それにかなう整備が必要ではないかというふうに考えております。  そうしたことによって施設を除却したり、統廃合により施設を減らす、いわゆるダウンサイジングなどや、施設の重要度によって管理レベルを変えるとか、既存の施設を有効活用、先ほどありました流域治水なんかも最大限に活用できれば、例えばですけど、排水機場をなくすとか、規模を小さくするようなことも可能になってくると思います。  そうしたことで維持管理費を低減して、将来への投資、いわゆるスマート農業、AIとかIoTを使ったスマート農業に投資できると。そういったことで、そういう社会構造が変わった中でもきっちり稼げる農業が実現できるというふうに思っております。  口で言うのは簡単ですけど、実行はなかなか難しゅうございます。これにやっぱり必要なのが職員の技術力だと思っています。そうしたことから、近年はそういった職員の技術力を上げるための人材育成なり、事業の進め方について大きく我々取り組んでございまして、私に続く後輩の職員の諸君が、そこのところをしっかり取り組んで、稼げる農業とか、活力ある農村の実現に向けてしっかり取り組んでいくと思いますので、どうか委員の皆さんにおかれましても、これからも御支援なり御指導をお願いしたいと思っております。  本日はこういった機会をつくっていただきましてありがとうございます。  最後になりますが、長い間、大変お世話になりました。心から感謝を申し上げますとともに、皆様のますますの御健勝と御活躍をお祈りします。  本日はどうもありがとうございました。(拍手) 234 ◯山口農林水産部副部長=ただいまは過分なお言葉をいただき、また、これまでを振り返ります機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  顧みますと、私は昭和五十八年に入庁いたしまして、振出しは当時の商工労働部労政訓練課組合法規係というところでございました。以降、今まで十八部署を勤務してまいったところでございます。  その中では、先ほど御紹介いただきましたけれども、平成十九年から二年間、武雄市立武雄中学校に校長として赴任いたしました。  当時、武雄中学校は県内一のマンモス校でございまして、学力向上や、日々いろんなアクシデントがございましたけれども、そうしたものを教職員と一丸となって当たってまいりました。  本当に学校経営というのは初めてでございましたけれども、保護者の方々、そういった地域からもしっかり御支援、御協力をいただきまして、私の公務員生活の中でも大変貴重な、そして、ありがたい経験となっております。  最後の二年間は農林水産部のほうで勤めさせていただきました。藤木委員のほうからは、水産行政に係る思いという御質問をいただきました。  水産業につきましては、水産資源の減少、それから、担い手不足と高齢化、水産物の販売ルートなどいろんな問題、課題というのが山積しているところでございますが、その中で私が一番気になっているのは、やっぱり気候変動による海況の変化というところでございます。  例えば、有明海では、大雨が降りますと海水の比重が低下いたしまして、ノリの養殖で申しますと赤腐れ病というのが拡大します。玄海のほうでは海水温の上昇によって魚類の回遊コースが変わってきたと言われており、イカの不漁の原因の一つというふうにも言われているところでございます。  本県でもICT等の先端技術を活用いたしまして、玄海では「漁業スマート化実証事業」を実施して漁船漁業の効率化を図ったり、有明海海区では赤潮の発生予察技術の開発などによってノリ養殖の生産安定を目指しておりますけれども、自然の驚異というのは誠に大きく、本当に私どもも立ちすくんでしまうということが度々ございます。  とはいえ、立ち止まっているわけにはまいりません。こうした大きな気候変動自体を前提として、技術開発というのは進めていく必要があろうかなというふうに思っております。  様々な高いハードルがありますけれども、決して諦めず、一歩一歩事業を進め、漁家の所得の向上というものを実現していく、これが重要であろうかと思っております。  以上、私の思いを述べさせていただきましたけれども、水産業は農林業とともに本県を支える大事な第一次産業でございます。  県といたしましては、今後とも地元漁協や市町、そして、関係団体等と一体となって水産業の振興に努めてまいりますので、引き続き委員の皆様方の御支援、御指導をよろしくお願いいたします。  最後になりましたけれども、委員の皆様方には本当に長い間ありがとうございました。  そして、御指導、御厚情を賜りましたことを心から御礼申し上げます。誠にありがとうございました。(拍手) 235 ◯古賀陽三委員長=退職をされる三名の皆さん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。  以上で質疑を終了いたします。  暫時休憩します。     午後四時三十三分 休憩     午後四時三十四分 開議 236 ◯古賀陽三委員長=それでは、委員会を再開します。  これより討論に入りますが、ただいまのところ、討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し直ちに採決に入ります。     ○ 採     決 237 ◯古賀陽三委員長=まず、甲第一号議案中本委員会関係分、甲第四号議案、甲第五号議案、甲第九号議案から甲第十一号議案まで三件、甲第十七号議案、甲第二十号議案中本委員会関係分、甲第二十三号議案、甲第二十四号議案、甲第二十八号議案から甲第三十号議案まで三件、甲第三十六号議案、乙第十七号議案から乙第十九号議案まで三件、乙第二十一号議案、乙第二十七号議案、乙第三十号議案及び乙第三十八号議案、以上二十一件の議案を一括して採決いたします。  原案に賛成の方の起立を求めます。     〔賛成者起立〕 238 ◯古賀陽三委員長=全員起立と認めます。よって、以上二十一件の議案は原案のとおり可決されました。     ○ 継 続 審 査 239 ◯古賀陽三委員長=最後に、十一月定例会から引き続き審議中の 一、産業労働行政について 一、農林水産行政について  以上二件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 240 ◯古賀陽三委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の二件についての継続審査を副議長に申し出ることにいたします。  以上で、本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。  これをもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。どうもお疲れさまでした。     午後四時三十六分 閉会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...